放課後の後に
私は一人が好きだった。
何にも捉われず、煩わされず、干渉せず、ただただ淡々と自分の時間を過ごすのが好きだった。
「今日放課後カラオケ行く人ー!」
「はいはーい」
「またかよー飽きねーな」
「とかいって行くくせに」
だからこういう、クラスの馴れ合いが、なんというか、とても痒い。
「アズはー…」
「あーいいのいいの。あの子誘っても来ないし」
「なんか暗いしねー」
なんと陰口を叩かれようが気にしなかった。
そんなクラスでも腫れ物扱い、居場所のない私がなぜ毎日律儀に学校へ通っているかというと
「…やっと帰ったか」
放課後の、夕日が差し込むこの静かな教室で自分の鬱憤を詰め込んだ小説を書くためだ。
(家で書いてたらお母さんに見られちゃうし)
誰もいない教室は絶好の執筆現場だった。
この日、あいつに見られるまでは。
放課後の後に