ぽかん


ここは なにもない こうえん

コンクリートづくりの ちっちゃな こうえん



まっしろな すなばに ゾウが いっぴき

ぽつんと ただ いっぴき

くりくり めだまを ぱちくり させて



となりには ゴリラが いっぴき

はいいいろの うんていに サルも いっぴき

ただ ぷらぷらと ぶらぶらと



べんちには ライオンが いっぴき

ながいあくびも なくしたように

まあるいおかおを ぺちゃりとむけて



くびをかしげた ウサギも いっぴき



ネコが いっぴき

ネズミも いっぴき

アリも ケムシも ミミズも

みんな いっぴきずつ



みんな みんな

ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽかんと

いやね

たいせつなことを わすれて



こちらを みつめて



ここは とまったばかり

どこもかしこも とまってばかり



それらを ヒトが



とおくから ながめる

ぽかん

ぽかん

「ここは なにもない こうえん コンクリートづくりの ちっちゃな こうえん ・・・・・・」

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-13

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