ブリキの彼女
少しバサバサで水気のない彼女の髪
薄い色素のプラチナブロンド
彼女は自分が何処から来たかは知らない
はじめから 此処 にいたような気もするし
そうでなかったような気もする
そしてそれは 此処 の住人も皆 そうであるということ
優しい寂しい黄昏の時間が彼女の居場所
少なくとも 今 は
住人は皆 彼女に一目置いている
彼女こそが 此処の遊園地の 管理人であるから
大きい帽子はブリキでできて
硬くて固い
マッドハッターの帽子のよう
管理人がレバーを引くと
遊園地は穏やかに目を覚ます
ブリキの彼女