晴れ渡った曇り空の地下室

晴れ渡った曇り空の地下室


出口のない、晴れ渡った曇り空の地下室からで歩いてかれこれ1時間たっただろう。

時計を見てみると部屋から出たときよりも5分戻っていた。
私をみる元気な子供たちが青ざめた頬を赤く染める。

喧騒で耳が痛い音の無い世界は今日も雪が降っていた。
ここのところずっとだ。

盲目のおじいさんが私をみてこういった。

「わしはしゃべれないんじゃ」

私は、あら素敵と言った

おじいさんにはなにも聞こえていないようだった

魚が人間を捌く

八百屋に裁かれて砂漠で道に迷った

私は何を言っているのか理解していた

きっと明日は室内の中を出歩くのだろう。

今日から楽しみで
私はきのうからきっとわくわくで
ぐっすりとねむれるのだろう。

晴れ渡った曇り空の地下室

晴れ渡った曇り空の地下室

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-06

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