i am what?3

私立探偵とフリーターの二束のわらじをはく深川 綾子
彼女にはある能力がある。

第三話目です。

「あ、あったぁっ」私は大きな声をあげた。約7時間の苦労が報われた。  弁当を食べた後、私たちはまた10年前の資料を探していた。そして今見つけたのだ。京さんが慌ててやってきた。「よかった、ありがとう。綾ちゃん」京さんは自分も頑張ったのに礼を言った。
近くのデスクに資料を何冊か置いた。資料には「赤い目連続殺人事件」と記されていた。  資料をめくってゆくごとに殺人現場の写真や、状況が細かく記されていた。 首を切られて、頭が転がっていて、脳味噌が散らばっている写真もあった。とてもじゃないけど好んで見れるものではなかった。
時計を見るともう夜の8時半だった。「綾ちゃん、あとはまかせてもう帰ったら?」京さんが心配してか聞いてきた。実際疲れていた
今日は午前3時頃に起きて事件の書類をまとめていた。 寝不足で目が熱い
「すいません、あとはお願いします」結局私は京さんの言葉に甘えて帰った。 私はいつも京さんに甘えてばかりだ。
部屋に帰るとミニテーブルの上に報告書を置いていたのを思い出した。報告書を手に取り読んでみた。朝は読めなかった長い文がすらすらと読めた。内容は琴町美智子のことだった。 ふと、時計をみると9時半になっていた。私は冷蔵庫にあったご飯をレンジにいれ、その間に冷凍食品を出して携帯を見た。着信は無かった。ご飯が温まると次は冷凍食品をいれてご飯を少し食べた。冷凍食品が温かいチーズ入りハンバーグになったのを私は20分くらいでご飯とともに食べ終えた。部屋に戻ると眠くなった。布団を敷き、私はすぐに眠ってしまった。


赤い目が、あった  それも一つや二つではない  何十個もあるだろう 白い空間に赤い眼球が浮いている。

足の先が地面に触れた。 感覚は無い 地面はまるで水たまりに水滴が落ちたみたいに円を広げていった。

歩くほどに眼球が落ちて来る。  進んでゆくごとに怖くなる。  

でも、私は止まらない  止まれない

現実みたいだ  止まりたくても、止まれない

一気にすべての眼球がこっちに向かって落ちてくる

でも眼球は目の前で潰れ、私には当たらなかった


私は携帯の着信音で目覚めた。でも私の携帯の着信音はこんな感じの音ではなかった。 つまりは京さんの携帯だ
部屋を出ると、リビングのテーブルにパソコンを置いたまま京さんが寝ていた。いつでも気付くようにか大きい音量に設定しているのに、まったく気付かず熟睡していた。なんとなく携帯を見ると、刑事課からだった。あわてて京さんを起こして電話に出させると京さんは話を聞いた後に「そんな、、、」と声をこぼした。
まさか、、、また赤い目の人が、、、? いやな予感がする。
「あの、、、?」京さんは顔をこわばらせていた。「赤い目の男が、、、死んだ」 私は立ちくらみがした。

男は高層ビルの39階から落ちて死んだらしい。今度は遠かったので電車で1時間くらいかけて京さんと行った。



男はポケットの中から眼球を取り出した。それは少女の眼球だった。その眼球をつまらなさそうな表情で見つめていた。
その後ろから少年が近づいていった。 まだ15歳にもなっていないようなまだあどけなさがある少年だった。
少年は男に飛びつくように男の目元を手で覆った。その手には力が入っていた。 指先に血が付き始めた   そして
赤い目がえぐり取られた。 少年はその赤い目をハンカチにくるんで背負っていたリュックにいれた。 男は少し喘いでいたが、少年に突き落とされた。


気がつくと私は泣きそうになっていた。  なぜあんな子供まで?  赤い目という言葉が悪魔の囁きのように聞こえてきた。
今目の前には男の無残な遺体があった。  肉が割れ 内臓が飛び散っている。あちこちに折れた骨がある。 真っ赤な血は6メートルくらい広がっていた。 顔は確認できないほどに潰れていたが、眼球は無いのだろう。 男の遺体はもはや人間の形をしていなかった
「京さん、始まりました、、、」無意識のうちに言葉がでていた「赤い目の、死のレースが、始まったんです!!」私はそう叫んで泣き出してしまった。

しばらくして落ち着くと、自分の言ったことなのに「赤い目の死のレース」という言葉が恐ろしくなった。 そして、このレースはきっとまだ続く。そう思うたび鳥肌が立った。
京さんはいま隣にいてくれてる。ただ黙って下を向いている。
上を見上げると曇っていた。   遺体はもう片付けられたらしい。ふいに、京さんが立ってどこかに行こうとした。「待って!!」私は反射的に京さんの手首をつかんだ。京さんは一瞬、驚いた顔をしたけど私の頭を撫でた。「もう、この事件でこれ以上人は死なせない」京さんは小さく、でも力強く言った。 真面目な顔をしていた。
「綾ちゃんに、あんなものは見せたくない」京さんは手を頭に乗せたまま言った。 私は黙って何度も頷いた。



                赤い目の死のレースは絶対、終わらせる

i am what?3

二話とかなり離れました。
すみません

i am what?3

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
更新日
登録日
2011-09-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted