不器用な僕ら
結月の処女作になります。
突然の告白
怖いものなんて、何にもないよ。
だって、僕らはずっと一緒だったんだから…。
「璃空ー、起きてる?遅刻するよ?」
「んー…おはよー、真宙。朝から可愛いね。ぎゅってしてもいーい?」
「冗談言ってないで、早く着替えろっての!俺まで遅刻すんだろ!」
朝、璃空を起こすのは俺の日課だったりする。
こいつ…持田璃空(もちだりく)とは、中学からの付き合いで、お互いの家に泊まり合ったりするくらい仲が良い。
「ねえ、真宙。」
「な…なんだよ?」
璃空が突然至近距離で見つめてくるから、俺は思わず目を逸らした。
「俺…真宙が好きなんだ。付き合ってくんね?」
「……は?す、すす、好きって…マジで言ってんの?俺ら、男同士なのに?」
「男同士が恋愛しちゃいけない、なんて決まりはないだろ。それに、真宙はそこら辺に居る女子より可愛いしね。」
璃空の手が俺の頬に添えられると、俺は思わず目をきゅっと瞑った。
そして…唇に温かいものが触れ、角度を変え何度も口付けを繰り返す。
息が苦しくなり、璃空の背中をためらいがちに叩くと璃空は名残惜しげに唇を離した。
「はぁっ、はぁ…は、ぁ…り、く…学校…行かないの?」
「…ああ、忘れてた。行かないとな…。」
「忘れんなよ!ああ、もう完璧に遅刻だよ…璃空のせいだかんな!」
璃空を睨み付けると、璃空は優しい表情で笑っていた。
何でもない日常が、少しずつ動き始めている気がしていた。
親友が恋人になった日
学校が終わると、俺は真っ直ぐ璃空の席に近寄り璃空の肩に触れた。
「…ん?どうしたの?真宙。そんな可愛い瞳で見つめちゃって…抱きしめたくなっちゃうなー。いい?抱きしめても。」
手を掴まれたかと思うと、グイッと引き寄せてくる璃空に、俺は思わずバランスを崩し璃空に抱き付くような体勢になってしまった。
「うわっ…!な、何すんだよ、璃空!離せって…!ば、場所を考えろよ!場所を…っ!」
「…それって、学校じゃなければ抱きしめてもオッケーって事だよね?よし、それじゃ帰ろ!で、俺ん家でイチャイチャしよ。」
璃空のポジティブ過ぎる考えに唖然としながらも、否定する事が出来なかった。
俺も、璃空に抱きしめられたいって…そう思っていたから。
璃空の部屋に入るなり、後ろから抱きしめられ俺の胸はトクンと高鳴った。
首筋に唇を寄せられ、思わず甘い吐息が漏れてしまい、俺は頬が熱くなるのを感じた。
「ん……っ…は、ぁ……り、く……っ。」
「真宙…好きだよ…ずっと、真宙に触れたかったんだ…けど、真宙は身体を触られたり見られたりするの、苦手だろ?だから…ずっと、気持ちを伝える事が出来なかったんだ。」
璃空は、気付いていたんだ………俺がずっと隠してきた秘密に…。
「…俺ね、璃空と出会う前…3歳くらいの頃、女の子に間違われて誘拐された事があったんだ。犯人は30代後半くらいの男で…そいつに、身体触られたり…変な場所、舐められたりしたんだ…それから、裸を見られたり身体に触られたりするのが、本能的にダメになったんだと思う。」
「!…真宙にそんな過去があったなんて…俺、全然知らなかった……俺に触れられるのは平気?嫌なら、今のうちに言ってね。抑えが利く今のうちに。」
璃空は優しい口調で言うと、俺の髪に遠慮がちに触れてくる。
その手つきにいつもの強引さはなく、俺は胸が張り裂けそうな程に苦しくなるのを感じ、璃空に思いきり抱き付いた。
「我慢なんてしなくていい…璃空の事は、大好きだから…何されたって、俺、ちっとも怖くないよ?」
「真宙……本当に、いいの?俺……最後まで、するよ…?真宙が泣いても…止めてあげられないよ…?」
俺が涙目で頷くと、璃空は俺をそっとベッドに押し倒してきた。
そのまま、舌を吸い合うような熱いキスを交わすと、璃空の指が服の裾から入ってきて乳首をそっと撫でるように弄り出す。
「…んぁっ…は、ぁ…ん……っ…璃空…っ…ぁ、あ…っ!」
乳首を弄りながら、股間に顔を埋めてくる璃空に俺は思わず目を見開いた。
「…真宙の、もうぐちょぐちょだね?可愛い…舐めてもいい?」
「…えっ!?……えっと………。」
璃空の言葉に俺の頭には過去の忌まわしい記憶がチラついてしまう。
「…真宙、やっぱり怖い?」
俺が返答に困っているのを感じ取ったのか、璃空が優しい笑顔で俺の手を握ってくれた。
「…璃空が、舐めたいなら……いいよ…?」
潤んだ瞳で璃空を見つめると、璃空は目を丸くした後、嬉しそうに微笑んでくれた。
やっぱり…俺は、璃空の事が好きなんだな…。
身体を触られるのも、裸を見られるのも…大事な場所を舐められるのも…璃空になら、嫌じゃないって思える。
むしろ、嬉しいし…ドキドキするし…興奮、しちゃうんだよね…俺って変態なのかも…。
璃空の舌の感触がして、俺はぎゅっと目を瞑った。
じゅぷっじゅるっという卑猥な音と、璃空の熱い舌の感触だけで、俺は達してしまいそうになる。
「…真宙の、どんどん溢れてくる……もうイキたいんじゃない?俺の口に出していーよ?」
璃空が俺自身に舌を這わせながら喋るから、璃空の息が直に俺のにかかり、その刺激に耐えられずに俺は璃空の咥内に熱い欲を迸らせた。
不器用な僕ら