横顔
横顔の君が好き
俺はいつもあいつの横顔ばかり見ている。
いつからだろう?目が合うと恥ずかしくなったのは。
いつからだろう?ちゃんと顔を見れなくなったのは。
小学校の低学年くらいまでは普通に顔も見れたし、話せたし…
中学年になってからは何だか恥ずかしくなった。六年生になった今ではついに目を合わせられなくなった。
でも気になるから、いつも横顔を見ている。
あいつがこっちを見そうになったら、プイと顔を背ける。
ある日、塾からの帰り道、家までの道を歩いていると、自転車を押して歩いているあいつに会った。
どうやらパンクしてしまったみたいで、トボトボ歩いてる姿が何だか可愛かった。
俺はあいつの隣りまで追いついて、並んで歩いた。
隣りだから顔は見えない。大丈夫。
あいつは、あっ、と言ったけど、それっきり何も言わなかった。
二人で並んで黙って歩いていると、途中でひまわりの花が咲いていた。
種の部分がぷくっと美味しそうで、俺は思わず、
「あのひまわり美味しそうだな…」と言ってしまった。
「バカじゃないの?」あいつは笑ってそう言った。
横顔
でも正面から見つめたい