硝子片


左足に刺さっていた硝子片で
ふと子供時代を思い出した

それはわたしのなかの力が爆発した瞬間だった
怒りで身体中が満たされたのだ

飛び散った破片は皮膚をやぶり
やわらかなからだのなかへ侵入し、存在を主張した。

痛みとして、悔しさとして。
それにわたしたちは悩まされる

そしていざ身体の外へ
無機物として取り出されるとき

わたくしは始めて

後悔としての悲しみを味わうのです

硝子片

硝子片

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-16

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