晴れ渡った曇り空の地下室
出口のない、晴れ渡った曇り空の地下室からで歩いてかれこれ1時間たっただろう。
時計を見てみると部屋から出たときよりも5分戻っていた。
私をみる元気な子供たちが青ざめた頬を赤く染める。
喧騒で耳が痛い音の無い世界は今日も雪が降っていた。
ここのところずっとだ。
盲目のおじいさんが私をみてこういった。
「わしはしゃべれないんじゃ」
私は、あら素敵と言った
おじいさんにはなにも聞こえていないようだった
魚が人間を捌く
八百屋に裁かれて砂漠で道に迷った
私は何を言っているのか理解していた
きっと明日は室内の中を出歩くのだろう。
今日から楽しみで
私はきのうからきっとわくわくで
ぐっすりとねむれるのだろう。
晴れ渡った曇り空の地下室