夏汗

夏汗

??「武石くーん!!」
・・・ん?

部活帰りの、川の上。
俺は1人、橋を無言で渡っていた。

??「はぁ、はぁ・・・・」
武石「どうしたよ、そんなに慌てて」
??「ドウシタヨ、ソンナニアワテテ。じゃない!」
武石「はい?」

この人は、俺の行っている高校の同級生である、松田小春。
俺は、今高校2年生で、サッカー部に所属している。

松田「はい、これ!」

・・・・ん?

松田「ただでさえ、変な噂が立ってるんだからやめてよねっ!」
武石「これって、俺の靴下か?」
松田「そうだよ!んもう、走って届けに来たんだから」
武石「ああ、悪かったな、わざわざどうも」

あら?
ちゃんと礼を言ったはずなのに松田、今にも怒、
松田「なによその言い方!せっかく人が持ってきたっていうのに!」

武石「ん、悪いな、俺はそういう奴なんだ」
あー、めんどくせえ。
言い方なんてしらねえよ・・・。

松田「・・・まあ、知ってますけどぉー」
武石「なんじゃそら」
松田「でへへ~」

最近、家の方向が同じってのもあるんだろうが、
コイツとよく一緒に帰ることになる。
それに、やたらと話しかけてくる・・・。


~7月上旬の10ページ~

松田「それじゃーねー」
武石「おう」

順番で言うと、松田の方が先に家に着くので、
松田の家の前で別れる。
ちなみに、さっき松田が言ってた変な噂ってのは、
俺と松田が付き合ってるのではないか。という謎の噂である。
まあ、周りは人間だらけで、噂とか立つのはわかるが、よりによってコイツとなんてな・・・。

俺は基本的に誰とでも仲良くやってる。
特にサッカー部の連中なんかとは深い関係だ。

・・・ガチャッ
自分の家に帰宅。
俺は1人暮らしの生活を送っている。
両親は俺が中学3年の夏に亡くなった。

いつも通り、飯食って、風呂入って、そんで寝る。
明日も大会に向けてサッカーの練習して、明日は明日を過ごす。
そんな毎日を送っていた。



・・・・今日までは・・・・・。


目覚まし「チャラララララ・・・」
ガチャッ。
強引に目覚ましを切る。
いつも通りの起床。
いつも通り洗面所に行って顔を洗う。
いつも通りの登校。

この中で、1つだけいつも通りじゃないものがあった・・・。

松田「あっ、おはよー武石君!」

・・・!?
俺が、いつも通り坂道を登って高校に向かっていると、松田の家の前に松田が居た・・・。

武石「あ、ああ。どうしたんだ?」
松田「私、いっつも朝一緒に行く人いないんだよね、仲いい友達はみんな違う方向だから」

武石「そ、そうか。それで?」
松田「えー、もう分かるじゃん、一緒に学校行こうよー」

・・・・なんだろうか。
最近やたらとコイツと関わる。
嫌ってわけじゃないんだろうが、何か気にかかる。なんだろうか。


学校に到着。

??「嘘だろっ!?噂は本当だったのか武石!?」
武石「はいはーい、どいてね、後で説明するよ」
??「絶対だぞ、おい!教えてくれよ!?」
??「小春ちゃん、やっぱり・・・・」

噂を好む奴らの声が聞こえる。
まあ、そりゃそうなるよな。この状況を見ると。

・・・・。
武石「松田、ちょっといいか?」
松田「うん?どしたの?」
武石「お前は、何をそんなにニヤニヤすることがあったんだ?」
松田「うへへ、なんでもないよー、教えないっ」

・・・・なんなんだコイツは・・・。
武石「へいへい、そうかい」

生憎、コイツとはクラスも一緒だ。
流石にクラスに入るときくらいは距離を置いた。
クラスのメンバーほどの人数に色々言われると流石にイライラする。

・・・・という俺の試みは、無駄だったようだ。

??「武石!松田の件聞かせろよ!」
??「朝一緒に登校するなんて、そりゃもうアレじゃねえの!」

5秒かかっただろうか。
そのくらいの時間でクラス中のみんなに広まった。

・・・・・はぁ。
まあ、適当にあしらうか・・・。


~思考~

俺からはとても珍しい。
なんとなくだ、なんとなくで、松田を呼び出した。

昼休みに、広場の入口に来てくれないか、と。
色々聞きたいことがあった。


しばらくして、あの声。
松田「武石くーん!」
武石「お、来たか、すぐ終わるから付き合ってくれよな」
松田「全然大丈夫だよー、ドキドキ」
武石「・・・・ん?なんか言ったか?今」
松田「ポキポキって、指鳴らしただけだよ」
武石「そうですか・・・」

なんていうか、最近俺は引き気味になった気がする。

武石「まず、俺らの中で噂が立ってるのは知ってるよな?」
松田「ああ、付き合ってるっていう噂だね」
武石「その件だが、クラスの奴らとかにちゃかされてるけど、嫌じゃないのか?」
松田「うーん・・・・」
松田は、少し考えて発言した。
松田「嫌ってわけじゃないよ、ってか、武石君嫌いじゃないし」
武石「・・・そうか、それならいいんだが」
松田「えーっと、話ってそれだけ・・・?」
武石「え、あ、ああ。」
松田「・・・・そっか、それじゃ!」

・・・俺は、
・・・もっと聞きたいことがあったはずなんだが・・・。


~互い違い?~

松田を呼び出す。という行為から1週間、気づけば、大会は後5日後だった。
あれからも松田とは今まで通り話すが、何かが引っ掛かる・・・。

亀田「武石!」
武石「?」
部活で外に向かうため、1人玄関に居た俺。
向こうから声が聞こえてきた。同じ部活の同級生、亀田哲夫だ。

亀田「よっ」
武石「おう、今日も頑張るかぁ、」
亀田「・・・・ん、お前、なんか元気なさそうだな」
武石「・・・え、そうか?別に普通だぞ」
亀田「そうか?それならいいんだけどよ」


グラウンド、下校前の生徒が何人か窓から見ている。
しかし、結構遠いので、人物は特定しづらい。
いつものことであるが、最近は妙にそこが気になる。なぜだろうか。

堂本「集合!」
3年生の先輩、及びキャプテンの堂本健先輩。
部員全員から信頼されている、とても良い先輩だ。

堂本「大会を5日後に控えている。前からそうだが、今日も気合入れていくぞ!」

・・・一体、俺は何を考えているのだろうか。

「・・・し!」

最近は、自分が何を考えているのかさえも分からない・・・。

「・・・いし!」

どうも、松田小春という存在が引っ掛かるのだが・・・・。

堂本「武石っ!」
武石「へ、へいっ!」
あまりにも情けない声が出てしまった。
「ハハハハハw」
周りの奴らに笑われる、恥ずかしいめにあっちまった。

堂本「ったく、話聞いてろよ?」
武石「はい、すんません」

その時、ちょくちょく窓を確認する。という行為をやめた俺に対して、
勝負を挑むかのように、窓の方でイベントがあった気がした。
しかし、その窓を見ても何もなかった。 遅かったのか・・・?

ーー同じ時刻、その窓にてーー

夏樹「こはるん、あぶなかったねぇww」
松田「もう、何笑ってるのっ」
夏樹「だって、武石君が怒られてる時のこはるんの顔が、すごく怖かったからw」
松田「き、気のせいだよ!」

この気持ちに嘘はない。
多分私・・・、武石くんのことが好きなんだ。
なのに陰から見ることしかできない・・・、何かしてあげれることはないのかな・・・。

ーーサッカー部ーー

・練習試合

「へい!」

俺は味方にパスをする。
見方は俺のパスを受け取りシュート。
しかしそのシュートは止められる。

堂本「おいそこ!そんなシュートじゃダメに決まってんだろ!」
   「後、武田、いいパスだったぞ、後は周りをもっと見れたらいいな」
武田「ういっす」

俺は、FW(フォワード)というポジションを担当している。
言わば、チームの中でもよく攻めるやつだ。


今の俺は、、いつも通りサッカーをしている「つもり」になっている。
冷静に考えれば、このモヤモヤに松田が引っ掛かってるってことは・・・、

俺はもう、気づいてるんじゃないか・・・?


~表示~

夏樹「こはるーん、まだぁ?」
松田「ごめん・・・もうちょっと・・・」
夏樹「うんうん、思いが強い証拠ですな、許しますぞ」
松田「うるさいなっ」

私が陰でできること。
確か、もう少しで武石君はサッカーの大会だったはず・・・。


すいません、用事がありまして、
頑張って更新したものの、薄い内容になったのと、
量が少なくなってしまいました。

夏汗

夏汗

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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-30

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