なぞなぞ

短いですのですぐ読めます。

誤字・脱字がありましたら連絡御願いします。
感想・アドバイスなどもくれると嬉しいです。

今日は早く寝たい。寝て明日に備えて元気を溜めるのだ。人気者も楽ではない。いつも誰かの期待に応えなくてはならない。でも苦でもない。自分が頑張って褒められたりするのは嬉しい。人気者なのも今までの頑張りを誰かに認められたからだと思えばいつまでだって続けていける。だから今日は早く寝たい。私には今年で6歳になる妹がいる。ずいぶんと大人しい妹は今日も帰ると私の前に現れた。そして私の顔をじっと見つめて母に私が帰ってきた事を報告する。彼女は酷い奴だ。今日の夕飯はカレーだった。カレーの中に入っている野菜はとてつもなく不味かった。妹はそれをおいしいおいしいと言ってきれいに食べた。私は不味い野菜は残して捨てた。たまに私の夢に妹が出てくる。私と手をつないでただただ歩く夢。今夜もその夢を見た。その夢を見た次の日には汗でシャツがべたべたになっている。いつもそうだ。妹が私の部屋の前で立っていた。私が起きた事を母に伝えるようだ。毎日の事。普通の事。妹は普通に毎日狂っていたのだ。
学校には私を待ってくれている沢山の人がいる。先生、友達、先輩。私は沢山の人の期待を背負って学校にやってくる。重荷ではない。それがいままでの結果だから。おはようと朝の挨拶をすれば沢山の方向から声が返ってくる。悪くはない。机の上には沢山のプリントがのっていたので急いで片付けた。毎日の事。普通の事。


本当は私達には母親などいなかった。誰かはわからない。いるのはあまり帰ってこない父親だけ。妹と私がここに来てからずっとそう。なのに妹は6年間ずっとまるで母親がいるかのように過ごしてきた。妹は本当に気味の悪い存在だった。正直言って私とは正反対で不釣合いな不出来で馬鹿で狂っている妹だ。気持ち悪い。この日はテスト週間ということで昼前に学校が終わった。これから遊びに行かないかとも誘われたが妹が家に一人でいるので家に帰らざるおえなかった。手間がかかるのだ。帰ると妹はいつもの如く私の目の前に現れて細い声を出した。
「今日はおかあさんはいないよ。」
「そうか。今日はいないんだな。」
妹は首を縦に振った。どうやら今日はいないらしい。妹が不安な顔をしていた。とくに会話のない食事が終わり自分の部屋でゆっくりしていたら妹がはいってきて私のベットに座った。
「この前ねおかあさんが褒めてくれたの。みくの絵はすてきですねって」
妹はいつにも増して饒舌だった。
「それでねみくは嬉しくなっておかあさんの絵も描いてあげたの。見たい?」
妹は声こそは明るいものの顔はいままで通りの無表情だった。なにも言わない私にしびれを切らしたのか何も言わずに私の部屋を出て行き画用紙を裏返しにして持ってきた。妹がもったいぶって見たい?見たい?と何度も聞いてきたので私は
「見たい」
と答えてしまった。
妹がじゃーんという効果音とともに出てきたのは何も描いていない画用紙だった。
「これはおかあさん?」
私の問いかけに妹はそうといつもにない凛々しい口調で答えた。
「これはおかあさんだよ。おかあさんは真っ白なの。ホントは知ってる。全部しってる。でも知らないほうが楽しいもんね、知らないようにしているの。あなたは誰?私はなに?あなたは知っている。でも気づかない。ふりをしている。」
あなたは誰?私はなに?なぞなぞなのか?
あなたは誰?私は…



そうだ。
私に妹なんていなかった。

なぞなぞ

自分なりの補足説明をさせていただきます。
私が今まで見えていた妹は私の汚い部分です。妹=本当の私です。ですので気持ち悪いなどは全部私が私を客観的に見たらそう思うだろうという気持ち。妹は自分の都合のいいことしか考えないようにしていました。本当の私もそう。
じゃあ私にとって都合のいいこととは?逆に都合の悪いこととは?
それもまた深く掘り下げていけたらいいと思います。
ここまで読んで下さってありがとうございます。

なぞなぞ

短いのですぐ読めます。 とても読みにくいかもしれませんが見てもらえるとすごく嬉しいです。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-09-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted