Her words
彼女は言った。
「貴方は私と同じ」
この言葉を言われた少女
その意味を理解するまでのお話
Hill
少女は友人である彼女にこういわれた。
「貴方は私と同じ」
その言葉を聴いた瞬間、少女は戸惑った。
生まれたときから互いの親も私たちも、知り合っていた彼女と私。
そんな彼女からそのような言葉を聞くとは思ってもいなかった。
少女は一冊の本を手に近所の海が見える丘へ行く。
そこに例の言葉を発した彼女はいた。
「おはよう。」
彼女はこちらを見てにこやかに笑いながら言う。
「お、おはよ」
「ここは読書するにはいい場所よね!」
彼女は海を眺めながら言った。
朝の爽やかな空気。
ささやかな波。
私はよくここで本を読む。
彼女にあの言葉の意味を聞こうとしても、いえなかった。
なんとなく分かっていたから。
Suffering
あれから一ヶ月。
なぜか彼女はあの丘に現れない。
彼女の家に行ってみても、誰もいないのである。
彼女とは昔も今も、よく遊んでいたが、急に姿が見えなくなった。
ある日イヌを散歩に連れていたときのこと。
「ありがとうございました!」
ドラッグストアから出てくるのは、紛れもなく彼女であった。
彼女は私を見ていった。
「ねぇ・・・。」
「私の苦しみ分かりますか?」
と・・・。
私は彼女に悪いことをした覚えはない。
彼女は続けて、
「私は、過去の貴方よ。」
そういって彼女は姿を消した。
Space time
私は、彼女のあの言葉でやっと意味が分かった。
彼女がいなければ、今私はここに存在しない。
あれは過去の私だから。
次の日彼女は死んだ、自殺であった。
なんだか私が殺したようにも思えた。
彼女を長年苦しめたのは、紛れもなく私であり、この罪は一生消えることがない。
あの言葉の意味は、彼女は過去の私だったと言うこと。
私は長い間過去の自分が犯した過ちを忘れられず、幻覚を見た。
過去の私は、友達がいなかった。もう死んでしまえばいいとさえ思っていた。
今の私は、楽しく暮らしていた。
私は過去が忘れられず、彼女を実在のように、妄想の中で考えていた。
今、私は過去のあの彼女のようにならないために必死で生きている。
Her words
このお話のモデルは私です
これを読んで、少しでも共感していただければ幸いです