湖畔の妖精
冷たい風に乗せて白い息をはく
ペダルを漕いで風を切る
早朝の薄暗い道のりは
移ろう景色がなにも変わらないありふれた日常とはすこしだけ違った
だきしめることのできない君はいつもさびしそうに
微笑みかけてくれた。
いつか、一緒に旅をしたい
笑って、転んで、泣いて、怒って、怒られて・・・
ずっときみといたい。
きみと一緒に恋がしたかった
さざなみのなくなったこの湖畔に聞こえてくるよ
あなたの唄が
もう時間が無くなっているのだろう
あれがかえってくる
はやく、あれがきてしまわぬうちに
あなたがとけてしまわぬうちに・・・
唄はいつしか止み、湖には夏が来た
そろそろ時間かな
家に帰る時間・・・
湖畔の妖精