この世界でひとりぼっちのボクへ

この世界でひとりぼっちのボクへ

遠い昔、想像したことがある。


この世界にいる人間というのは

自分以外実は偽物などではないだろうか、と。

たとえば、となりにいる彼女も

となりにいる友人も、みんなすべて。


偽物である、それらは

偽物だけで考えた言葉を話し、それを言語と呼び

文字を作り、私をだますのに、何億年も前からみんなで話し合ってきたのではないだろうか。

私が喋っている日本語も、すべて
それらがつくりだした偽物。

だが、私にはそれをどうやって見破ればいいのだろうか。


私は、まんまとにせものに踊らされているのだ、

まるで、踊り踊らされる人形師の様に・・・


まあ、なんというか

人類という偽物によって育てられてきた私には

人類によって作られたこの世界に
なにひとつでも証明することはできないのだろう・・・

なぜなら、わたしも偽物という
檻の中に閉じ込められているからだ。

そうだ、このことをボクにつたえてあげよう。

拝啓、

この世界でひとりぼっちのボクへ

この世界でひとりぼっちのボクへ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-17

CC BY
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