未定
「おい、新堂ー何してんだよ。早くボール拾い行けよバーカ」
「はい、すいません。」
・・・カスが。
どこまで跳ばしてんだよ・・・。
「あーわりーわりー、足がすべってさーあっちにもボール行っちゃったわ笑」
「ハハッ!!新堂とってこいよー笑」
・・・てめーはこの前からよく足がすべりますねー・・・バカか?
「でもあっち立ち入り禁止だから見つかったら教頭うっさいっすよ・・・」
「うっせーんだよ。てめーが教頭にどういわれようがこっちにはどうだっていいことなんだよ」
・・・あ、そうですか。コッチはテてめーが蹴ったボールなんか尚更どうでもいいんですけどね・・・
「おい、早く行けよ」
「ハイ。」
「なぁ、俺のボールはぁ?」
「今行きます・・・」
はぁこいつら3年みんな死ねよ。
散々俺に扱き使いやがって・・・
新堂健永。
サッカー部。
入部してから1ヶ月もたたないうちに3年部員からの嫌がらせを受けるようになった。
もともと新堂はサッカー部ではなくバスケ部に入部するわ予定だったが
バスケ部は4年前に部員数が少なくなり廃部になってしまった。
そんな時、クラスの友人にサッカー部の1年が自分ひとりしかいないからと、
入ることを懇願され仕方なしにそのまま入部することになった。
そんなわけか新堂にやる気など起こるはずもなく
いい加減な気持ちで毎日部活にでていたため、それに3年部員が目をつけるのも
そう時間はかからなかった。
それからというもの、新堂はボール拾いから3年部員のストレス解消道具になったりなどと
ことごとく彼らのおもちゃにされ、サッカー部とは言えど、ろくにサッカーなどしていなかったのが現状であった。
いくらなんでも、俺だってこんなの望んでねーよ。
だいたいなんでサッカー部なのに手しか使ってねーんだよ
だいたいなんで転んだってめったにできないとこに傷ができてんだよ
だいたいなんで運動部なのにユニフォームじゃねーんだよ
なんで?なんで?なんで!?
なんでイジメにあってんだよ俺はーーーーーーーーーーー!!!!
「新堂。」
1人愚痴りながらボール拾いをしていたとき、
突然誰かが話しかけたため
新堂の体がびくりと反応した。
「なんですか、咲村先輩・・・」
咲村。
そう呼ばれるその男は、この部のキャプテンであり、
新堂がいじめにあうそもそもの原因をつくった男だった。
「あのさー、あっちも拾っといてくんね?」
「え・・・」
「2年、あっちで練習させっからさー」
・・・ばか・・・。あっちってゴミ置き場じゃねーかよ
誰があんなとこで練習するかよ・・・
咲村は大のサッカー少年で有名で、その腕は誰が見てもかなりの者だった。
性格は根っからひねくれてて極悪なのだが、サッカーは巧いやら
見た目はかっこいいやらでやたらと人気があった。
おそらくこの部にいるほとんどの部員が、彼を慕っている奴らばかりだ。
そんなやつらの集まりだから彼が一番初めに新堂に目をつけたときには
もうすでに新堂はこの部からいじめの対象にされていた。
「なぁ、聞いてんの??」
バキッ・・・
自分の問いになかなか返事をしない新堂にムカついて
咲村は新堂の足に蹴りをいれた。
「い゛っ・・・て・・」
「新堂のくせにシカトとかうぜーよ?」
うっせーよおめーのその足で蹴られるとかまじキツいから
つか、俺仮にもサッカー部員なんで足とかまじ勘弁なんですけど・・・バカなんじゃね?
「なぁ新堂?俺さーお前みてっと、イライラしてきちゃうんだわ。だからさっさと働いてくんね?」
そう言った咲村に新堂は少しおびえる。
いくら心で悪態をついたって、本人を目の前にすると
なぜか体が拒否反応を起こしてしまう。
それほど咲村の威圧感は凄いものだった。
「つーかさぁー、まだ全然ボール片付いてねーじゃん。まじ使えねーよな」
くそっ・・・まじむかつく・・・
「ったくおめーは黙って俺らの言うこと聞いときゃいんだよ。それもできねーわけ?パシリ以下のくせに?」
咲村の酷い言い様に新堂は耐えるようにして唇をかみ締めて俯いていた新堂は
これ以上咲村と一緒にいるのが耐えれなくなり、言われた場所へとボールを拾いに行こうとした。
「あ、新堂!!」
バキッ!!
そんな新堂を咲村が呼び止めたかと思うと、先ほどとおなじ場所にまた蹴りをいれた。
「い゛っ・・・て・・・」
ばっか・・・まじふざけんな・・・
「ボール拾うのはいんだけど、俺の司会に入んないようにしてくれる?目障りだから。」
「っ・・・」
「返事」
「はい・・・っ。」
腹たつっ・・・まじ殺してやりたい・・・
咲村も、結局さからえないでペコペコ従ってる俺も。
だからずっと考えてたんだ。
どうアイツを痛めつけてやろうかって・・・。
絶対いつか精神的にボロボロにして俺の痛みを味合わせてやるって・・・。
未定