開かれた、扉

開かれた、扉

開かれた、扉

しばらく前に「たたかれた扉」という話をした。
その扉は開かれた。ただし、この暑い時期に。

こちらに移住してから特に、面接に行く前には必ず場所の下見をすることにしている。本番前に迷うことのないように。
ここは数ある迷った場所の一つといえよう。駅やバス通りから離れて、歩く時間にしては十分くらいなのだが、場所を正確に把握していなかった下見の際は二時間近くさまよい続けた。ようやく似たような場所を見つけてそこの受付の人に場所を尋ねたとき、一本隣の道にあることを知った時には崩れ落ちそうだった。なんとかまわり道と地図をもらい、ようやく下見を済ませた。

そんな下見をしたにもかかわらず、時間を十分取ったにもかかわらず、また面接当日、迷った。
まったく別の道を通ってしまったようだ。見たことのない建物ばかりが立ち並ぶ。
これはまずいと思い引き返したところで、見たことのある道と合流し、遅刻だけは避けることができた。

もともと体力のない自分には短時間の仕事でも家のことと合わせると相当疲れが来ているようだ。そしてさらにこの暑さである。

秋よ来い。でも寒いのは嫌だ。贅沢な人間である。

開かれた、扉

開かれた、扉

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-22

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