リバースゲーム#5

名状しがたいヤツ

#5 アラルスと00―Ⅰ

 それはアラルスが廃墟の病院に戻ってから数時間後のことだった。アラルスはソファーの上で仮眠をとっていた。彼女は何かにうなされている様子であった。その時アラルスは目を覚ます。周りを見渡すともう既に夕方になっていた。まだ00―Ⅰは帰ってきてはいない様だ。周りを見るとやはり廃墟の施設なのか、破損した瓦礫等が転がっている。服を掛けるためのラックが備え付けてありそこには白衣が掛けられている。アラルスは起き上がりソファーに腰かけたまま、小型の通信機器を見ていると立ち上がって白衣を着る。アラルスは外へと出て遠くを見ると、その先から蒼く長い髪の少女、00―Ⅰの姿が。その背後には獣人で大剣を背負っている男が一人、ファムクスの姿が見える。
「アラルスただいま!!」そう言いアラルスの方へと走り飛びつく。アラルスはファムクスを見ると口を開く。
「遅かったな?その様子だと、00―Ⅰがまた駄々をこねて道草をしていたのだろう。」アラルスは00―Ⅰにしがみ付かられながら言うのだった。
「この子をなだめたり説得したり、大変だったよ。」しかし、ファムクスは疲れた様子もなく言い、別れを告げるのだった。アラルスはファムクスが戻ろうと背を向けた時アラルスは思わず。
「ファムクス。」とアラルスは引き留めようと声を掛けるのであった。するとファムクスは振り返るのだった。
「何?」アラルスに答えるのだった。アラルスは少し間を置くと口を開くのだった。
「…、夕飯、食べて行かない?折角、久しぶりに《リクア帝国》に帰ってきたのだからさ…。」と。その時000―Ⅰはファムクスの方を向くと。
「そうだよ、ファムクス夕飯食べて行きなよ。」と00―Ⅰも声を掛けるのだった。ファムクスは少し考える。
「…、ああ、じゃ、お言葉に甘えて。」ファムクスは返事をするのだった。その日の晩のことだった。アラルスはコンピュータを操作している様で、その円柱状の水槽の中には蒼く長い髪の少女は00―Ⅰの姿。00―Ⅰは何やら眠っている様子。アラルスは感じ慣れた人の気配を感じたのか慌てて後ろを振り向くのだった。そこには獣人の男、ファムクスの姿だった。今は大剣を背負っておらず、身軽な状態だった。
「ファムクス、どうした?」アラルスは問うと、それにはすぐに答えずその円柱状の水槽に近寄ろうとすると、アラルスは慌てた様子で、ファムクスを止めるのだった。
「アラルス?退いてくれ。」と。アラルスは、とても言いづらい様子で答えるのだった。
「この部屋は立ち入り禁止だと言った筈だよ?」と。ファムクスはそんなアラルスを見てからその円柱状の水槽を黙視するのだった。
「…、00―Ⅰ?何故この中に?」と、ファムクスはアラルスを自ら退くと円柱状の水槽へと近寄るのだった。
「あ…!」そう言った後には遅かった。ファムクスそれを見て言う。
「気持ちよさそうに、寝ているな、00―Ⅰ。」とアラルスに言うのだった。
「この子、いつの間にかケガをしていたから治療していたんだ。」とアラルスが誤魔化し答えるが、ファムクスは微笑んで答える。
「誤魔化さなくてもいい。気づいていたさ。この子、00―Ⅰが人間じゃないってね。数日前に会った時から、そんな感じがしたからね。」そう言い答えるファムクスにアラルスはとても気が楽になった気がしたのだった。
「……、そうだったのか…。よかったよ…。あ、そうだこのこと…。」
「ああ、軍にも言っていないよ。この子の存在もね。でも、人口の人間の様だけれど、00―Ⅰは一体…。それに、名前も、『00―Ⅰ』って本当に人口で造られた感じだよ。」と言われたアラルスは驚く。
「あ…。」
「それは、この子の型番だろう?《名前》を付けないのかい?」そう問いかけられたとき、アラルスは答えづらい様子で答える。
「…、そ、そうね…、いつかつけてあげたいな…。あ、でもこの子自身も名前が欲しいか聞かないと…。」と。そしてアラルスの側にあったコンピュータ機器が音を上げるのだった。アラルスはそれを聞くとコンピュータ機器を操作するのだった。
「…、ん~…終わった~。」そう力の抜けた声が円柱状の水槽から聞こえてくるのだった。
「手伝うよ。」そう言いファムクスが声を掛ける。
「それでは、00―Ⅰの服を頼む。」とアラルスは00―Ⅰを抱えて答えるのだった。ファムクスは少し駆け足で部屋を出るのだった。
「あれ、ファムクスを入れたの、この部屋に?」アラルスに問いかける00―Ⅰは眠い目をこするのだった。
「そうだ。ファムクスは気付いていてくれたんだよ。」と。アラルスはタオルで拭きながら答えるのだった。
「よかった。これでアラルスの気が楽になったね。」00―Ⅰをタオルで巻き、抱いて言うのだった。そしてファムクスが戻ってきて服を渡すのだった。
「ファムクス、後ろを向いて着替え終わるまで振り向かないでくれないか。」アラルスはファムクスに呼びかけるとファムクスは頷き、それに従うことに。
「これでいいか?」そう返事をするのだった。そして、00―Ⅰが着替え終わり、アラルスは口を開くのだった。
「もういいぞ、ファムクス。」と呼びかけると再び振り返るのだった。その時、00―Ⅰが飛びついてくるのだった。ファムクスはそれを受け止めると00―Ⅰの顔を見ると、00―Ⅰはとても楽しそうだった。
「ねえねえ、ファムクス本読んで。」とファムクスに願うのだった。ファムクスは頷くとこう答えるのだった。
「いいよ。明日休みだから。」そう言うと00―Ⅰは更に楽しい様子なのだった。
「やったぁ!」大はしゃぎする00―Ⅰとは逆にアラルスは申し訳ないという表情で来るのだった。
「そうか。済まないファムクス。」とアラルス。ファムクスは笑って口を開くのだった。
「いいって、いいって。こっちも明日暇だったし。」そう言われたアラルスは表情を和らげるのだった。
「わーい!」00―Ⅰもとても嬉しそうな様子で声を上げるのだった。そんな00―Ⅰとほかの部屋について行くと、00―Ⅰは入り口のすぐ側にあるとても古くて分厚い本をとっているとファムクスはソファーに腰かけた後で00―Ⅰはその膝の上に腰を掛けるとその分厚い本を開くのだった。その古さもあるが、その分厚い本の内容に驚いたファムクス。それをこの少女が読んでいるということにも驚きの表情を見せ、00―Ⅰが自分を見上げているのを見ると。
「00―Ⅰはこれを読んでいるのか?」ファムクスにそう問いかけられた00―Ⅰは頷くのだった。
「うん。アラルスがお仕事でお外に出ている間やデータとかをまとめている間、この本を読んだり、この中の内容を実行してみたりしているよ。」と本のページをめくりながら答えるのだった。
「じゃあ、この本の内容の中で、できるやつはどれ?」ファムクスは更に問うと、00―Ⅰは、本のページをめくりながら口を開く。
「えーと、《この炎のやつ》でしょ、それから、《この水のやつ》とか、他にもいっぱいあるよ。あ、でも、《光のやつ》があるのだけれど、《それができない》…だけかな。」そう言い更に00―Ⅰも答えるのだった。
「それで、《その光のやつ》を教えて欲しいというわけか。」そう言うファムクスに00―Ⅰが頷くと、その本をめくり言うのだった。
「00―Ⅰ、お皿を運びなさい。」とその時にアラルスの声が飛んでくるのだった。00―Ⅰはその声に応じるためファムクスの膝から起立し駆け足で向かうのだった。ファムクスは小型の通信機器を取りだしボタンをいくつか押すと耳に当てるのだった。その一方でクリストの姿があった。そこに小型の通信機器が鳴り響くのだった。クリストは何かを予感するとそれを取り耳に当てるのだった。
「私だ。ファムクス、遅くまで何処へ行っていたのだ!?」とその一方でファムクスは答えるのだった。
「クリスト!?…あー、悪い。今日、明日寮には帰らないと管理人に云っといてくれ。」クリストは一瞬呆れた表情をしたのか小さいながらもため息が聞こえてくるのであった。その後クリスト再び口を開くのだった。
「全く…、あのアラルスとかいう女性―ひと―に《気がある》のか知らないが、ほどほどにしておけよ。」とファムクスは声を上げてしまう。
「そ、そう言うことじゃないっ!!何を言っているんだよ!?お前は…!」と、クリストは笑うと、また電話越しに言うのだった。
「ま、管理人にはこのことを伝えておこう。ファムクス、あまり、これを繰り返すといずれ、不審に思われるぞ。」と。
「ああ、解っている。ほどほどに…。それじゃ、切るぞ。」とファムクスは電話を切ろうとするのだった。
「ああ。」そう言いお互い小型の通信機器のボタンを一つ押して切るのだった。クリストは小型の通信機器を机の上に置き席を立つのだった。
「…。」クリストは黙ったまま窓の外を見ている。彼は昼間の出来事や、行方不明者の事件等、考え事をするのだった。その一方で、夕飯を終えたファムクスとアラルス、そして00―Ⅰのこと。00―Ⅰは本を開くと地面に腰を掛けたと同時にファムクスも座るのだった。00―Ⅰは本を開きながら呪文らしき文章を書き始めるのだった。
「行くよ…。」と00―Ⅰは念じるのだった。すると球状の光が現れるとそれは浮き上がるのだが、それはすぐに砕け散ってしまうのだった。
「…、大丈夫か?」と落ち込んでしまう00―Ⅰを見るファムクスは声を掛けるのだった。
「うん。…おかしいな…。」と頷いて、呟くのだった。
「今、凄い音がしたけど…。二人共大丈夫?」そこに先程の騒ぎでアラルスがほかの部屋から来るのだった。
「ああ、大丈夫だけど…、00―Ⅰが失敗して…。」とファムクスは説明する。
「…《光の魔法》…。」00―Ⅰは落ち込んでいる様子を見たアラルスだった。
「ねえアラルス、(光の魔法)、向いていないの?」と聞かれたアラルスは少し間を置きつつも答えるのだった。
「…、お前はきっとできるよ。一生懸命練習すれば《大きなこと》もできる筈だ。」と。00―Ⅰは少し嬉しく思うのだった。
「…、まるで、アラルスと00―Ⅰって、《母娘―オヤコ―》の様だな。」と言われた二人は言われてみればふと、そう思うのだった。
「確かに私たちは創造主と造られたものと言う関係であるから、な。と言っても、愛玩目的で造ったこともありそう言うこともあるだろう。」アラルスは答えるのだった。
「…あ、そうだ、アラルスと00―Ⅰが一緒にいる時って、00―Ⅰに何か精神的な異常とか、人格が変わることってなかった?」ふと昼間のことを思い出しファムクスはアラルスに尋ねるのだった。するとアラルスはその場にいた部屋を出ようとし再びファムクスの方を見て出て行くのであった。そんなアラルスのことを察しついて行くファムクス。そして暫くして廃墟の病院内部を歩き続け、やがて地下へと辿り着くのであった。その連れてこられた場所は礼拝堂なのだった。ファムクスはふと考えてみるのだった。どうやらこの病院でかつて、病人たちが治療を受けながら神の加護と病の回復を願ったのだろうと考えファムクスは思うのだ。だが、それにしても不自然な光景がファムクスに疑問を抱えさせる。それは祭壇の中心に円柱状の水槽、そしてその周囲を囲むように何らかの機械が目に入るのであった。アラルスはその周りのコンピュータ関係を起動させて操作するとモニターらしき物が現れアラルスはそれを操作するのだった。
―パスワード入力確認。音声入力オヨビ音声パスワード入力ヲ開始…。―とコンピュータの声は言うのだった。
「《目覚めし魔王と共に創りし使い魔『ゼイン』と共にこの世界に存在する闇と破滅を成す使い魔よ、我に従いて混沌の闇にこの世界を誘え》…。」アラルスの口からそのような台詞を言うのだった。そしてコンピュータは認識したのか、一部の画面が点滅し次のことを発するのだった。
―パスワード確認、《デビロイド》ナンバー、00―Ⅰ。《ゼイン=ルシ=ファー=オブレリック》シリーズノデータ閲覧ヲ許可。《魔王》ト確認。―
「え…、《魔王》って…?」その《魔王》と言う単語が気になってアラルスに聞くのだった。アラルスは自分のなかではもう心に決めていたのだ。
―もう、自分のことを隠すのは止めよう…。―と。そう思ったアラルスはそのことを言うことにしたのだった。
「ファムクス、これから言うことは全部(本当のこと)だ…。私は《リクア帝国》に来る前、敵国である《魔帝国》から来た。私はそのことを言ってしまったら一生恨まれ、疑われ続けられると私は考え、本当の素性を明かさなかった…。だからこの《リクア帝国》に今まで身を隠すことができた。お前とクリストに出会ったおかげでもある。でも、そんな友として接してくれたお前達にもう、本当のことを隠し続けるのはもう止めにしたい…、私は《魔帝国》の《魔王=アラルス》だ。そして、《魔帝国》を動かしている《大死神=エーシル》。私の《実兄》、そして私は《実の妹》…。」そのアラルスから出た台詞にファムクスは一度だけ耳を疑うのだった。アラルスはやはり敵が近くにいたことを知って、絶望しただろうと思うのだが、ファムクスは何か胸の奥で重たく漂っていたものが消えた気がしていたのだった。
「そうか、そう言うことだったのか…。」そう呟くファムクスを見るとアラルスはこの先で起こることが解ったようで、不安が少しはれたようなのだった。
「…、私を、疑ったり、憎んだりしないのか…?」そう言うとファムクスは暫く笑っているのであった。そしてひとまず落ち着くと話すのだった。
「…、なあ、アラルスは何故、その敵国の《魔帝国》から出てきた?」とファムクスは言うのだった。アラルスは、言われてみれば自分がどうして《魔帝国》から逃げてこの《リクア帝国》へとやってきたことを考える。
「そう、だった…な。」とアラルスは言うのだった。
「…、アラルス、《フェツルドゥス》って知っているか?」そう尋ねられアラルスは知っている様子。
「ああ、知っている。《大死神》から《フェツルドゥス》を壊滅させたということを聞いているよ。そこは実験施設であったがためか《大死神》はその施設及び、その他の研究と実験施設をしらみつぶしに壊滅させたとき、《獣人と化した幼い子供に出会ったが、その幼き子供を殺さずに帰還した》と私は聞いた。いつも兄は皆殺しにするか連れてきて奴隷か捨て駒扱いなのに…。そうか…。お前か、その獣人と化した子供と言うのは…。」アラルスは急に実兄の《大死神》から聞いた話を思い出すのだった。そして頷くとファムクスは再び口を開くのだった。
「俺は《リクア帝国》に来る前、その《フェツルドゥス》という研究施設で《最強の生体兵器》を造るために実験と研究が繰り返し行われた。俺は幼い頃に支配された《故郷》から《実験動物として》そこに連れてこられた。そこの連中はとても残酷で惨いことをしていたよ。俺はその施設で沢山の人たちの悲鳴と血しぶきが絶えなかった。獣人にされてしまった俺は幸い生き残った。ある日突然何処かの軍の襲撃を受けた。そこが《魔帝》だということを知ったのは《リクア帝国》の軍人に救助され連れてこられたときのことさ。俺はこの《リクア帝国》の軍の施設に入れられ、その時クリストも同じ施設で出会ったんだよ。今は戦友さ。」そうして笑いながら答えるのだった。
「お前は苦しい過去を経験しても苦しむこともないのか?」とアラルスは問いかける。
「無いよ。だってもうここが故郷で、《フェツルドゥス》は無くなった。だからもう過ぎたことだから地獄から解放されたことだからね。俺のとは逆に、お前の方が《苦しそう》だよ。せっかく《魔帝》から出てきたのに《まだ地獄にいるかのよう》だよ。」そう答えるのだった。アラルスは少し間を置いて答えるのだった。
「嫌な予感がするんだ…。《大死神》は広域範囲で気配を感じとることができる。この地にいることを知られたら…、この《リクア帝国》はいつか戦場になる。」
「だったら、俺が守る!お前も00―Ⅰも。」そう言うファムクスは答えるのだった。アラルスはレスルを見て言うのだった。
「無駄だよ、《大死神》は邪魔者を排除する。その者が息絶えるまで、ね。」と言いそのコンピュータをコントロールしながら答えるのだった。
「そんなの関係ない!要はその《嫌な予感》という運命を変えればいいだけの話なんだよ。」そう言い張るファムクス。その時アラルスはふと考えるのだった。
「…、ファムクス、これを見て…。お前の言っていた事とは昼間のことだろう。私は00―Ⅰを造る時、少々(余計なものを入れ過ぎた)んだよ。私は00―Ⅰにどんな異変が出るのか心配だったんだよ。」とファムクスはそのアラルスの言う《余計なものを入れ過ぎた》と言う台詞に疑問を抱えるのだった。
「《余計なもの》って一体…?」そう尋ねられたアラルスは更に機械を操作するのだった。
「それはこれだよ。この《プログラム》さ。これが00―Ⅰの《メインプログラム》に干渉し、人格が変換されてしまう。ただこれは条件付きだが、な。そう言うことが昼間に無かったか?」そう聞かれファムクスは00―Ⅰが昼間のゴロツキ達相手に半殺しにするとき、その途端闘争本能が00―Ⅰに現れた時のことを思い出すのであった。
「あった…。00―Ⅰがゴロツキ達に絡まれた時だ。俺が追い払おうとしたら、00―Ⅰがあっという間に《半殺し》にしてしまった。いつもの00―Ⅰらしくない台詞を言っていたよ。《屑共が、図に乗るな。人質にする相手を私にしたのが間違いであったな…。》って言う台詞を言っていたよ。だから、俺はアラルスにそれを聞こうと本当は00―Ⅰの行きたいところへ行くはずだったけど戻ってきたんだ。」とファムクス。
「やはり《そうであった》のか…。それは、《とあるデータ》を00―Ⅰの《メインプログラムの奥深く》に存在するものでな。他の者、特に《大死神》には渡ってはならぬ代物で、それを半分解析、暗号化し完成させたものを00―Ⅰの《メインプログラムの奥深く》に埋めた。隠す場所はもうそこしか無いと思ってね。」とアラルスは答えるのだった。
「でも、何故データを隠さなきゃいけなかったんだ?何故に、他人や《大死神》に渡せないんだ?そんなに危険なのか?それにそんなに危険なものなら00―Ⅰに入れたんだ?」ファムクスはアラルスにそう問いかけるのだった。
「本当はあの子にはそんなこの世界を闇に落とすような危険な情報の入ったデータを託したくはなかったよ。でも00―Ⅰは承諾したんだよ。」とアラルスはファムクスの問いに答えるのだった。
「自分がどうなるのか、とか、自分の命を狙われるという事とか考えていなかったのか?」ファムクスはアラルスに問いかけるのだった。
「00―Ⅰは《解っていた》んだよ。私が重要なことをしているという事、そして、いつか私は00―Ⅰがその《データ》を託されるという事を…。」とアラルスは答えるのだった。
「それじゃあ、自分の意志…まだ子供だというのに…。」とファムクスは納得するのだった。そしてアラルスはもう感じていたのであった。自分はいつか連れ戻され、《リクア帝国》が滅ぶことを…。ファムクスや《リクア帝国》の民はこの先起こることを知らずに一日を過ごし何も知らずに生活をするのだった。アラルスはそのことを感じ取っていたのだった。

#5End

リバースゲーム#5

リバースゲーム#5

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-21

Copyrighted
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