未来電話
拝啓 5年後の自分へ
やっほ!5年後のあたし!
わたしは今なにになってる?笑
目指してる医者になれてる?
私は今一生懸命勉強してるよ!一日10時間くらいかな?
そのくらいすれば、医者になれてるのかな~?
…書くことないし、電話番号でも載せておくね笑笑
TEL xxx-xxxx
じゃあね!頑張ってね!
飯田 空
医者を目指す15歳の少女、飯田 空は、
医者になるために毎日10時間の勉強に励み、学年では常にトップ。
周りの生徒や先生方も医者になる事は間違いないと感じていた。
両親は幼い頃に亡くなり、親戚の家で過ごしていた。
~~~~~5年後~~~~~
東大医学部に合格した空は、
1人暮らしをはじめ、医師免許を取るため、ひたすら勉強を続けていた。
この時既に、1日の勉強量は15時間と化していた。
「二十歳の誕生日…そういえば5年前に手紙書いたっけか…ハハ。
この手紙…大事に持っておこう…。
……ガタッ!
と、空はいきなり倒れ、床に崩れおちた。あまりに大きな音がしたため、アパートの下に住んでいた住人がかけつけた。
「空ちゃん?!大丈夫?!い、今救急車呼ぶから!!!
20分後に救急車が到着し、空は東京中央病院へ運ばれた。
「飯田さん、大丈夫ですか~?聞こえますか~?! ほら早く!親御さんに連絡とって!!!
「それが…両親とも亡くなっています…。
と、それまで意識のなかった空がいきなり目を醒まし、医師に対しあの紙を見せた。
「こ…こに……で…ん、わ…して…下さい……!
医師は手紙を読み、驚いた。
「こ、ここに電話するのかい?!?!
「お…ねがい…、、します…
医者は戸惑いながらも、言われたとおりに電話をかけた。
~~~~~5年前~~~~~
「この手紙、5年後の私読んでくれてるのかな~?笑
……プルルルルル
「見たことない番号…東京中央病院…?なんでだろう……。まぁ、とりあえず、、(ピッ
「もしもし…飯田ですが…。
「飯田さん…?!飯田 空さんのご親戚の方ですか?!飯田 空さんがご自宅で倒れ、只今救急車に乗っています。今から東京中央病院へお越しいただけませんか?!
空は、戸惑った。イタズラか何かだろうと思っていた。しかし、電話番号は確かに東京中央病院の番号。
同姓同名の飯田 空だとしても、この携帯にかけてくるのはおかしい。なぜだろう。
そう思っている間に受話器の声が変わった。
「空⁈…私は、、5年後のあなた…!!!!!
空は驚いた。それは、5年後の未来から、こちらの携帯に電話がかかってくるということより、その電話の声が自分の声だということに。
「空…!よく聞いて!!!
…わたしは…医者まであと少しのところまでちゃんとこれた…!
けど今は…あなたのしている、その、膨大な勉強による疲労で、救急車にいるの…!
医者の勉強をしているからわかる…。多分わたしは……死ぬ。
空は息を呑んだ。5年後の自分が今まさに死ぬというときにわたしに電話をかけている。
こんなときになんで…。
「いい…5年前の私。今から言うことをよく聞いて…‼
私は…5年間一生懸命勉強…した!!友達と、…ががわることもなぐ…!!!
死にそうな声が、 涙の混じった声に変わった。
「ひたすら…勉強して……勉強して、‼そのせいで!!‼クラスメイトがらは…いじめらるごども…多々あっだ!!‼!
だけど…医者になるだめに…一生懸命勉強して…東大まで、、うがった‼‼
けど……いじめと…勉強によるスドレスで…もう…人生滅茶苦茶!!!!!
だからね空!!!!!医者になることは諦めなくていい!!
けれど…そのだめに…医者になるより価値のあるものは…
失わないで!!!!!!!!
プー、プー、プー、
15歳の空は、大きく、大きく、泣き崩れた。
5年後の空はその後、病院で息を引き取った。死因は、極度の過労からくる、ストレス死だったそうだ。
~~~~~5年後~~~~~
「ポロンッ」
LINEの音とともにたくさんの
誕生日メッセージが送られてきた。
空は、LINEの画面を横目に見、5年前の手紙を読みながら、あの電話の自分に、感謝と追悼の意味を込め、そっと花を添えた。
未来電話