寂しがり屋トトル

この世界は何時も黄昏時だ
寂しげで何とも言えない夕暮れから始まり
周りがオレンジや薄紫 ちょっとしたピンクに染まって

ぼおっとした淡い灯りが
少しずつ灯り始めれば
そろそろだ

裏ではあの機械の子がせっせと働いているのだろう

この世界は懐かしくて寂しいと
トトルはいつも思う
トトルは木工細工
童話でいう ピノキオ みたいな


だから
燃やされれば おしまい だ

ただ 此処にはそんな恐い火はないので
燃えることもない
火はあるけれど トトルを燃やしはしない


穏やかだ

ただ 穏やかで少しだけ寂しい
 

寂しがり屋トトル

寂しがり屋トトル

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-08

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