ナースだってにんげんだもの。
前書き
今からここに書き記す物語は、フィクションであることを願いたい。
何がどうでこうなったとか、
或いは、どうしたいが為に書き記した訳でもない。
ただ、
私自身の感じたままの事を書き記し、こんな風に感じ取っている人もいるんだなあ。と
気に止めてもらいたかったからで、別に理解を示してもらおうとかそんな重篤な考えを以て
したことではない事を、先にお詫びしておきます。
ただ一言だけ付け加えるならば
「ナースの仕事は私にとって、最大の天職」
だという事です。
完全無欠な人間なんていない。
私はナースをして早9年目を迎えています。
結婚もして、子供も産んで、娘を産んで1年と1週間で復職をしました。
保育園は空きがなかったので、認可外に通わせて自転車で5分の通勤距離にある病院に勤務させて頂いています。
そこでは外来を担当しているんですが、どこに行っても居るものですね。
所謂お局様。
忙しくてイライラしてたり、自分に気に入らないことをしているものなら雷がどっかーん!!!
勿論、そうさせてしまっている私も悪いんでしょう。
しかしながら、こんなことで!?
って思うような注意までされてしまうと、やる気だって無くなってしまいます。
コピーの取り方がどうのとか、その紙を切る際にもどうだとか。
挙句の果てには、私が入社してからミスばかりだとまで言われる始末。
更には全部が全部、私だけが悪みたいに他のナースたちにも振れ回っていたんです。
流石に、私も耐え切れませんでした。
トイレに篭り、涙がぽろり。
悔しくて仕方ありませんでした。
「みんな、あなたの事を悪く言ってる」
悲しくて仕方ありませんでした。
子供の事で時々休ませてもらってるし、みんなに迷惑を掛けている分一生懸命に働こう。
みんなと仲良くなりたいから、休憩中に食べるお菓子だって黙って買ってきて置いたり、クッキーの差し入れだってしたりした。
なのに、こんな仕打ちってあんまりだと思いました。
みんなが私の事を嫌っていたなんて。
これを記している今でさえ、涙が溢れてなりません。
パワーハラスメント。
この言葉が、しっくりいくのでしょう。
どんなに頑張っても、その言葉で打ちのめされてしまう。
言葉って、大事だと思いました。
例え、その人にとってなんでもない一言でも相手にはとても重大な発言になるかもしれない。
私は、反面教師と捉え他の人には一切そんな事をしないでおこうと思いました。
ナースだって、にんげんだもの。
弱い部分だってありますよ。
時々は、泣いたりもしますよ。
完全無欠なにんげんなんて存在しない。
時々は、自分の事を休ませましょう。
躓いてしまう前に。
ナースだってママだもの。
ある程度年のいったお局ナース。
子育てもひと段落して、ほっとしているのかしていないのか。
はたまた更年期症状に苦しんでいるのかわからないけど、周りに当たり散らすのは止めて欲しい。
私には1歳と4か月になる娘がいます。
私は今ナースとしてパート勤務していますが、9時~16時まで働いています。
勿論、働き始めの二か月間は娘の保育園慣らしの為に、半日パートにしてもらっていました。
やっぱり、保育園に行き始めの頃は熱出しのオンパレード。
そんな事を先輩ナースに話せば一言。
「放っておけ」
初めはこの人何を言っているんだろうかと、半信半疑。
しまいには、40度あってしんどそうな子供さんにも影で
「40度の熱なんかで死にはしない。採血なんかさせられてカワイソウ」
ああ、この人ダメだなと思いました。
もし、娘がここに来ていたとして陰でこんな事を言われていたらと考えただけでも泣けそうでした。
でも、ここは娘が3か月検診の時からお世話になっているかかりつけ。
そんなある日、一か月近く娘が咳をしていました。
けど、発熱もなく元気いっぱい。
もし、こんな事で連れて行けば「こんな事で連れて来られてカワイソウpgr」されるに違いない。
そう思った私はエネミーだったのでしょう。
毎日毎日、娘の体調を気にかけ、様子を見ていました。
そんなある日の夜。
私はいつものように娘の寝かしつけをしていました。
明らかに娘の様子がおかしかった。
けど、食べすぎのせいと思っていた私は、抱っこしたまま横になり、次の瞬間娘の嘔吐物を被っていました。
その後もう一度嘔吐。
流石に、危ないと思いかかりつけでもある私の勤務先に電話しました。
車で5分。
かかりつけだし大丈夫と思っていました。
ただ、返ってきた言葉は「NO]でした。
当直医が小児科が苦手だそうなので。
救急サポートセンターを教えてもらい、S付属病院に行きました。
結果、3日入院しました。
娘は、ウイルス性髄膜炎でした。
私はナースであってもママなんです。
心無い言葉にも傷ついたりします。
悲しんだりもします。
苦しんだりもします。
私は、軽はずみに言葉を言う事は良くないと思いました。
「ナースだってママだもの。」
ナースだってにんげんだもの。