人体錬成
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「あー金作るのも飽きたわー」
メフェストフェレスが頬をつねってくる。
目の前には金がザクザクと転がっている。全て錬金術で作り出したものだ。原料は鉄。それを加工し、一の元素にもどして再び組み合わせる。
方法を教えてくれたのは彼だった。
「そんなこといっているから貴様には進歩というものがないのだよ」
「ねえーメフェストーなんか他におもしろいことないのー?」
ため息付きながらも、メフェストは僕の意見を聞いてくれる。
彼も退屈しているのだ。
「じゃあ、次は錬金術で人を作ってみようではないか?」
「人? なにそれ?」
「錬金術に不可能はないのだよ」
僕はメフィストフェレスの言うことを聞いて、その手順と方法を再現していく。
「これで本当に人間ができるのー?」
「ああ、そうさ。当たり前だ。錬金術は全てを可能にする。不老不死、金。誰もがそれを望んだ。人の錬成はその一端だよ」
作りあがった人間の肉体は僕の姿に似ていた。
あとはこれに精神を吹き込むだけだという。
「あまりに僕の姿に似ていないかー?」
「クロンというのだよ」
「ふうん。まあ、いいや。それでこの後は?」
「この体が君の新しい体さ。君が入り込む」
「ん?それはつまり・・・」
それから僕は錬金術を行い続けている。
自分の体が朽ちぬように。また、マンネリ化してきた。
お題:マンネリな錬金術 制限時間:15分
2013/07/10 21:38
人体錬成
(aoto/即興小説)
人体錬成