猫の忘れ物

猫の忘れ物

眠い目を擦りながらカーテンの隙間から覗く空は真っ青でとても眩しかった。

眠い目を擦りながらカーテンの隙間から覗く空は真っ青でとても眩しかった。
10月も終わりになってくると布団から出るのもおっくうになる。
せっかくの久々の休みだったのでこのまま久々の晴天を楽しまないのは勿体無いと思い、その辺の服を適当に着て散歩へ出かけることにした。
普段この時間は仕事に追われている俺には新鮮な空気だった。
特に行くあてもなくふらふらと駅の方向へ足を伸ばし、雲ひとつない青空を眺めながらぼんやりと歩いていると、ガサゴソとゴミ捨て場から音が聞こえた。
なんだ?と思って中を覗いてみると一匹の三毛猫がゴミを漁っていた。
どうやらお目当ての食いかけの魚を見つけたらしく、口にくわえて路地の方向へゆっくりと歩いていった。
特に行く当てもないので、気ままな者同士交友を深めようとついて行ってみる事にした。
猫はまっすぐ前を向きながら悠然と歩き、時たま足を止めて俺を気にする素振りをした。
「なんだ、あいつも相手が欲しかったのか?」
すぐに人の入れないような場所や屋根の上なんかを歩くんだろうと思っていたが、案外歩きやすい道を辿ってくれた。
15分くらいだろうか?見慣れない場所に着いた猫はくるりとこちらを振り返り、ある一軒の窓の中へ消えていった。
「ここがあいつの住処だったのか。」
さて、夢中で猫に着いてきただけだったのでここがどこだかわからない。
見慣れた建物を探そうと周りを見回していると、先ほどの家から声がした。
「何か御用でしょうか?」
振り返ると玄関のドアから若い女性が顔を出した。
「いえ、散歩をしていたら迷ってしまいまして。」
「あら、そうでしたか、この辺りにお住まいですか?」
「ええ、まあ。」
「宜しければ地図を持ってきましょうか?」
「助かります。」
女性は家の中に戻り、紙の地図を持ってきてくれた。
「どうぞ。」
「どうも。」
「今はここになりますけど、お宅は何丁目かしら?」
「5丁目です。」
「え?変ねぇ、この町は4丁目までしか無かったと思いますけど…」
まさか、隣町まで歩いてきてしまったのだろうか?
しかし15分くらいしか歩いてないと思うけどなぁ。
「ここは春日町ではないんですか?」
「ええ、春日町ですよ?」
おかしい、確かに俺の住んでいる地区は5丁目で、もう住んで丸2年になる。
もう一度地図をよく見てみると、右端に昭和40年と書かれていた。
なんだ、地図が古いだけか。
「すみません、もし良かったらパソコンを貸して頂けませんか?この地図はどうやら昔の地図のようですので。」
女性はキョトンとした表情でこちらを見ると
「ぱそこん、とは一体なんでしょうか?」


って感じで散歩してたらタイムスリップしててそこの女性は自分の母親で、父親とめぐり合わせて結婚させないと自分の存在が消える、みたいな話はどうですか?

猫の忘れ物

猫の忘れ物

設定ありがちです。 文章力や構成など、技術面でも批評お願いします。

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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-27

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