ちちのいわ
私は違和感を覚えずにはいられない。
からだのなかに無機物があること
それは岩とよばれわたしを蝕んでいく。
やわらかい身体。
有機物のからだには無機物は嫌なものであり
また無機物も有機物をからだの中から拒絶している
この拮抗に私たちは抗えないのである。
病床にて息がとまる日をまち
涙を幾つもながすわたくしは乞食のようである
とどのつまりとして
無機物になるために、つかの間のいのちを天から与えられ
恋をして、生き
また無機物に還るために
わたくしは生まれてきたのですね
ちちのいわ
乳がんをテーマにかいてみました。