ブリキの彼女

少しバサバサで水気のない彼女の髪
薄い色素のプラチナブロンド

彼女は自分が何処から来たかは知らない

はじめから 此処 にいたような気もするし
そうでなかったような気もする

そしてそれは 此処 の住人も皆 そうであるということ

優しい寂しい黄昏の時間が彼女の居場所
少なくとも 今 は

住人は皆 彼女に一目置いている
彼女こそが 此処の遊園地の 管理人であるから

大きい帽子はブリキでできて
硬くて固い
マッドハッターの帽子のよう

管理人がレバーを引くと
遊園地は穏やかに目を覚ます

ブリキの彼女

ブリキの彼女

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-15

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