この世界でひとりぼっちのボクへ
遠い昔、想像したことがある。
この世界にいる人間というのは
自分以外実は偽物などではないだろうか、と。
たとえば、となりにいる彼女も
となりにいる友人も、みんなすべて。
偽物である、それらは
偽物だけで考えた言葉を話し、それを言語と呼び
文字を作り、私をだますのに、何億年も前からみんなで話し合ってきたのではないだろうか。
私が喋っている日本語も、すべて
それらがつくりだした偽物。
だが、私にはそれをどうやって見破ればいいのだろうか。
私は、まんまとにせものに踊らされているのだ、
まるで、踊り踊らされる人形師の様に・・・
まあ、なんというか
人類という偽物によって育てられてきた私には
人類によって作られたこの世界に
なにひとつでも証明することはできないのだろう・・・
なぜなら、わたしも偽物という
檻の中に閉じ込められているからだ。
そうだ、このことをボクにつたえてあげよう。
拝啓、
この世界でひとりぼっちのボクへ