寂しがり屋トトル
この世界は何時も黄昏時だ
寂しげで何とも言えない夕暮れから始まり
周りがオレンジや薄紫 ちょっとしたピンクに染まって
ぼおっとした淡い灯りが
少しずつ灯り始めれば
そろそろだ
裏ではあの機械の子がせっせと働いているのだろう
この世界は懐かしくて寂しいと
トトルはいつも思う
トトルは木工細工
童話でいう ピノキオ みたいな
だから
燃やされれば おしまい だ
ただ 此処にはそんな恐い火はないので
燃えることもない
火はあるけれど トトルを燃やしはしない
穏やかだ
ただ 穏やかで少しだけ寂しい
寂しがり屋トトル