i am what ? 2

私立探偵とフリーター 二束のわらじを履いている深川 綾子
彼女にはある能力があった。
2話目です。

 琴町 美智子
16歳 泉田高校一年
ふだんはおとなしい性格で、犯行を計画した痕跡もないため犯行は衝動的なものとみなす。
また事件の残虐さは異常ということで逮捕された場合は即座に精神科医による治療を下す。


それ以上は読めなかった。もっとなにか書いていたけど私は紙をミニテーブルの上に置いて部屋を出た。

今から現場に行く。赤い目の少女が死んだ場所へ
もう遺体は昨日のうちに回収されてしまったが、人の死に関しては時間に限らず見えてくるので心配はない。 京さんは先に現場へ行っていた。
電車に乗って現場の近くまでいってあとは歩いた。 少女の死に場所となったのは朝はいつも混雑している駅だ。今日の午後までは鑑定がいる。
現場に着くと京さんがいつものように外で待っていてくれた。


ホームには少女以外だれもいなかった。  少女の目は赤かった
少女は突然崩れるようにホームに寝転んだ。  そこに一人の男が現れた。 黒いジャケットとジーンズをはいていて、手にはナイフを持っていた。
少女は男を見ても驚いた感じはなく、眠そうな顔をしていた。  男はまたぐように少女の下腹らへんに乗っかり、ナイフを少女に向けた。
男は少女の目をナイフを使いながらえぐりだした。少女はそれを運命だと受け入れるように、抵抗せず、目をえぐられていた。
そのあと男は虫の息の少女の心臓を刺し、目をポケットの中にいれた。
  駅のホームを出る男の赤い目は照明の光に反射して、赤く光っていた。



「どうして、また、、、!?」私は声をあげた。「どうしたの」京さんが聞いてきた。「赤い目、、、です。 また赤い目の人が出てきたんです」私は少しパニックになった。  なんで!?  少女、男  これからも赤い目の人が出てくるかもしれない
そう思えてきて怖くなった。 「綾ちゃん、とにかく今は落ち着こう」息が荒くなった私に、京さんはやさしく言った。
自動販売機であったかいココアを京さんは買ってきてくれた。そのとき京さんは微糖のコーヒーを飲んでいた。 「ごめんね、無理させっちゃって」京さんは謝ってきた「いままでもだけど、ひどい現場を見せっちゃったね」  違う 京さんは悪くない
私が弱いだけだ。京さんはいままでも刑事としていろんな事件を見てきた、それに私が追い付かないだけだ。
京さんは本当にもうしわけなさそうな顔をしていた。 京さんは本当にやさしい。
やさしすぎて世の中を渡れないタイプの人だ。
 
 京さんに出会っていて、本当によかった。

「大丈夫です。」私は明るく言った。そして見えたことを全部話した。
「そういうことだったんだ。」京さんは納得してくれた。「赤い目、、、」京さんはそうつぶやくとしばらくしてはっとした。「そういえば、、、」京さんは何かを思い出したらしく「綾ちゃん、ちょっと来てほしいところがあるんだ」と言って私を連れて現場を出た。


連れてこられたのは未解決事件捜査本部だった。
「あの、状況が読めないんですけど、、、」私は京さんに聞いた。京さんは「ここに、俺の友達がいるんだよ」と言った。京さんはドアを開けて京さんと同じくらいの年齢の人に話かけた。  そういえば京さん、自分のこと俺っていうんだ、、、  「はじめまして。京太郎の友人です」少し大柄な、でも優しそうな感じの人だった。「はじめまして、深川綾子です。わけあって今蜂元さんにお世話になっています」ちょっと緊張している私に京さんは小声で「綾ちゃんのことは知っているよ。タイプだって」と言った。少し笑ってしまった。 きっと心配しているんだ  京さんはふだんはこんなこと言わないのだ。今、空気を和ませようと京さんは必至なんだ。「おいおい、本当は付き合ってるんじゃないのか?」私たちがくすくすと笑い合うのを見て、京さんの友達は言った。
「そんなんじゃないよ」
「そんなんじゃありませんよ!!」
 あ、、、 「あはははは」京さんの友達が笑った。京さんも困ったように、照れたように笑った いつも
京さんはこんな笑い方をする。  「あ、庄司 今日来たのは、、、」思い出したように京さんは要件を話はじめた。


「10年前にも!?」 「うん」  私は驚いた。10年前、、、 私が10歳で京さんは15歳の頃だ。「ちょっと違うんだけど、赤い目ってところが気になってさ、、、」京さんはつけくわえた。 それから奥にあった棚を指さして「あそこの棚に未解決事件の資料があるんだ」と言った。



「と、届かない」 爪先立ちで手を伸ばしても一番上の段には届かない。すると後ろから京さんが取ってくれた。しかしこのファイルにも10年前のことは記されていなかった。

10年前にも、赤い目の人がいたのだ。 10年前の11月に連続殺人事件があった。その容疑者の目撃情報には共通点があった。それが赤い目だった。
今はその当時の資料を探している。 「ありましたか?」「ううん」 こんな会話をしながらかれこれ4時間はたっている。お腹もすいた   ぎゅうぅぐるるぅ「あ、、、」京さんのお腹がなった。「そろそろお昼にしませんか?私もお腹すいたんで」そう誘ってみると京さんはうなずいた。
しかし食堂なんてものは無いので結局コンビニの弁当を買ってきて、気分を変えて公園で食べることになった。   空腹とは最高の調味料  その言葉は本当だなと、ベンチに座っていい大人が二人そろってコンビニ弁当をがっつきながら私は思った。ふだんはなんにも思わない弁当がその時ばかりはおいしく感じた。



赤い目の人がまたあらわれたとは知らずに、、、

i am what ? 2

今回は恋愛を中心的に書きました。

i am what ? 2

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
更新日
登録日
2011-09-05

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