【「僕は友達が少ない」二次小説(エロ)】『理科、リアルに凌辱される』
―― まえがき ――
この話は拙作『夜空、性の悩みを抱える』の続きの物語です。前作を先に読まれてから本作をお読みになる事をおすすめします。
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本作から読み始める方のために、簡単にあらすじを書いておきます。
―― あらすじ ――
理科は持ち前の鋭い勘で、夜空と星奈が特別な関係にあることを見抜いた。
「みんなには秘密にしますから、理科にだけは真相を教えてほしいですね~」
そう持ちかけたが、夜空と星奈は理科の思い通りになるような玉ではなかった。
【「僕は友達が少ない」二次小説(エロ)】『理科、リアルに凌辱される』
1
「分厚いドアだな。防音か?」
夜空が理科室のドアを閉め、ガチンと鍵を掛ける。錠がおりる音も重々しい。
「……音が出る実験もあるので、壁や窓も全部防音にしてもらいました……」
「それは好都合だ。いい心がけだな」
「ううう……やっぱり聞かれてはまずいようなことをするんですね……」
理科の顔にはすでにあきらめの色が浮かんでいる。
「ねえ、夜空……」
星奈が夜空の袖をくいくいと引っ張る。
「何だ肉」
「さっきはじゃまが入ったからさ……今しようよ……」
恥かしそうな顔をして星奈が言った。少しだけ夜空が目を大きくする。
「ここでか? 理科が見てるぞ」
「いいじゃない、どうせこの子も仲間に入れるんでしょ」
「それはそうだが……」
星奈はもの欲しそうな目で見つめている。夜空は微笑みながら溜息をついた。
「甘えん坊だな、星奈は……理科、あんまり見るなよ」
そう言うと夜空は星奈に近づき、腰に腕を回した。星奈も夜空の背に腕を這わせる。
二人は理科がそこにいることを忘れたように抱き合い、見つめあった。
星奈が先に眼を閉じ、そっと唇を重ねる。夜空も眼を閉じて、静かに星奈を受け入れる。
「わ……」
あんまり見るなと言われた理科だが、目の前で美少女二人がキスしているのだから、視線を逸らせるわけがない。
理科は両手を口に当ててその光景に見入っていた。
「うわあ……きれい……」
乳を吸う赤ん坊のように、無心に唇を重ねあう夜空と星奈。いやらしさを通り越して神々しくさえある美しさだった。
星奈がさらに強く唇を押しつける。舌を入れているのが理科には分かった。
「……ん……はあ……」
二人のうちどちらかともつかない吐息がもれる。絡み合う舌の動きが激しくなった。
ときどき唇の間から唾液にぬめって光る舌が覗く。
理科は瞬きもせず、欲望のままに舌を絡めあう二人を見つめていた。音が聞こえそうなほど心臓が高鳴っている。
「……ぷは」
心ゆくまでキスの味を堪能してから、夜空と星奈はようやく唇を離した。二人とも目が恍惚としている。
「ゆ……ゆにばあす……」
理科がぽつりと言った。二人のキスシーンが美しすぎて、いつものように大声を出すこともできなかった。
「はああ……よ、夜空先輩、星奈先輩、美しすぎます~。ああ、理科がこれからどんな目に会うにせよ、お相手がお二人のようなキレイな方であったことがせめてもの救いです……」
瞳に憧れを込めて理科が言った。夜空が手の甲で唇に付いた唾液を拭う。
「それは光栄だ。私も秘密に気付いたのが理科のような美少女でよかったと思う。さて、お前の番だ。服を脱げ、全部」
「い、いきなり全裸ですか!? キスとかからじゃなくて!?」
「まどろっこしい。早くしろ」
「……ああ、理科は理科室の冷たい床の上で陵辱されてしまうのですね……二次元では慣れてても、リアルだとこみ上げてくるものがあります……」
目じりに涙を浮かべ、殉教者のような顔をする理科。夜空は顎に手を当て、何か考えている風だ。
「床の上は私も嫌だな。理科、マットレスがあるだろう、出せ」
当然のように夜空は言った。
「夜空、あんたここ来たことあるの?」
「ないが絶対にある。見ろこのスペース。実験台や戸棚の間隔が不自然に空いているだろう。ここにマットを敷いてオナニーしているに違いない」
子供を叱る母親のような目で理科を睨みつける。理科は硬直していたが、ごまかせないと悟り溜息をついた。実験台の戸棚からティッシュ箱くらいの大きさの四角い機械を取り出す。
ボタンをピッと押すと空気を吸い込む音がして、折りたたまれていたマットがむくむくと膨らみだした。
一分もするとダブルベッドサイズのマットが出来上がった。コンプレッサーが自動で停止する。
「わお、便利ね。畳むときはどうするの?」
「こっちのボタンを押すとコンプレッサーが逆回転して空気を吐き出します。一分くらいでさっきの状態に戻ります」
「な、言ったとおりあっただろう。シーツもあるはずだ。出せ」
理科は無言で戸棚からベッドシーツを出し、マットの上に広げた。ついでに大きめのビーズクッションも出す。
「聞き分けがいいじゃないか。よし、次は服を脱げ」
「はーい、夜空先生。あたしは理科のM字開脚が見てみたいです」
「い、いきなりハードルが高過ぎます~」
処女を相手に加減なしの注文をつける二人に、理科は涙目になった。自分を抱くように腕を組む。
「う~、恥じらうところが可愛いわね。いたぶり甲斐があるわ~」
星奈がニタニタしながら手の指をイソギンチャクのように動かす。どこから見ても変態だ。
「ふむ、星奈が言うとおり、普段の言動と違ってウブなのだな。分かった、少しソフトにしてやろう」
えー、と星奈は言いそうになったが、夜空が幸村のようなニュートラルな表情をしていたので黙っていた。何か企んでいる顔だ。
「服の上から胸を揉むだけで許してやる。理科、シャツを着たままブラを脱げるだろう。ブラを脱げ」
普段は勘の鋭い理科だが、状況が状況なので夜空の譲歩にホッと安心してしまった。
「そ、それも恥かしいですけど、それくらいで許してもらえるなら……」
理科は後ろ手でシャツの背をまくり、ブラのホックを外した。半袖の袖口から左右の肩ひもを抜き、腹の方からブラを抜き取る。
夜空が手を出す。脱ぎたてを触られるのは恥かしかったが、逆らうと怖いので大人しくブラを手渡した。夜空がしげしげとそれを検分する。
「Bカップといったところか。私と同じくらいだな」
理科の顔が赤くなる。夜空はくるっと振り向くと、出入り口のドアに向かって歩き出した。鍵を外して三十センチくらいドアを開け、外も確かめずにポイッと放り投げる。
「きゃあああ! 何するんですかああ!」
ビーチフラッグのような勢いで理科がダッシュし、廊下に投げられたブラを拾い上げる。素早く左右を見渡すが、幸いなことに誰も通っていなかった。
「お前に拒否権などないのだ。今度言うことを聞かなかったら、服を引っぺがして裸で廊下に放り出すぞ」
人道を大幅に外れたことを夜空は淡々と言った。理科はぐすぐす泣いている。
「……分かりました、夜空先輩……あの、服脱ぎますから、その前にトイレに行ってもいいですか」
「理科室専用のトイレがあるのか? どこまで優遇されているのだ……。逃げ道につながってたりしないだろうな」
「逃げたら一生逃げとおさないといけないじゃないですか……理科の作ったウォシュレットがあるんです。ムース状のせっけんが出るやつ。シャワーも浴びれませんから、せめてあそこだけでもキレイにさせてください」
「何それ? せっけん出るの? あたしもやりたいやりたい」
星奈が食いつき、夜空も一緒にトイレを拝見することになった。
理科室の隅にあるトイレに三人で向かう。ボタンの数が多いのを除けば、見た目は普通のウォシュレットだった。
理科がスカートを捲り上げてショーツを腿まで下ろし、トイレに座る。
「このボタンを押すとムース状のせっけんとお湯が混合されて出てくるんです。気体と液体を適度に混ぜて、泡を残さずキレイに洗えるようにするのが技術的に難しかったところですね」
スカートに隠れて見えないが、ボタンを押すとシャワーの音がした。シュゴーッと気流の音もするのはムースを作っているのだろう。
理科に代わって星奈が座る。理科がボタンをポチポチと操作する。
「お、おおお! あはは、気持ちいい、いいわねこれ。あたしん家にも欲しい」
「まだ開発段階なのでベンツくらいの値段しますよ」
「……もうちょっと値が下がるまで待つわ。でも良かった、お風呂入れないからクンニは遠慮しようと思ってたけど、これで夜空に舐めてもらえるわ」
理科が驚いて目を見開く。
「お、お二人はそこまでの関係なんですか……。理科、お遊びでキスしたり抱き合ったりするくらいだと思ってました……」
「成り行きで一度そういうことになってしまっただけだ。人ごとみたいに言ってる場合じゃないぞ、お前もこっち側に来るんだから」
「ううう、何であそこで先輩達をからかったりしてしまったんだろう……」
頭を抱える理科。普段変態的なことばかり言ってるからこういうことになる。身から出た錆だ。
「理科、後悔は後にしてウォシュレットを操作しろ」
星奈にかわって便座に座った夜空が命じる。理科はうなだれながらボタンを操作した。
「おお、なるほど、これは気持ちがいいな。キレイになっていくのが分かる。止めるのはどうするのだ? これか?」
「あ! それは……」
理科が止めるより早く、夜空は「C」と書かれたボタンを押した。水の音が高く細くなる。
「ひっ!?」
背中に氷でも入れられたように夜空がビクッとする。
「ど、どうしたの? 夜空?」
「な、何だこれ……あ……あ、あん……」
戸惑う夜空から色っぽい声がもれる。
「そ、そのボタンはクリトリスを狙って水を当てる機能です。自動追尾して正確にクリトリスにシャワーを当てます」
「ア、アホ理科! 何でこんな機能を……あ、あ、はん……は、早く止めろ……ああん」
「うおっしゃー! 夜空のエロボイスキタ――!」
星奈がガッツポーズを取る。夜空は身体をくねらせて快感に耐えているが、時々抑えきれない声がもれてしまう。
「ちょ、ちょっと待ってください、今停止ボタンが接触不良で……タイマーで止まる方が早いかも……」
理科はガチガチとボタンを操作したが、クリトリスシャワーは一向に止まらず、一分後にタイマーで停止した。
羞恥プレイから開放された夜空が、赤い顔をして肩で息をする。星奈は出走前の競走馬のように興奮していた。
「夜空の声可愛い~い。録音しておけば良かったわ~、もったいない」
「……されてたまるか屑肉。お、おのれ理科……この私によくもこんな辱めを……十倍にして返してやるから覚えていろ……」
光線が出そうな眼で睨みつける夜空。理科の顔からさーっと血の気が引いていく。
2
「脱げ」
理科室のマットに戻ると、夜空はもういいかげん三回目なので二文字で命令した。
「……もう逃げられませんね……理科も覚悟を決めます……」
シンプルノットで結んだ胸のタイに手をかける。
「ちょっと待って、理科。映画撮るとき使ったビデオカメラがあるでしょ、あれ出して」
理科の顔がまた青くなった。
「ビ、ビデオ撮るんですかあ!? お、お願いします、それだけは勘弁してください!」
「ダメよ、テレビも持って来て、映しながら撮るから。できるでしょ?」
一度言い出したら反論など聞く女ではない。理科は力ない表情をして言われたとおりビデオカメラとテレビをセッティングした。
映像は無線で飛ばしてリアルタイムでテレビに映るようになっている。
理科はもうあまりモノを考えないようにして作業を済ませた。「墓穴を掘る」とはよく使われる慣用句だが、自分の墓穴を掘る気持ちというのは、本当に掘ったことのある者にしか分からないということを、いま悟った。
「おー、映った映った。理科、キレイに撮ってあげるから感謝しなさい」
星奈がビデオカメラを理科に向けると、五十インチの大画面テレビに泣きそうな顔がどアップで映った。
「ううう、これも理科のこれまでの行いが招いた罰ですね……ああ、普通に生きてくればよかった……」
星奈は理科の胸やら下腹部やらをアップで舐めるように撮っている。服の上からだが、理科は痴漢されているような気持ちになった。
「かえって喜ぶかと思ったが、理科は言動以外は本当にノーマルなのだな。真の変態はこの肉だ……」
「だ、誰が変態なのよ! 若いうちのキレイな身体を映像で残してあげようって純粋な気持ちで撮ってるのよ、やましい気持ちからじゃないわ!」
「純粋なやましい心からだと思うが……自分を取り繕うためとはいえ、よくそんなことがいけしゃあしゃあと言えるな」
「は~い、理科ちゃん脱ぎ脱ぎしまちょ~ね~。お姉ちゃんがキレイに撮ってあげましゅからね~」
夜空のつぶやきは聞こえなかったらしく星奈はますます変態っぽく服を脱ぐよう指示した。
50インチの大画面テレビには、恥かしそうな理科がバストアップで映っている。
溜息をつき、理科は緩慢な手つきでタイを外した。襟元からしゅるりと抜き取る。
続いて、太ももに絶対領域を作っている白いニーソックスに指をかける。
「あ、それは脱がなくていいから」
「の、『残し』ですか……マニアックな……よけい恥かしいんですけど……」
ソックスを脱ぐのを止められた理科は、少し迷ってからスカートに手をかけた。
サイドのフックを外し、ファスナーを下げる。ふと顔を上げると、星奈がよだれを垂らしそうな顔をしてカメラを向けていた。
テレビには理科の全身が映っている。いっそショーツをアップにしてくれた方が気が楽なのだが、恥かしそうな表情を取り逃がすまいとする意図が見てとれる。理科は溜息をついた。
二回深呼吸をしてからスカートをスルリとおろす。
「おー、出ました! ブラとおそろいの水色のパンツ! 可愛い!」
もう完全におっさん化した星奈を夜空がジト目で見ているが、気付くようすもない。
理科も星奈には構わないようにして、片方ずつ足を上げてスカートを抜き取った。
順番的に次はシャツだが、さっきブラを抜き取っているので、ノーブラである。理科は躊躇いがちに喉もとのボタンに手をかけた。
三歳児がパジャマを脱ぐような、じれったくなる速度でボタンを外していく。
四つも外すとシャツの合わせ目から胸の谷間がのぞいた。日焼けをしたことのない真っ白な素肌が目に眩しい。
全てのボタンを外し終えると、また理科の動きが止まった。お腹の前でシャツの合わせ目に手をかけたまま、ぷるぷると震えている。
「さっさと脱げ、その格好で外に放り出すぞ」
腕を組んで靴を踏み鳴らしながら夜空が言った。その表情には全く情けがない。ドS丸出しである。
理科は意を決した。右腕で胸を隠しながら、左の袖を抜き取る。続いて左腕で胸をかばい、右の袖を抜く。
「お、今一瞬乳首見えちゃったよ~。ピンク色で可愛い~い」
とどまることをしらない変態振りを発揮しながら星奈がはしゃぐ。理科が唇をクッと引き締めた。顔が赤い。
シャツをぱさりとマットの上に落とす。腕を組んで胸を隠しているが、恥じらう表情が何とも言えず欲情をそそる。
「お~! いい表情するわね~、理科! 可愛いわよ~! さ~、その腕をちょっとどけてみよ~か~!」
テレビの画面に理科の上半身が大写しになる。
星奈は昭和のAV監督のように知性のかけらもない言葉を垂れ流しているが、カメラワークは実に正確である。手持ちなのに画面は少しもブレず、ズームアップ、ズームダウンもスムーズだ。生来のセンスの良さか、熟練したドキュメンタリーカメラマンのようだった。
「どうした、理科。早く手をどけろ。どうせ手を使わないとパンツが脱げないだろう」
夜空が冷たく言い放つ。理科は星奈の舐めるようなカメラワークに羞恥心をあおられ、硬直して動けなくなってしまっていた。どうしてよいか分からず、細かく震えている。
「……自分の立場が分かっていないようだな。外に放り出すと言ったのは脅しではないぞ」
残忍なテロリストのような言葉を吐くと、夜空は手を伸ばし、理科の手首をつかんだ。
「きゃっ!」
おびえる理科に構わず、強く手を引いてドアの方へ引っ張っていく。幼児並みの筋力しかない理科は、抗うことができない。
再び鍵をガチンと開けて、ドアノブに手をかける。
とはいえ、さすがに夜空も理科を廊下に放り出す気はなかった。この棟は人通りが少ないが、万一教師や生徒会役員にでも見られたら大事になってしまう。ドアを開けて危機感を味合わせてやれば観念するだろうと思ったのだ。
一気に引き戸を開けた夜空の動きが、ピタッと止まる。小柄な男子生徒が、犬にほえられビクッとしたたようなポーズで固まっていた。
予想外の通行人の存在に夜空が舌打ちする。怖い顔で睨まれ、男子生徒はおびえていた。夜空の後ろに隠れている、半裸の理科の存在には気付いていない。
中性的な顔立ちに見覚えがある気がして、夜空は眉をひそめた。脳内検索にその顔と名前がヒットして、彼女の顔が喜色に歪んだ。不気味な笑みに男子生徒がさらにひるむ。
夜空は空いている方の手で男子生徒の手をひっつかまえると、人さらいのように理科室に引っ張り込んだ。
「わっ!」
少年が体勢を崩し、理科室の床に倒れこむ。突然の男子の乱入に、理科が悲鳴を上げた。
「きゃああああ! お、男!?」
「ふははははは! これは思わぬ獲物だ!」
床にのびた男子を勝ち誇ったように見下し、高笑いを上げる夜空。星奈は訳が分からずとまどっている。
「ちょ、ちょっと夜空、やばいわよ! どうすんのよ男子なんか引っ張り込んじゃって!?」
「星奈、こいつを知らないのか!? こいつは聖クロニカ学園全女子の性のはけ口、人呼んで『クロニカの大人のおもちゃ』、乙部純だ!」
残念な通り名を披露された乙部が、腰をさすりながら立ち上がる。あられもない姿の理科にやっと気付き、驚きの表情を見せる。
「な、何なんなの……ま、またいやらしいことしようと……?」
腕を組んで身体を守ろうとする。その仕草は理科よりも女らしかった。
男子の制服を着ているからかろうじて男だと分かるが、女装していれば誰が見ても少女だと思うだろう。雪村に匹敵する「男の娘」っぷりだ。いや、雪村は正真正銘の女なのだから、乙部こそがクロニカ学園の「男の娘」ナンバー1だ。
「気が弱く、どんないやらしいことをされても絶対に公言しない。中性的で清潔感があり、性に関心を持ち始めた思春期の女子には格好の性教育教材だ。そのため女子に悪戯されない日は一日とてなく、クロニカ学園の女生徒の五人に一人が乙部を相手に処女消失していると聞く。セックスまで至らなくとも、女子のほとんどが乙部と何がしか性的接触の経験があるとか。ここまでくると大人のおもちゃ』というより『公衆便所』と言った方が的確な気がするが、とにかく性的虐待をされるために生まれてきたようなヤツなのだ、こいつは」
「ひ、ひどいよお……」
人間の尊厳を無視した紹介に、乙部が弱々しく抗議した。
「あー、あたしも小耳にはさんだことあるわ。昼休みや放課後のたびに教室から連れ出されてやらしいことされてるって噂の子でしょ。あれ本当だったのね」
「よし、星奈、こいつを剥ぐぞ」
「わっ! ちょ、ちょっと……やめてよ~」
問答無用で夜空が乙部の服を脱がせにかかり、星奈も嬉々としてそれを手伝った。
乙部はまるでレイプ物のAV女優のようにやすやすと服を脱がされた。本気で抵抗しているのかと思うような抗い方だが、一応精一杯抵抗しているらしい。
あっという間に乙部は全裸にされ、パイプ椅子に座らされた。シャツの下に着ていたTシャツで、夜空が乙部の腕を背中側に縛り付ける。
「い、痛いよお……お願い、乱暴にしないで……」
一仕事終えた夜空は、手をパンパンとはたき、改めて乙部の肢体を眺めた。
まったく、ペニスがついているのを除けば、少女そのものの身体だった。胸もないが、高校生とは思えないほど小柄なので、「つるペタ少女」で通用しそうだ。
唯一性別を決定付けているペニスにしても、非常に控えめなサイズで、陰毛も生えておらず、キーホルダーにしてもいいくらい可愛らしかった。
「ほ、ほう……これが男のアレか……お、思ったよりグロテスクな感じではないものだな……ダビデ像みたいだ……」
微かに頬を赤らめて、夜空が感想を漏らす。
「夜空、多分こいつだけだと思うわよ。あたしのいとこの小学生みたいだもん」
「そ、そうなのか……? ところで今は……お、大きくなった状態ではないのだな?」
きれいに先端まで皮のかぶったおちんおちんは、くたっとうなだれている。恐怖が先に立って、勃起するどころではないのだろう。
「そうね。理科の裸を見せれば大っきくなるんじゃない?」
夜空が理科の方へぐるんと首を向けた。目が光っている。理科が「ヒッ」と声を漏らした。
「そう言えばおまえ、いつまでパンツをはいているつもりだ。自分で脱げないのなら……星奈、ビデオを回せ」
夜空は、斜め座りで縮こまっている理科の背後に回った。
「ちょ……よ、夜空先輩……や、いやああ!」
羽交い絞めにして無理やり立たせる。小振りの乳房とピンク色のちょこんとした乳首があらわになった。星奈がばっちりとそれをビデオにおさめている。理科が恥かしそうに身をよじる。
「ほら、乙部がいやらしい目で見ているぞ。サービスしてやれ」
理科の身体を乙部の正面に移動させる。乙部の目の前三十センチほどで、おっぱいがぷるぷると揺れた。乙部のペニスがピクリと反応する。
乙部は顔を赤くして視線をさまよわせつつも、ちらちらとおっぱいを見詰めている。毎日のように女生徒に悪戯されているのにもかかわらず、性への興味は失っていないようだ。そういうところが却って女子から標的にされる元凶なのだろう。しかし女の子にしてみれば、自分の身体を魅力的に感じてもらえる方が嬉しいだろうが。
「あっ!……いやあん、夜空先輩、許して……」
「何が許してだ。お楽しみはこれからだぞ」
言うが早いか、夜空は素早く理科のショーツを足首まで引き下げた。
「ひっ! いやああ!」
じたばたと抗う理科だが、スポーツ万能(個人技に限る)の夜空の前には無力だ。あっという間に足首からショーツを抜き取られてしまう。
「あ~ら、理科ちゃんったら~。もう高校生なのにちょっぴりしか生えてないんでしゅね~。ワレメちゃんが丸見えでしゅよ~、うへへへ」
星奈が局部をアップで捉える。大画面に映し出された自分のあそこを見て、理科の顔が青ざめた。
「さあ理科、乙部に身体の隅々まで見てもらうんだ」
夜空はよいしょ、と掛け声をかけると、赤ちゃんにオシッコをさせるようなポーズで理科の身体を持ち上げた。
「きゃあああ! よ、夜空先輩! や、やめて……」
そのまま乙部の前へ移動し、あまり間近で拝んではいけない部分を鼻先に突きつける。
足を大きく開いているので、ピンク色の襞が顔をのぞかせている。もちろんアナルも丸見えだ。
乙部は視線を逸らすことができず、あそこを凝視して生つばを飲み込んだ。ペニスが最大限に大きくなり、屹立する。それでもウインナーくらいのサイズで、可愛らしいのには変わりがなかった。
「ほら理科! 乙部のおちんちんが大きくなったぞ! 理科のあそこを見て興奮しているんだ! もっとよく見てもらえ! ほら、ほら!」
「きゃああ! いやあああ!」
夜空は理科の股をますます大きく開かせ、息がかかりそうな距離で身体を揺り動かす。そのうち、ぱっくりと開いたあそこが乙部の鼻先にちょこんと触れ、羞恥で失神しかかっていた理科が「ひゃあっ!」と声をあげた。
「うう……さすがに腕が疲れた。理科、後でこいつを入れてやるから、ちゃんとご挨拶しておけ。おまえの舌で」
夜空は理科の身体を床の上に降ろすと、後頭部を押さえて乙部の股間の前に押し出した。目の前でピーンと立っているペニスをおずおずと見詰め、理科がたまらず嗚咽を漏らした。
「……う……う、う……は、初めての性体験がキスもハグもすっ飛ばしていきなりフェラチオなんて……理科は自分の業を恨みます……」
「泣くな、自分で招いたことだ。早く舐めろ」
中世の拷問係のような容赦のなさに、理科は仕方なくペニスに手を伸ばし、仮性包茎の皮をむいた。つるんとしたきれいな亀頭が顔を出す。
……おもちゃみたい……不潔感がないのが救いよね……。
舌を伸ばし、まずは裏すじの部分にそっと舌を這わせる。
「……あっ!」
乙部がびっくりするほど大きな声をあげた。思わず理科が顔を見上げると、乙部は頬を赤くして恥かしそうにしている。
夜空の方を見ると、彼女も驚いたらしく目を大きくしていたが、理科と目が合うと慌てて恐い顔を作って睨みつけた。
「こ、こら! ぼーっとするな! 続きだ、続き!」
夜空がせかすので理科はペニスに向き直った。上目遣いに乙部の表情をうかがうと、恥じらいの中に、もの欲しそうな気配が読み取れた。
理科は小さく口を開けると、アイスキャンディーのように乙部のペニスを口に含んだ。
「ひゃうっ……あっ……」
甲高い、少女のようなあえぎ声。フェラチオなんてするのは初めてだが、こんなに感じてくれると嬉しくなってくる。理科は口の中でレロレロと亀頭を舐めまわした。
「あっ!……ああっ!……くっ……あ、ああん!」
不慣れな愛撫にも、乙部は敏感に反応した。身をよじり、絶え間なく切なげな声をあげる。
「お、おい、星奈……」
いつの間に夜空が、よだれを垂らしながらカメラを構えている星奈の横に移動していた。肘で脇腹をつつく。
「何よ、いいとこなのに」
「……あ、あれは普通の反応なのか……? 私は女よりも男の方が感度が鈍いと思っていたのだが、星奈よりも敏感なんじゃないか……?」
先日のエッチを思い出して、星奈が頬を赤らめる。
「あ、あたしを引き合いに出さないでよ。男の子とエッチしたことがあるわけじゃないけど、こいつが特別なのは間違いないわよ。エロゲでもこんなに声出す男のキャラ出てこないもの」
「やはりそうか……なるほど、学園中の女子の慰みものになるのが分かるな、面白すぎる」
他人事のように話す夜空と星奈をよそに、乙部はいっそう高い声をあげはじめた。
「あっ!……あ、ああんっ!……も、もう、いっ……いっちゃ……」
「おっと、そこまでだ!」
乙部が絶頂を迎える寸前に、夜空は理科の頭を引いて二人をひきはなした。ちゅぽんと音を立てて、理科の口からペニスが抜ける。
「あんっ! あ、ああ……? や……どうして……? やめないで……」
「イクのはまだ早いぞ、本番が残っているからな。理科の前戯が終わるまで、大人しく待っていろ」
「そ、そんなあ……」
無慈悲な寸止めに乙部は泣きそうな顔で訴えるが、夜空は聞く耳を持たない。同じくおもちゃを取り上げられたような顔している理科のそばに膝をつく。
「乙部に処女を奪われる前に、私が愛撫してやる。ありがたく思え」
そう言って理科の乳房を撫でる。ありがたくも何もないものだが、理科は恍惚とした表情を浮かべている。
「夜空先輩……こんな形で初エッチがおとずれるとは思ってませんでしたけど、お相手が夜空先輩のような美しい方で良かったですぅ……理科は幸せ者です……」
「ふ、愛い奴……」
夜空が唇を寄せたとき、星奈が大声でストップをかけた。
「ちょーっ! ちょっとちょっと! ストッープ!」
雰囲気をぶち壊され、不満そうな顔を向ける夜空と理科。
「何だ肉、いいところなのに。おまえは大人しくカメラを構えていろ」
「夜空、あんたも脱ぎなさいよ」
夜空の顔がポッと赤くなった。
「な、何で私が脱がなきゃならんのだ! お、乙部もいるのだぞ!」
「乙部は男のうちに入らないでしょ。いい、エッチするのに服を着たままなんて失礼よ。理科は初めてなんだから、夜空もちゃんと裸になって、いい思い出にしてあげなさい。それが礼儀よ」
散々非人道的なことをした後で、星奈は悪びれもせず正論を言った。得意顔で鼻をフンと鳴らす。夜空は「ぐぐぐ……」と歯噛みをしたが、正論なのでやり返せない。
「ぐぬぬ……確かに服を着てエッチをするなど、水着を着て温泉に入るようなマナー違反……のような気がする?……えーい! 分かった! 脱いでやろう! ただし星奈! おまえも脱ぐのだ!」
「な、何であたしまで脱がなきゃならないのよ! 乙部が見てんでしょ!」
「貴様たった今『男のうちに入らない』とのたまったろうが! その口で!」
「で、でも嫌よ! あたしはカメラ係で……」
そこまで言って星奈は、重大なことに気付いたようにハッとした。何故だか目が輝いている。
「こ、これはアレね! 美術部の女の子が親友にヌードモデルをお願いしたら、『分かったわよ。その代わり、あなたも脱ぐのよ』っていう百合の王道の展開ね! はっとりみつるも富岡昭仁もそんなの書いてたわ!」
「何でテンションが上がっているのだお前は……何が王道かは知らんが私だけ裸じゃ恥かしいからお前も脱げ」
「分かったわ夜空。うう、エロゲで幾度も出合った展開が今現実に……胸が熱くなるわ……」
「どこについてるのだ、貴様の感動のスイッチは……」
ジト目の夜空には構わず、星奈はビデオカメラを実験台の上に置いて、目に感涙を浮かべたまま服を脱ぎはじめた。夜空もならって服を脱ぐ。
星奈も夜空も、いったん決めてしまうと潔い。ほどなくして一糸まとわぬ姿となり、全裸の美少女が三人揃った。乙部は赤くなって目のやり場に困っている。
「う~……乙部、あまりこっち見るなよ……星奈、ビデオは……止めろと言ってもどうせ聞かんだろうな、貴様は。いいか、足の方から撮るなよ! 撮るときは横から撮れ! 横から!」
男のうちに入らない、とは言っても、それは襲い掛かってくるおそれがないというだけのことであって、乙部はしっかりと性的興奮をはらんだ視線を向けてくる。夜空は恥かしそうに腕で胸を隠しながら、理科に並んでマットに腰を下ろした。
「……余計な邪魔が入ったが、気持ちをリセットしよう。理科、お前は従順にしていたからな、褒美をやろう」
「夜空先輩……」
あくまでも偉そうな夜空だが、理科はうっとりとした表情を浮かべている。「憧れのお姉さまと結ばれる」的な、脳内妄想に酔っているのだろう。
夜空は理科の顎に手を当て、顔を少し上向き加減にした。頬を赤くした理科が、静かに眼を閉じる。
夜空はニヤリと小悪魔笑顔を浮かべ、やさしく口づけた。
唇を合わせたまま上半身を被せるようにして、理科をマットに押し倒す。
ここから夜空の本領発揮。いきなり理科の口腔に舌をもぐりこませる。ファーストキスなことなどおかまいなしに、激しく舌を絡める。
「ん……んん……うぅ……」
過激なキスに呼吸困難に陥った理科が、苦しそうに呻く。星奈は興奮してカメラを構えた。テレビの大画面には、ハリウッド映画のように濃厚なキスシーンが映し出されている。
ようやく唇を開放したときには、理科は息も絶え絶えだった。キスだけですでにぐったりしている。
「はぁ、はぁ……よ、夜空先輩……激しすぎますぅ……」
「ふん、これからだぞ」
理科はすでにヘロヘロだが、夜空は構わず首筋に舌を這わせる。
「……あ……あふ……」
首や耳を舐められて、抑え切れない吐息をもらす。なめくじが這い回るような感触が、身体の奥から快感を引きずり出してくる。
夜空は舌での愛撫を続けながら、やんわりと胸を揉んだ。
「ん……あん……」
あくまで優しく、ソフトに乳房を揉む。理科が弛緩して身を任せていると、夜空は突然乳首を強くつねった。
「いっ……! 痛い!」
悲鳴を上げて身を縮める理科。夜空は悪魔のような笑みを浮かべている。
「痛かったか? すまん、手元が狂った」
夜空はそう言うと、今捻った乳首を咥え、舌で愛撫した。理科が背をのけぞらせてあえぎ声を上げる。
陶酔状態からいったん覚めさせておいて、再び快感の沼に引きずり込む。飴と鞭の使い分けがハンパなかった。
「あ……あぁん……はぁ……夜空先輩……」
夜空は執拗におっぱいを攻めている。舌と指がもたらす快感に、理科は初エッチにも関わらず頭を振って身もだえした。
さて、そろそろ下の方も攻めてやろうかと思って夜空が身体を起こすと、つんつんと肩をつつかれた。
「何だ星奈? 邪魔をするな」
「夜空、夜空、いいもの見つけた」
乙部は全裸でイスに縛り付けられているので、ちょっかいを出してくるのは星奈しかいない。ちなみに乙部は「目のやり場に困る」的な表情でうつむいたり顔を逸らしたりしているが、そのくせ夜空と理科の濡れ場からは片時も目を離そうとはしない。被害者っぽく振舞っているが、実は相当の好き物なのではないだろうか。
さて、星奈の言う「いいもの」であるが、手に持っているのはゴム手袋と化粧用の乳液だった。
ゴム手袋は、風呂掃除の時につけるようなぶかぶかしたものではない。おそらく実験用なのだろう、透けるほど薄くて小さい。伸縮性が高そうだから、着けたら素手のようにぴったりするだろう。乳液は普通に理科の化粧用のようだ。
「どうしろというのだ? これを?」
愛撫を中断されて物欲しそうな目をしている理科を放って、星奈は夜空の耳元で何か囁いた。驚く夜空と目を見合わせ、小悪魔のような笑みを浮かべる。
「まったく、変態め……。いいだろう、それくらいやってやらないと、理科の初体験には相応しくあるまい」
何事かやばい雰囲気を感じ取って、理科の顔が青くなった。
夜空が理科の手を強く引いて、身体をうつぶせにひっくり返す。
「きゃっ!」
「理科、尻を上げろ」
肉が薄く少女らしい尻を、ペシリと叩く。
「きゃんっ!」
「早くしろ、乙部に尻を向けろ、よく見えるように」
急かす夜空。理科は団子虫みたいになったまま動くことができない。自分で見えるわけではないが、どう考えてもこの角度で尻を上げたら○○○○と○○○が乙部に丸見えになってしまう。いや、例え乙部がいなくても、夜空と星奈に見られるだけでも死ぬほど恥かしいのだ。
「ほら、早くしろ理科! お前の恥かしいおまんことアナルを乙部に見てもらえ!」
そう言って夜空はまた理科の尻を叩いた。今度はちょっと強めだったので、スパーンといい音がした。
「痛―い!……うう、せっかく地の文で伏字にしてるのに、そんな露骨に……」
理科の尻に、紅葉のように真っ赤な手形が浮かび上がる。何度も叩かれてはたまらないので、理科は仕方なくおずおずと尻を上げた。犬のように四つん這いになる。★
「誰が頭も上げていいと言った? 尻を上げろといったんだ私は」
理科の後頭部を鷲づかみにして、マットに顔を押し付ける。容赦のない仕打ちに理科が悲鳴を上げた。
「ああっ! あ……いや……ゆ、許して……夜空先輩……」
「何度も言うが身から出た錆だ。普段の言動がこういう状況を招いているのだ、観念しろ」
全ての罪を理科に押し付け、夜空は理科に足を開けと命令した。理科は目に涙をため、羞恥に耐えながら足を開いた。
ここまでを整理すると、理科は顔をマットにつけたまま尻を高く上げ、さらに足を大きく開いており、さっき伏字にした部分は文字通り丸見えになっている。AV女優くらいしかやることのないいやらしいポーズだ。
「うほほ~い! 理科~、あなたの大事なとこが丸見えよ~! じゅっくじゅくに濡れてるじゃないの、いやらしい子ね~! ほ~らほら、乙部が鼻息荒くしてるよ~、おちんちんがビンビンよ~!」
星奈が嬉々としてものすごく頭の悪そうなことを言った。夜空がさすがに呆れて嘆息する。確かに先ほどの愛撫で理科は潤ってるいるし、乙部は横目で理科を凝視して最大限に勃起しているのだが。
「夜空、理科の顔、テレビに向けて。おまんこ見せてあげるから」
普段仲が悪いくせに、夜空は従順に星奈に従った。理科の首をひっつかむと、無理やり首を反らせてテレビに向かわせる。
「はーい、理科ちゃんのびっちょびちょおまんこでーす。ラブジュースでてらてらしてますね~! はーい、乙部のおちんちんでーす。おや~、先っちょから我慢汁出てますね~。二人とも変態ですね~」
「お前が言うな……」
突っ込みたくなかったが、どうしてもスルーすることができずつぶやくように夜空は言った。理科は恥かしさに顔を真っ赤にして、半分めまいを起こしていた。
理科が朦朧としているうちに、夜空はゴム手袋を右手にはめた。サイズが小さすぎるかと思ったが、驚くほどよく伸びて、手にピッタリと吸い付いた。
「ほう、理科の実験道具だけあって上質だな。まるで素手のようだ」
指を曲げたり伸ばしたりして具合を確かめる。それから夜空は、星奈から渡された乳液をたっぷりと手袋をした手に垂らした。
窮屈なポーズを続けている理科の横に膝をつく。夜空は理科の尻にも乳液を垂らした。
「ひゃっ!?」
突然冷たいものをかけられ、理科がビクッとする。乳液は尻の割れ目を伝って垂れた。
「え? よ、夜空先輩? な、何を……?」
不安そうな理科に答えることはせず、夜空は垂れた乳液を理科のアナルに丹念に塗りこんだ。 想定していなかった部位を触られ、理科が焦る。
「ちょ、よ、夜空先輩!? ま、まさか……!? だ、だめです! そ、そこは……!」」
「黙れ。お前に人権はないのだ。ノーマルなセックスなど、お前の初体験にはそぐわない」
憲法で保障されているはずの人権を爽やかに剥奪され、理科は絶望感に打ちひしがれた。夜空が中指の先端をアナルにあてがい、躊躇いなく第一関節まで挿入する。
「あっ! ああぁ!」
未知の感覚に理科が大きな声を上げる。構わずに夜空は指を奥へ進めた。中指の付け根までアナルの中に沈める。
「う……あ、ああ……だ、だめぇ……」
「思ったよりすんなり入ったが、やはりあそこに比べるとキツイな。理科、どうだ?」
どうだと言われても、気持ち良くはない。内臓を直に触られているような、経験したことのない感覚があるだけだ。
「あ、ああ……よ、夜空先輩……お願いします……や、やめて……」
「どんな感じか聞いてるんだ。人の話を聞いているのか?」
ちょっとムッとした顔をして、夜空は中で指を動かした。たまらない違和感に、理科が呻く。
「う……うぁ……あはぁ……ご、ごめんなさい……う、動かさないで……」
「気持ちいいのか? リアクションはいいようだが?」
「へ、変な感じ……あ、あぁ……らめぇ……」
「おっ!『らめぇ』が出たわね! エロゲーじゃなく生で聞けるなんて、今日は最高だわ!」
変なツボで興奮する星奈に、夜空はまた溜息をついた。
「いちいち変態振りを発揮するな、疲れる……それはそうと理科、お前も普段から変態的なことばかり言っているが、アナルに何か入れたことはあるのか」
夜空は中で動かすのをやめ、指をピストン運動しはじめた。理科の声がひときわ大きくなる。
「あっ! ううん……だ、だめ……ああ……」
「答えないと指を二本にするぞ」
「や、やめて……な、ないです、入れたこと……」
「ふーん、性器はどうだ?」
「そ、それも……ないです……」
ほー、と、夜空と星奈は揃って意外そうな声を出した。
「そうか、私と同じだな。なるほど、変態なのは口だけなのか、星奈と違って」
「へ、変態じゃないって言ってるでしょ!」
星奈が涙目で反論したが、夜空は取り合わなかった。
「理科、お前は実は清楚な乙女なのだな。だが、性器に指を入れるのは気持ちのいいものだぞ。私は星奈に教えてもらった」
清楚な乙女の尻を陵辱しながら、夜空は言った。
「お前にも教えてやろう」
尻に指を入れたまま、夜空はもう片方の手を、濡れすぼっているそこにあてがった。中指を立て、ゆっくりと挿し入れる。
「……あ……あ、あ……あはぁん……」
既に十分すぎるほど溢れていたそこは、抵抗なく夜空の指を呑み込んだ。
「……すんなり入ったが、星奈よりは少しキツイな。どうだ、痛くないだろう?」
「……あ……あ、ああ……い、痛くはないけど……へ、変な……うう」
「いい子だ。すぐに気持ちよくなるからな」
アナルと膣内と、それぞれに入れた指をゆっくりと動かす。異様な感覚に、理科は臓器に直に触れられているような気がした。
「ああ……ああっ……」
夜空は理科の反応を確かめながら、緩やかに指を操る。今はまだ静かに――もう少し身体が慣れてきたら一気に激しくして、悲鳴を上げるほど快感をほじくり出してやる――そう思って理科のあえぎ声に耳を澄ます。
…………何なのだろう? この違和感は? ……違うあえぎ声が混ざってないか?
「あっ……あっ、はぁん!」
「って星奈! 何をやってるのだ! おまえは!」
明らかに理科の声じゃないと思って横を見ると、乙部を縛り付けていたはずのパイプ椅子に星奈が腰掛けていた。もちろん全裸である。
拘束を解かれた乙部はというと、床に膝をついて星奈の股間に顔を突っ込んでいた。おまんこを舐めさせているらしい。
「な、何よ! だって夜空と理科ばっか楽しんでんだもん! あたしだって気持ち良くなりたいのよ!」
「だからって! お、お前、男に……」
「だからさっきから何度も言ってるでしょ! こいつは男でも女でもないのよ! そうね……そう! そうだわ! こいつは言わば、バター犬よ!」
「余計悪いわ!」
本当は男になんかそんなことをさせてほしくなくて、単純に言うと妬いていたのだが、あまりに不毛なやり取りだったので、夜空はそれ以上言うのを止めた。大きく溜息をつく。
乙部にクンニされ、同時に夜空と言い争いながらも、星奈はしっかりとカメラを構えている。時々喘ぎ声とともに身体がビクッと震えるが、カメラの揺れは最小限に抑えている。大したプロ根性だ。
星奈には構わないことにして、夜空は再び理科に集中した。身体もだいぶほぐれてきたように感じる。ここらでペースアップしようかと思ったが、その前に、気持ち良さそうにあそこを舐められている星奈を見ていたら、理科にも同じことをしてやりたくなってきた。なんて優しい先輩なのだろうと、夜空は本気でそう思った。
理科の尻とおまんこに刺さっている指を、同時にスポンと引き抜く。理科が「ひゃっ!」と声を上げた。
手袋の手首の部分をつかんで裏返しに脱ぐと、そこらの床に放り投げる。通気性のない手袋なので、手のひらは少し汗ばんでいたが、ふやけるほどではなかった。
「理科、仰向けになれ」
命令するが、呆然としている理科の耳には届いていない。夜空は未だ四つん這いの理科の腰に手をかけると、強く引いて身体をひっくり返した。
「え?……きゃっ!」
ぼふっ、とマットの上で転げ、仰向けになる理科。彼女が事態を理解する前に、夜空は足を開かせ、股間に頭を挟み込んだ。羞恥に足を閉じるような気力は、理科に残っていなかった。
とろりと濡れた襞を愛おしげに眺めてから、夜空は舌を突き出して、股間に顔をうずめた。
「ひあっ……あっ……! ああっ……! よ、夜空先輩……そ、そんな……とこ……」
さすがにあそこを口で攻められるのは、羞恥とは別に「申し訳ない」という気持ちがはたらくらしい。理科は夜空の頭を手で押さえたが、押しのけるほどには身体に力が入らない。夜空は構わず襞の間に舌を挿しいれ、ぷっくりとふくれた突起をちろちろと舐めまわす。
「ら、らめぇっ……! あぅ……はあっ、ああん!」
あえぎ声が一オクターブ上がった。狂おしげに頭を振る。
(ふむ、やはりオナニーで慣れているから、クリトリスへの刺激は身体が受け入れやすいのだな。反応が素直だ)
快感に悶えている理科をよそに、夜空は冷静に分析した。指で愛撫していた時よりも、格段に多くの蜜が溢れてきて、夜空の顔をぬるぬると濡らしている。
(しかし、新しい快感も覚えてもらわないとな)
舌での愛撫を続けながら、夜空は右手の中指をあてがい、理科の中にゆっくりと沈めていった。
「……んっ……! あふっ……はあぁん……」
中で指を曲げ、少しずつ攻める箇所を移動させる。途中で理科が背をビクッと反らせた。夜空はニヤリと笑い、そこを狙って集中爆撃を仕掛けた。
「あっ!……ああん!……ら、らめぇ!……お、おかしくなっちゃう……」
巧みな愛撫に、理科は悲鳴に近いあえぎ声を上げた。狂ったように頭を振って、夜空の指と舌が身体の奥から引き出してくる快感に悶える。
「……ああ……り、理科……もう……イ、イっちゃ……」
焦点を失った目をして、理科がそうつぶやくと、夜空はピタッ、と静止した。
「おっとっと、あぶない、あぶない。調子に乗ってイカせてしまうところだった」
指を引き抜き、股間から顔を上げる。べったりと濡れた口元を、夜空は手の甲で拭った。
「え……? な、何で……? やめないで……! お、お願い、夜空先輩……」
あともう少し、というところで突然おあずけされ、理科は眉をハの字にして続きをねだった。だが、超ドSの夜空が聞くはずもない。それどころか、ククク、と意地悪い顔で含み笑いしている。
「おやおや、初めてのエッチだというのにおねだりか? 理科はどうしようもない淫乱だな」
型通りの言葉攻めだが、夜空の口から発せられるとMっ気がなくてもゾクゾクするものがある。
「あ……ああ……そんな……で、でも、お願いします……このままだと、狂っちゃいそう……」
理科は目を潤ませて哀願したが、切実に求めれば求めるほど、夜空を喜ばせるばかりであった。
「フフフ、いやらしいヤツ……。そんなに欲しいのか? でも、私はもう飽きてしまった」
「そ、そんなぁ……」
足元にすがりつく理科を、夜空は足で払った。理科が小さく悲鳴を上げて、マットの上に倒れ伏す。人間の所業ではない。鬼か悪魔だ。
「心配するな、ちゃんとイカせてやる。ただし、お相手はこの乙部だ」
夜空は全裸で立ち上がると、星奈の豊かな乳房に吸い付いている乙部に歩み寄った。わしっ、髪の毛をひっつかまえて、乳首から引き離す。ちゅぼん、と音がなった。
「い、痛い! 痛いよぉ!」
「男のくせにわめくな。お姫様がお待ちだぞ、相手をしてやれ」
そのまま髪を引っ張って、理科が横たわるマットのそばへ連れて行く。パッと手を離すと、乙部はすとんとマットの上に尻もちをついた。
「よ、夜空先輩……」
顔いっぱいに不安の色を浮かべている理科の呼びかけには答えず、夜空は彼女の後ろに回った。背後から手を伸ばし、太ももをつかんで足を開かせる。さっきと同じ、赤ちゃんにオシッコをさせるポーズだ。当然理科の大事なところは乙部に丸見えになる。
「やっ……いやぁん!」
慌てて理科が手で隠そうとすると、夜空がなんと肩に噛み付いた。
「い、痛い!」
「痛いじゃない! これから乙部に入れてもらうのに、隠してどうする!」
さすがに血は滲んでいないが、結構強く噛み付いたらしく、理科の肩にはくっきりと歯型がついていた。また噛みつかれてはたまらないので、理科はおずおずと手をのけた。
「う、うう……理科はこんな形で処女消失してしまうのですね……ど、どうせなら……」
違う誰かに捧げたかったと言いたかったのかもしれないが、夜空と星奈の前なので、理科はその名前を呑み込んだ。
「ほら、乙部、早く理科の処女をもらってやれ。お前もやりたいんだろう?」
「で、でも……」
一応躊躇してみせた乙部だが、目線を逸らす振りをしてチラチラ理科の裸を覗き見ているし、股間のものはいきり立っている。こういう状況で発情するのだから、乙部も並みならぬ変態であるのは間違いない。
「早くしろ。やらないんなら、お前も理科も、裸で廊下に放っぽりだすぞ」
淡々と恐ろしいことを言う夜空が、鋭い眼で睨んでいる。脅しではないと、眼が語っていた。
乙部が理科に目をやると、怯えた顔の彼女と目があった。すまなそうな顔をしながら、乙部がゆっくりと理科に覆いかぶさる。
「ご、ごめんね……」
「え? わ! や、やだ……うえ、え~ん!」
理科の中でまだ気持ちの整理がつかないうちに、乙部はその屹立したペニスを、理科の入口にあてがった。先端が襞の中に埋もれる。
高校生にしては小振りだとしても、指よりはだいぶ太い。入口にあてがわれた感触で大きさを感じ取ると、理科は驚いて焦った。
「ちょっ、ちょっと……! お、大っきい! だめ……」
「……ごめんね……」
身体全体を前に出すようにして、乙部が腰を進めた。傍若無人に押し入ってくる感覚に、理科が悲鳴を上げる。
「はぁっ! やあぁぁぁん!」
理科は初めての感覚に怯えていたが、夜空が十分すぎるほど前戯していたからか、彼女のそこは、乙部のものをすんなりと呑み込んだ。
二人をけしかけた夜空は平静を装っていたが、目を凝らして結合部分を見つめ、それがつながった時にはごくりと生つばを呑んだ。どちらかというと、この中で一番ウブなのは夜空なのだ。
星奈はカメラを手にマットの周りを回り、ベストポジションを探している。
「ああぁん……あ、あふぅ……」
「ああ……き、気持ちいい……」
理科と乙部がそれぞれあえぎ声を上げる。乙部はたまらずに腰を動き出した。いやらしい水音が、部屋の中に響く。
夜空の指でほぐされていたので、乙部のサイズでは理科は痛みを感じなかった。それどころか、初体験にも関わらず、すでに感じはじめていた。夜空に寸止めされて引いていった波が、より大きな波となって戻ってくる。
「ああっ! らめぇ! おかしくなっちゃう、はあん!」
乙部が腰を振るたびに、ポンプで注入されるように快感が身体に流れ込んでくる。思考は完全に停止して、理科はなす術もなく快感に翻弄されていた。
「ああ……もう、ダメ……イ、イク……」
理科がたえだえに声を上げた。
「こら! 勝手にイクんじゃない! 正常位でイクなんて、貴様らしくないぞ!」
夜空はそう言うと羽交い絞めにしていた理科の身体を引いた。乙部のペニスがにゅるんと抜ける。
「あっ! だめぇ、抜いちゃ……」
「ほら、メス犬にはこっちがお似合いだ!」
理科の身体をひっくり返し、乙部に尻を向けて四つん這いにさせる。
「ほら、乙部! 交尾しろ! 犬のように!」
屈辱的な言葉だが、こういう扱いに慣れている乙部は、催眠術にでもかかっているように従った。ペニスを理科のそこにあてがうと、ぬるりと一気に挿入する。理科がまた悲鳴に近い声を出した。
「はああっ! あっ……いい……もうだめぇ……」
乙部はまさしくさかりのついた犬のように、激しく腰を振っている。夜空は悪魔のような笑みを浮かべて二人を眺めていた。
「あ、ああ……、ぼ、僕も、イク……」
「え!? だ、だめぇ、中は……」
中出しされるのを恐れた理科が、かろうじて残った理性で訴えたが、夜空は許さなかった。
「心配するな、理科。こいつは三桁を超える少女とセックスして誰も妊娠させていない真正の種無しだ。たっぷりと中に注いでもらえ!」
「そ、そんなぁ……」
理科のささやかな抵抗はあっけなく無視され、乙部に限界が訪れた。
乙部は切なげな声を上げると、なおも腰を動かしながら、理科の中に大量に射精した。
理科は、身体の奥から津波のように大きな波が湧き上がるのを感じた。何度もおあずけをされたその波は、理科の身体を激しく震わせながら、通りすぎていった。
「あっ……あああああああああぁぁ……!」
絶頂の波は理科の意識もさらっていった。理科は糸の切れた操り人形のようにマットに崩れ落ちた。
最後に視界の片隅に、カメラを構えた星奈がイキ顔を捉えようと迫ってくるの見えた気がした。しかし、それも視界を覆う闇の中に沈んでいき、理科は昇天したのだった。
3
夕方の聖クロニカ学園の校庭を、少女三人が寄り添って歩いている。仲睦まじく談笑するその影は、夜空と星奈と理科である。
夜空と星奈は、用の済んだ乙部を理科室の外へ放り出したあと(一応服を着る猶予は与えてやった)、失神した理科が眠るマットで、久し振りの逢瀬を楽しんだのだった。理科が目を覚ましてからは、三人で交わった。
心ゆくまで性の喜びを堪能し、機嫌良く一緒に帰る途中である。
「しかし、さすがに理科は変態だな。あんな風に処女を失っても、こたえたところがない」
感心した顔で言う夜空に、理科は微笑んで返す。
「あれは、自業自得です。でも、夜空先輩、本当に酷いことはしませんでしたよね。あとで三人でしたときも優しかったし……」
「そーよねー。飴と鞭の使い分けが絶妙よね、夜空は」
「わたし、最初は怖かったけど、夜空先輩と星奈先輩とこういう関係になれて、幸せです」
ぽわぽわと本当に幸せそうな顔をしている理科に見つめられ、夜空は、ふん、と鼻を鳴らした。
「飴が多すぎたようだな。今度は鞭をくれてやるから、覚悟していろ」
そう言って理科のおでこを人差し指でつつく。理科は「Sの夜空先輩も素敵です~」とニヤニヤした。
「よ、夜空? そ、それに、星奈と理科……なのか?」
後から聞き覚えのある声がした。三人が揃って振り向く。
夕日をバックに近づいてくるのは、プリンみたいな変なグラデーションのついた金髪の少年、小鷹だった。
「な、何なの? お前ら?」
小鷹は夏にクリスマスツリーの飾り付けをしている人を見るような顔をしていた。
「何って、何よ?」
星奈が腰に手を当てて聞き返す。
「何がって、お前たち、いつの間にそんなに仲良くなったんだ? こんなに近くに来るまで、全然お前たちだって分からなかったぞ。後ろから見てて、何か、ふつーの仲のいい女子高生みたいだった。何話してたんだ?」
夜空たちは顔を見合わせた。そして、「ふつーの仲のいい女子高生」という言葉に、くすっと笑った。
「そ、それそれ! 何お前らだけで通じ合ってるんだよ!? 何があったんだ!? 何話してたんだよ!?」
突然の仲間の変化が理解できず、小鷹はうろたえた。
夜空は悠然と一歩前に出て、腕を組んだ。
「まったく、小鷹はデリカシーというものがないな」
「な、何? デリカシー?」
嘆息して、夜空は言葉を続ける。
「女子の会話に男子が割って入ろうとするなど、無粋の極みというものだ。乙女の集いは、聖域なのだぞ」
「せ、聖域?」
思いがけないことを言われ、困惑する小鷹。
「そうよ、小鷹。男なんてガサツな生き物は、可憐な少女の輪に入ることなどできないのよ」
「そうですよ、小鷹先輩。女の子には女の子の世界があるんです。そこに男が入ろうなんて、お花畑を踏み荒らすようなものですよ」
「お、お花畑!?」
星奈と理科からも続けざまに糾弾され、小鷹はますます訳が分からなくなった。
「まあそういうことだ。ああ、そうそう、小鷹、ひとつ言い忘れていたことがある」
呆然とする小鷹に、夜空は事務的に要件を告げた。
「来週月曜は、私たち三人は部活を欠席するからな。何の用でとか、野暮なことは聞くなよ。デリカシーだぞ、デリカシー」
夜空が星奈と理科に目くばせすると、二人は微笑んでうなずきを返した。何なのだ? この以心伝心な感じは? いつの間にこいつらはこんなに仲良くなったんだ?
「じゃあな、小鷹。星奈、理科、帰るぞ」
夜空が踵を返す。星奈は「バイバイ」と、理科は「先輩、お先に」と言って小鷹に背を向けた。連れ立って歩く三人を追いかけることができず、小鷹はその場にポツンと残された。
「な、何なんだ、あいつら……あれじゃ、まるで……」
無性に心細くなり、小鷹は手を伸ばした。しかし、三人はすでに遠くへ歩き去っている。伸ばした手のやり場はなかった。
「あれじゃまるで……友達じゃないか……」
立ちすくむ小鷹を残し、三人の影は、和気あいあいとおしゃべりしながら遠ざかってゆく。
その様子は、ほんの少し前まで、あの三人に対して使うことになるとは思いもよらなかった、あの表現――キャッキャウフフな光景だった。
おわり
【「僕は友達が少ない」二次小説(エロ)】『理科、リアルに凌辱される』