結局運命なんて誰にも分かりはしないのだろうが、彼女さえ幸せならばボクは死んでもかまわない。

結局運命なんて誰にも分かりはしないのだろうが、彼女さえ幸せならばボクは死んでもかまわない。

私にはシャーネというフィアンセ(婚約者)がいた。


私はつい、先日彼女の交際を断ち切った。

彼女は大層傷ついただろう。

私は罪びととなってしまった。
しかし、これでよかったのだろう。

なぜなら私の体はとある病気に蝕まれていたからだ。

・・・不治の病だそうだ。
医療に特化したこの現代にも不治の病などいくらでもあるそうだ。

私も彼女も愛し合っていた。
だがしかし、幸せになれるなんて都合のいい話なんてそうやすやすと手には入りはしなかった。


だから、私は彼女にとって悲しませる結果で
最後の最悪の結果を回避したのだ。

そう、私の体は不治の病でさらに、この体は医師によてってすみずみまで解剖されるそうだ。
私の意思に関係なく、ね。
政府の達しだそうだ。

彼女が愛してくれた体を政府によって無残な形にされるんだ・・・

そんな世界、いやそんな彼女の顔なんて見たくないだろう?

私はそのあと死ぬからすくなくとも彼女よりはましだろう。

だが、彼女はどうだ?

私を失って、そのあとも彼女は喪失の悲しみをただ一人で

ただ独りで・・・

彼女は孤児だった。

生まれてから、人並みの幸せを手に入れることができずにいた彼女をこれ以上
悲しませたくなかった。

歪んだ愛情と言われるかもしれない。
だが、私の考える彼女にとって、彼女の幸せにつながる結果は
これしか思いつかなかった。

さらば、いとしき君よ。
結局、運命なんて誰にも分かりはしないだろうが、君さへ幸せであれば
ボクはどうだってよかった。

結局運命なんて誰にも分かりはしないのだろうが、彼女さえ幸せならばボクは死んでもかまわない。

結局運命なんて誰にも分かりはしないのだろうが、彼女さえ幸せならばボクは死んでもかまわない。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-10

CC BY
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