横顔

横顔

横顔の君が好き

俺はいつもあいつの横顔ばかり見ている。
いつからだろう?目が合うと恥ずかしくなったのは。
いつからだろう?ちゃんと顔を見れなくなったのは。

小学校の低学年くらいまでは普通に顔も見れたし、話せたし…
中学年になってからは何だか恥ずかしくなった。六年生になった今ではついに目を合わせられなくなった。

でも気になるから、いつも横顔を見ている。
あいつがこっちを見そうになったら、プイと顔を背ける。

ある日、塾からの帰り道、家までの道を歩いていると、自転車を押して歩いているあいつに会った。
どうやらパンクしてしまったみたいで、トボトボ歩いてる姿が何だか可愛かった。

俺はあいつの隣りまで追いついて、並んで歩いた。
隣りだから顔は見えない。大丈夫。

あいつは、あっ、と言ったけど、それっきり何も言わなかった。
二人で並んで黙って歩いていると、途中でひまわりの花が咲いていた。
種の部分がぷくっと美味しそうで、俺は思わず、
「あのひまわり美味しそうだな…」と言ってしまった。
「バカじゃないの?」あいつは笑ってそう言った。

横顔

でも正面から見つめたい

横顔

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-23

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