不老不死

不老不死

不老不死ってどういうことなんだろう・・・・・。

不老不死

 彼は不老不死であった・・・・・。

しかし、彼は周囲の人間と変わらず、お腹も空くし、病気もする。

特にこれといって、変わったところのないただのどこにでも居る人間だ。

それゆえ彼は、自分が不老不死で生まれたことは知らない。

周囲の人間と同じく人生はいずれ終わるものだと信じている。

 彼女が出来ない私でも、いずれ誰かと巡り合い、結婚して、家庭を持ち、子供に看取られ死んでいくんだと・・・・・。

彼はそんな、漠然とした人生設計を立てていた。 自分が不老不死だとも知らずに・・・・・。

不思議なことに、彼の周りではトラブルばかり起こるし、起こす。

不老不死という特別な形で生まれた為の宿命なのか・・・・それはわからないが・・・。

横断歩道を青信号で渡って、車と接触すること、計3回・・・・いずれも無傷!!

何気なく道を歩いていると、通り魔に合うこと、計5回・・・・一回だけ病院行き・・・・。

むしゃくしゃして、道路の石を蹴飛ばして、走行中の車に当たり、巻き込み事故起こすこと計1回

行き違いの自転車に接触すること・・・・日常茶飯事!!!

他にもあげればきりが無いがとにかくトラブルばかり起こる・・・・。

その度に、たまたまさ・・・。と思っていた彼にもついに限界が来たようで、彼は死ぬことにした・・・。

自分が不老不死とも知らずに・・・。

自分の住んでる場所、職場など、全てを無くして彼は何も持たずに青樹ヶ原樹海へと入っていった。

誰にも見つからないように、深く、深く、ひたすらに歩いていく・・・・。

しばらくすると、木の幹が穴のように開いている木を見つけたので、ここにしようと思い。

その中に入って、死を待つことにした。

日が昇り、沈んでまた日が昇り、沈んでいく。

何度も何度も日が昇って、沈むのになかなか死なない。

彼もさすがに不思議に思い「はて?・・・・なぜ死なん?」とつぶやいた・・・・つもりでいた。

体は、ミイラのように痩せ細り、お腹も空いてるし、喉も死ぬほど乾いてる。

しかし、彼は死なない、彼はあまりにも死なないので、手ごろなとがった枝で自分の喉を突き刺そうと思って穴から出ようとすると、

不思議なことに体は動かない、声も出ない、さっきつぶやいたつもりでいたが、考えてみれば自分の声が聞こえなかったような・・・。

彼はそのまま、白骨化した。 ただ意識はある・・・そして彼は樹海の中で「はて?・・・・なぜ死なん」と思っている・・・・。

不老不死

不老不死

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-10

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