にっき
ホラーもどき、ヤンデレ(にしたかった)
こうかんにっき
友人から一冊のノートをもらった。
友人のいわく、日記帳らしい。
妙に厚いそれは、見た目道理重かった。
これは夏休みにおこったこと。
「7月○日
にっきを書くのなんて小学生の夏休みの宿題以来
飽きっぽいから続かないかもしれないけど。」
これが最初の日記だった。
[7月○日
確かににっきを書くなんて小学生以来だね
絶対に続けてね。これからよろしく。]
次の日、最初の日記に返事がついていた。
何回かいても、返事がつく。気味が悪くて
にっきを書かないようにした。
棚の奥底にしまいこんだはずだった
なのに必ず、次の日の朝、机の上に置いてある。
気のせいか、寝付きも、夢見も悪い。
友人に相談してみた。
あの日記は貰い物らしく詳しいことは、わからないらしい。
こうかんにっき2
夢を見た。
それは、よくいう幽霊みたいなものに、追いかけらる
そういう夢だ。彼女(恐らく女だと思う)は、何か言っている。
今まで捕まったことはない。
本当にリアルでこわい。
今日も日記が机の上にあった。
[7月◎日
今日もうなされていたね。大丈夫?
何でも相談してくれていいんだよ!]
夢よりこの日記が怖いのはなぜなのだろうか。
この日記、僕のことを何でも書くのだ。
きょうどこへいった、とか、
何を食べた、とか、
とにかく怖い。
ふと、和紙のような紙が挟まっていることに気がつけく。
血文字で
(アナタノヘヤ)
と書いてある。
なんだかわかった気がした。あの日記は夢に出てくるあの幽霊
なのかもしれない。
そうだ。
ならば、手放そうと思って、ごみすてばに捨てた。
こうかんにっき3
夢を見る。
やっぱり彼女が追いかけてくる。必死の形相で、僕を追いかけてくる。
やっぱり、今日も何か言っているのだ。
何回も、何回も
また、日記が机の上にあった。
捨てたはずなのに。
でも内容はすでに日記ではなくなっている
[ねぇ、なんで?なんですてるの?
僕はこんなにお前を愛してるのに、お前は僕を愛してないの?
いつも僕が守ってあげているのに。確かに、最初は首もしめたけど、殺すつもりなんてこれっぽっちもなかっかのに。
でも、お前が僕を愛してくれないならべつだ
今夜、ころしにいく。まっててよ、僕だけのかわいい恋人
はやく、僕だけのものにしたい]
僕は友人に相談した。
曰く、ほっとけ、と。幽霊の仕業なのだとしたら、どうしようもない、あきらめろ、と。
…。薄情者!
僕は家で眠りについた。
こうかんにっき4
夢を見る。
彼女が、今日は追いかけてこない。
でも、叫んでいる。
(ヘヤニ、ニッキニカンシカメラガアル。ニゲテ!コロサレル)
僕は飛び起きた。目の前には友人がいた。
「!?、起きたのか。心配だったから来てやったんだよ。」
あれ、僕、鍵閉めたのに、友人に鍵なんて渡してないのに。
それに、友人は何を持っている?
「ねえ、な、なにもって」
「…。」
手に持っているのはロープ。手には手袋がはめられていた
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
僕はその場を逃げようとした。でも、恐怖のせいか、狭い部屋から逃げ出すのも困難だった。
結果、僕は友人に捕まった。
こうかんにっき5
友人は言う
「お前は知らなかったんだよな、僕がどんなに悩んでいたのか、どんなにお前を愛していたのか。あぁ、当然だ。
でも、僕はお前がいとおしいんだ。毎日部屋に忍び込んで日記に愛を書いても、返事がないなんて、お前も照れていたんだろう?お前は僕だけの物なんだから、僕を愛してるんでしょ?
僕は大好き、愛してる。独り占めしたいぐらいに、監禁したいぐらいに、虐めたいほどに、食べたいぐらいに、殺したいくらいに
愛してる、だから、僕だけのものになってよ。」
僕は友人に首を絞められる。
「なぁ、シネよ、シネよ、死んで?」
僕は気を失いかける。
僕は死ぬのか、
ふっと冷たい空気が頬を撫でた。
首にかかっていた友人の手が緩む。
友人の後ろには、僕を追いかけて来ていた彼女。
彼女は友人の首を絞めていた。
こんな状況でも、頭は働くらしい。
彼女の顔は、僕の妹にそっくりだった。
(ハヤク、ニゲテ、)
彼女の言葉に僕は一目散に部屋をとびたし、
警察へと駆け込んだ。
こうかんにっき6
あれから、警察官と僕の部屋に戻ると、
気絶した友人が部屋に転がっていた。
警察官にすでに事情を話していたので、
そのまま、友人は逮捕された。
連れていかれるときの友人の笑顔と
「愛してるよ、またな。」
と言う言葉に恐怖したが、後に、彼が自殺したことを風の噂で聞いた。
あの日記、実は昔妹の物だったらしい。
確かに見覚えはあると思った。
彼女は抜けていて、始めの日に裏表紙の方から日記を書き始めたらしく、そのページは切り取り燃やされ捨てられ、カメラと盗聴器があった。
ついでに部屋にもカメラはたくさんあった。
僕の妹は、まだ小さい頃に、病気にかかり、入院生活だった。
日記はそのときの物だった。僕はよくお見舞いにいった。
でも、僕が風邪を引いてお見舞いに行けなかったその日に、
彼女は死んだのだ。
最後の最期になにもできなかった僕を彼女は救ってくれた。
彼女は最後の最期に何を思ったのだろう。
それは、棄てられたにっきだけがしっているのだろう
棄てられたにっき
○月◎日
おかあさんに日記をもらったよ。
びょうきだからってきをつかわせちゃった。
ごめんね、でも心配しないで。私は大丈夫。
△月 ▲日
毎日お兄ちゃんが来てくれて嬉しいな
私だけをしんぱいしてくれるおにいちゃん。
でも、お兄ちゃんのお友だちが羨ましいな。
■月◎日
今日もお兄ちゃんが来てくれた。自分でもわかる。
もうすぐ、私は死ぬんだなぁ。さいごもおにいちゃんとおしゃべりしていたいな。そうだ、このにっき、おにいちゃんにあげよう。おどろかせたいし、最近一緒に来るお兄ちゃんのお兄ちゃんに渡してもらおう。さいごのにっきを書いたら。
+月≦日
お兄ちゃんがかぜをひいたらしい、大丈夫かな?
でも、私も今日死んじゃうみたい。最期におにいちゃんに会えないのはざんねんだなぁ。
それにしてもおにいちゃんのおともだちお兄ちゃんが好きみたい。だめだよ、私のお兄ちゃんだから。
6月◎日。
どうして、なんでおにいちゃんにこれを渡してくれないの?
お兄ちゃんはわたしだけのなんだから、あんたなんかにあげない。
あぁ、お兄ちゃん大好き、愛してる。
わたしだけの、
おにいちやん
にっき