孤島


きょう、ぼのぼが死んだ

あす、かもめが 死出(しで)の夕闇を 仰ぐだろうよ



凍てついた団らん が

青ざめた 遠吠え が

でくの坊の 手薬煉(てぐすね)ひいて

波止場は 亡じゃで みちて ゆく

波止場は 亡ジャで みちて ゆく 、、、



酒を肴に、(もろ)さを知ろうが

厚手のコートの やさぐれよう よ

ネオンに(かげ)るや、ぼんぼり生ジャの徘徊よう よ

シケモク我慾が 何処(どこ)だって煙に まかれて いる



きょう、おとうが 縊死(いし)して 逝った

あす、かかあが 欄干(らんかん)を そっと撫でるだろうよ

いもうとは、三途の河原へ 臀部(でんぶ)をさらし

流浪(るろう)が 醒めやらぬ 越冬を待望んでいる



ぷかり ぷかりと 浮いてみて

()の世は 病み人 ばかりなのです 、、、



ああ、時代がユーモアを懐かしみ 憂いて いるよう

「黒の舟唄」を想いながら

野暮ったい吟遊詩人(ぎんゆうしじん)と 憂いて いるの です 、、、

孤島

孤島

「きょう、ぼのぼが死んだ あす、かもめが 死出の夕闇を 仰ぐだろうよ ・・・・・・」

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-15

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