苺さん

~プロローグ~

 なぜあなたはここまでして私を喜ばせようとするのですか?


   そんなの一つに決まってるドラマのようなセリフかもしれないけど無邪気に笑う顔をそのままにしておきたいからだよ。
答えた相手はそれだけ言うと姿を消してしまった。懸命に探してみるもの、見つけることはなかった。気がつくとどこからともなく聞き覚えのある゛ある音″が聞こえてきた。それを堺にどんどん意識がとうのいていった。


ピピッピピッピピーーーーーー
規則正しい機械音が寝室に鳴り響く。まだ逃げていたげにのそのそと自分の目覚まし時計に手を伸ばすがなかなか届かない。
 2分後ーーピピッピピッ思い切って布団から飛び出して目覚まし時計のボタンそ押す。「んーんっよく寝た」と愛猫のラスクに話しかけるが、呆れたような表情でけずくろいを続けている。
もし人間なら口うるさく起こしていたかもしれない。横目に見ながらようやく起きた時計の持ち主である水沢咲は久々の「休み」を楽しもうと今日の予定を立てていた。

報告

 通常なら一週間の内一日は完全にオフのはずだが、水沢は今年から丸の屋企画部果実課に晴れて内定が決まった。入社したはいいものの実際仕事はほとんどつうていけなかった、その為休日にもかかわらず会社に出勤していた。最近では仕事に慣れ始めて余裕ができ休みを満喫することができるようになった。上司の森田忠信曰く「休日と言う名の仕事」と口を酸っぱくしている。森田は、水沢が所属している果実課(通称:フルーツ課)の課長だ。他人に対して厳しいが、それ以上に自分が受け持った仕事には比べ物にならないくらい厳しく周りから一目おかれワーカホリックとまで言われている。
 水沢個人としては憧れよりも尊敬の理念を抱きとても自分にはできない判断や企画を手がけている。憧れている先輩は小西佳菜だ。彼女は水沢が果実課に配属された際、指導係だった。現在は同じプロジェクトメンバーでもあり一人っ子の水沢にとっては姉のような存在だ。それに彼女は企画部でもむなじトップレベルと言っても過言でもない実力を持っている優秀な社員の一人だ。もちろん森田も優秀だ。二人は性格では相性は悪いもの、仕事となると目標としているのは一致して「丸の屋を業界No.1にする」それだけだ。
 「丸の屋」とは大手チェーンスーパーマーケットで来年創業300周年を迎える歴史ある企業だ。その為、子供の頃からの馴染み深い店である。正直、就職試験を受け内定をもらうのは簡単ではなく業界でも特殊な試験で「本質の裏側」を見ていく試験だ。試験の中心は面接試験だ。

苺さん

苺さん

大手スーパーマーケット丸の屋 企画部 果実課 通称:フルーツ課 で巻き起こるいろいろな話を展開する小説です。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-03

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