大切な人
そうだ 私は
あの人と あんな形で
終わりたくなかったんだ
入学したときから
ずっと一緒で
たくさん笑って たくさん泣いた
その最後の思い出を
あんな悲しい形で 終わってほしくなかった
最後は
私とあの人らしく
笑って
あの約束の日に
桜が舞うなかで さよならを言いたかった
苦しかったあの頃の私への
せめてものご褒美に
あの頃の自分は
無駄じゃなかったんだって
あの頃をがむしゃらに駆け抜けてきたから
今 幸せなんだって
だから さよならをする覚悟が
あるんだよって
親友とは 卒業してからも会える
だけど
あの人とはもう一生 会わない
大切な人だったからこそ
私たちらしい
最後がほしかったんだ
ちゃんと自分の足で立って
ちゃんと自分の言葉で
さよならを したかったんだ
ちゃんと さよならを言うために
もう一度 つながりが ほしかった
だけど それで あなたを傷つけた
そんなことをいっても
信じてもらえないだろう
なんて
気づかないうちに
臆病者の私が顔を出して
あなたを傷つけた
タイミングも なにも 考えないまま
一番大切なあなたを 傷つけてしまった
それでも あなたは
私のそばにいてくれる
愛してる なんて ありふれた言葉は
信じてもらえないけれど
それでも
愛してるって 言ってくれる
だから 誓ったんだ
もう あなたを傷つけない
信じてもらえるまで 諦めない って
あなたが悲しむならば
あの人とのつながりは持たない
だって 私が守りたいのは
過去の私でもなく
過去の想い出でもなく
あなたの 笑顔だから
大切な人