矛盾

矛盾

私は変わったものが好きだ。
アバウトな話ではあるが、
世間一般的をいわれるものとは離れているといえばまだわかりやすくなるだろうか。

つまりは、だ。
あたりまえのことがあたりまえすぎて
そういったものに飽いているのだよ。

晴れ渡った空に歓喜する者がいるか?

明日が来たことに驚愕するものはいるか?

いつだって、そうだ
コーヒーを淹れれば同じ味
他と異なる者がいれば、偏見され。

だが私は違う。
異なること。
私の、私という常識とは異なる世界観を持つものが
私は大好きだ。

これこそ、知の欲求が満たされる唯一の私の娯楽だ。

―――そう言って、私の患者はコーヒーに砂糖とすこしばかりのミルクを入れてそれを
たいそううまそうにすするのであった。

矛盾

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-06

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