愚か者

 私は愚か者である。私は確かにそう実感するのである。これまでの人生、家庭にも恵まれ、恋も人並みにしてきたし、多くはないが心を許しあった友人もいた。それにもかかわらず、人生の晩年を迎えた今、私は己の無力さとどうしようもない強大な虚無感に打ちひしがられるのある。
 

 これまでに忘れられない出来事がいくつかある。

愚か者

愚か者

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-15

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