ちちのいわ


私は違和感を覚えずにはいられない。
からだのなかに無機物があること

それは岩とよばれわたしを蝕んでいく。

やわらかい身体。
有機物のからだには無機物は嫌なものであり
また無機物も有機物をからだの中から拒絶している

この拮抗に私たちは抗えないのである。

病床にて息がとまる日をまち
涙を幾つもながすわたくしは乞食のようである


とどのつまりとして
無機物になるために、つかの間のいのちを天から与えられ
恋をして、生き

また無機物に還るために
わたくしは生まれてきたのですね

ちちのいわ

乳がんをテーマにかいてみました。

ちちのいわ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-10-03

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