親友へ...

また...


 あれから何年たっただろうか、

たしか...たしか、5年だ

そうだ、あと一カ月たったら5年たつ。

お前と離れて5年たつんだ。


 離れて分かったことがあった。

思ったより自分は一人だったとこ、思ったよりお前に頼りきっていたこと

あのころはプライドが高かった、認めたくなかったんだ。

きっとお前に頼られるには、頼りなさすぎることを...認めたくなかった。

お前がいたから皆が集まってきたこと、気付いた時は悲しくて、ただ一人で泣いてしまったけど

そのときは、ある友人2人が救ってくれた。

...あの二人はわかってないけど、些細なことに救われたんだ。


 でも、想像していた以上に退屈になった。


 そしたら、退屈を紛らわせるためか余計なことまで考えるようになっていった

人間の生きる意味とか、自分がいることで何になるだって、

暗くなってた...今じゃちょっと笑えるよ。


 それでも、時間は進むわけでさ

とまれって、もどってって、考えて想っても何にもならないわけで

どうしようもないけど、流れに身を任せるしかなく

友人に連れられて部活に入った。

はじめは、その友人の傍にいれればいいかなって思ってついていってた

あまりお前のことを思い出したくも、考えたくもなかったからだ。

でも、入って友人ができた。

大切な、人たちだ。

 でも、それも三年たてば終わりが来る

いや、終わりってわけじゃないか...ただ、会いづらくなる。

 
 あれからお前とは2回道で会って、挨拶しただけ

あれはお互いに急いでたからな、タイミングが悪かった。


 三年が終わり、そして、また三年間がやってくる。

しめはお前からのメールだった

近況報告を少しと、ちょっとの情報交換。


まさに桜並木だった。

新しい三年間は桜に囲まれてた。


 今度は最悪だった。

嫌なことを思い出さないですむような人もこそこには居なかった、

少しでも夢中にしてくれればいいのに...

 嫌な思い出?お前のことに決まってるだろ

しかたないだろ?

そりゃ”嫌なこと”になるさ。

だって、お前を思い出すと自分が惨めになってくるんだ

まだお前に縋ってる、いつまで頼る気だって

弱い自分が惨めだった。


 なんやかんやでここにいても友人は増えるわけで...

 しかしあれだな、三年ごとに増える友人の数が減っていっている気がする

 でも、ここでの三年間も無駄にはならなかったりするんだよな

悔しいがな、喜ばしいことだ。

勝手に一人で諦めて面倒になっても、周りは知らないし、関係ないと話しかけてくれる。

なんだかんだ言って楽しかった、終わりよければってやつだな

最悪だと思っていたのに、今ではこれだ

変わったよ、色々と

お前への想いも”嫌なこと”ではなくなってた。

年々素直になっていく自分も気持ちが悪いが、良い傾向なんだろう。

これなら今度はお前も大切に扱えるはずだ



......そこで気がついた、今度はいつなんだ?って



イトコが友人と会ってたんだ...

イトコと友人は親友といっていい関係で、離れても定期的に会っていた。

不器用な俺たちとは違う

そのとき思ったんだ

    「どうして」

どうして、あんな風にはなれなかった

どうして、こんな風になった

考え出したら怖くなった

会いたい、けど人気者のお前にはもう、俺は必要ないんじゃないか?

いや、むしろ必要ないんだ

いつまでも引きずってるのは俺だけ

いやになった、全部が

一生の友人になれる7年間にあと1年たりなかった

そのせいか?

見た目がいいお前に比べて、不細工だから

それかもしれない…

そもそも、会ったとしても変わったんだ

昔は外交的で喜怒哀楽が激しかった、今は内向的でコミュ症

気持ちの表現も鈍く、難しくなったんだ

きっとお前は昔と同じように気持ちのいい笑顔で笑っているんだろうな。


そこで悩むようになった

会いたい、ずっとじゃなくていい

1年に片手で数えられる位だけでいい

話したい、今のお前がどうなっているのか見たい

いっぱい話したい

独りよがりだろう

でも、また会いたいんだ。

感情はそういうだろう、けど理性は違う。

会いたいと思っても動けなくなる

でも

丈夫になった自分は止まることをしない

昔みたいに、時間に止まれと、もどれと嘆いたりはしない

時間の流れに乗って進んでいるはずだ


テレビで、似た関係の2人が奇跡的に

多分奇跡的に再開していた。


さめたよ、この世に奇跡なんて万に一つしかない

奇跡がなければ偶然なんてものもない

あったとしても自分の元には落ちてはこない

どれだけ願ってもないものはないんだ

所詮、俺は俺なんだ


そこで思ったんだ。

そこまで偶然にこだわる必要はないだろうって...

自分が動けばいい、偶然なんて待っているほど気は長くなかったはずだ

メールでも、電話でも

ボタンひとつだ

しかしだ、ここで問題が発生するんだ

理性、卑屈な自分、自虐的

面倒だがこれでボタン一つが押せない。


都合のいい言い訳、丁度良い後押し

進みながら俺はこの二つを探してる。


ボタンひとつ押せる勇気が欲しい。


昔に比べて大切なものは増えていった

それはお前も同じだろう

少し大人になった2人でまた会いたいな

経験豊富なお前の話は面白いんだろう。

                 
                ―― See you ―― 
                        
                         また 会おう。

親友へ...

前と同じように一人の想うままだけを書いたものです。
つづきができたらいいなとは少し思います、ミスなど、他にもなにかあれば気軽にどうぞ^^

親友へ...

親友にもう一度会いたいってものです。 想うだけで会ってはいません。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-03

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