消費文化の直中にて
都市の空を刻むビル、深く掘られ、はり巡る地下。
まるでサイボーグと化した大地。
こんなにも物があふれている、この街。
ほんとうに必要な物は、このうちのどれだけなのだろうか?
ショップの陳列棚の多種多様な商品、すぐにゴミになるような粗悪な材質。
流行廃れも速いデザイン、必要とするのは何のため?
道路を行き交う車車車、そびえるビルビルビル。
使われなくなったら特大の粗大ごみ、あまりにも数が多い、多過ぎる。
人の生活にこんなにも物は必要なのだろうか?
作り過ぎながら、エコだ温暖化防止だの掛け声、奇妙な感じがする。
競って作って売る、自然環境の共生とは矛盾だらけの社会経済システム。
物を欲しがる人の心がそのシステムを加速している。
安い、早い、脆い、都市型消費人生。
いずれ環境を食潰す勢い。誰かがどこかで腐敗の旨味をすすっている。
知ってか知らずか、これが私たちが望んだ世界の本性だったのか。
今、その姿を現している、目に映る社会現象となって。
思い出してみたい。
ひとつの道具に愛着を持ち、味わい深くなるまで使いこなす。
そんな生活を、心を。
消費文化の直中にて