影
想像してくださいあなたの完結を作ってください。
影
ある日自分を客観的に見ようと思った。
自分は、どういう性格でどういった生き方をしてきたのか。
意外に簡単に自分を客観視できるもので、ああこれが自分なんだなと容易く分かることができた。
結論から言うと自分は、見えない所で卑怯を働き。
まわりの人たちには、良い部分を見せたがる。
そして案外、情というものにうとく人との別れなどに疎い。
自分に必要ない人間は、すぐ切り捨てる。
簡単に言えばめんどくさい人間だ。
つい先日中学時代のいわゆる親友と言われる友達と縁を切った。
なぜそうなったか覚えていない。高校に入ってから疎遠になっていたものの縁を切ろうと思うほどじゃなかった。
だがある日自分は、ひょんなことからその人に「あなたと友達でいるメリットが見出だせません。」と送った。
冷静に考えると平気でひどいことを言った。
そんなことを思うと初めて友達ができたのは、いつ頃だろうと思った。
少し考えてみよう。
あれは、幼稚園のときだったなぜ友達になったかわからないが初めて友達というものができた。
だがその友達は、最悪だったと思う。
自分は、空はなぜ青いのだろうと考えて上を見ていると後ろから突き飛ばされて鼻血を出した。
おそらく泣いた。
なのにその子の言い分は、「ぼーっとしているお前が悪いんだ」というものだった。
なぜか「ごめんなさい」と謝った記憶がある。
色々いじわるをされた記憶がある。仲間外れは、日常だった。
だがそのたび「ごめんなさい許して」と言っていた。
なぜ友達でいようとしたのかわからない。
だが成長するにつれてこんな奴といる意味は、ないと思った。
小学校になる前に新しい友達ができた。
その子は、とても優しかった。決して仲間外れなどしなかった。
毎日一緒に遊んだ。秘密基地なんか作った。
そんなある日、私は、その子に嘘をついた。
「実は、世界を救うスーパーヒーローなんだ」
今思うと馬鹿馬鹿しい
だがその子は、本気で信じた。
それぐらいその子は、心がキレイだったんだろう。
そしてお互いをあだ名で呼びあい絆を深めた。
そして小学校に入学した。
その子も同じ小学校だ。
当然のように仲良くしていた。
まだその子は、私がスーパーヒーローだと思っている。
そんなある日、先生に呼び出された、「友達をへんなあだ名で呼ぶのはよしなさい」「あの子とても嫌がってるわよ」
私は、ショックをうけた。
二人で決めたあだ名だったのにあの子は、嫌がってるなんて思いもしなかった。
そこで、初めての友達にされたようなことをしようと思い。いじわるをしようと決意した。
それから私は、その子にいじわるをした。
おそらくその子は、私のことをもうスーパーヒーローだと思わなくなっただろう。
そしてその子と遊ばなくなった。
次にできた友達は、同じ塾に通う子だった。
その子は、人気者で頭がよかった。
塾に通うというだけで仲良くなった。
その子と一緒にいると自分も人気者の気持ちになれた。楽しかった。その子との関係は、中学時代も続いた。
しかしその子の人気は、中学に行ったらますます人気になった。
私は、その子によってたかる人が煩わしくなってその子と距離をとるようになった。
そしてまた新しい友達ができた。仲良し五人組のような感じでいつも五人でいた。
ある日、五人組の中の三人がある同じクラスの子にいじめをした。
私が幼稚園の時にされたようないじわるとは、違った壮絶ないじめだ。
案の定その三人は、先生達にお説教をされた。親も呼ばれ。反省文も書かされていた。
一見は、終わったのだなと思った。
私は、先生に呼び出された。
「あいつら三人がいじめをしたのは、知ってるよな?」先生が怖い顔で私に問いかける。
「はい。知っています。」
「あいつら三人は、お前に命令されてやったと言ってるんだが。」
私は、驚いた。そんな覚えは、いっさいない。
「そんなことしていません」
私は、答えた。
「嘘ついてるんじゃねーよ」
もの凄い声で怒鳴られた。
「ちゃんと目撃証言もある。お前が親玉だっていうのは、わかっているんだよ」
驚いて何も言えなかった。
「すいませんでした。」
なぜか僕は、認めてしまった。
そこからが地獄だった。担任の先生は、私を目の敵にした。
しだいに学校に行かなくなった。
だがその時、声かけてくれたのが、先日縁をきった親友だ。
その子は、仲良し五人組の一人で私と同じでいじめに加担していなかった一人である。
そして私は、勇気を取り戻し。
頑張って県内の有名高校にいき有名大学にトントンと進学していった。たくさんの友人がそこでは、できた。
そんなことを考えていると自分が自分の体から離れていく感覚がした。
そしてふと横を見ると。
自分が自分の横で寝ている。
一瞬死んだのかと疑ったが違った。
そしてもう一人の自分が私に。
「やあ こんにちは」
と言った。
「こ こ こんにちは」
ためらいながらもそう返した。
「間抜けな顔だなーあっ自分もそうかフフフ」
もう一人の自分は、機嫌が良さそうだ。
「出掛けてくるね~」
そういって飛び出して行った。
僕があわてて飛び出していくともういなかった。
諦めて家にいることにした。そしていつの間にか寝てしまった。
いつの間にか、次の日の朝になっていた。テレビをつけて見ると。自分の住んでいる町で殺人事件が起きたらしい。
しかも連続殺人だ。
テレビに映る被害者の名前を見ると。自分が今まで友達だった人達が殺されていた。
私は、目を疑った。
もしかしてもう一人の自分が殺したのかと疑った。だがあれは、夢だったと思い。自分は、関係ないと言い聞かせた。だがしかし中学時代のいじめの冤罪が脳裏に浮かんだその時。
「ただいまフフフ」
血だらけのもう一人の自分が帰ってきた。
「君の友達だった人たち殺してきちゃった。」
「みんな全然顔を覚えてくれてないんだもん」
明るい声で言う。
「どうしてくれるんだよ。警察に捕まってしまうじゃないか。」
そうだ警察にもう一人の自分がやりましたと言っても信じてもらえないだろう。だとしたら捕まるのは、この私だ。
「フフフ大丈夫さ。もう一人の私、まだ一人殺していない友達がいる。」
その言葉を聞いてテレビに目をやった。そしたらこの間縁を切った中学時代の親友がまだ生きている。
「私がその子を殺そうとするから君は、それを防いで警察に私を差し出す。そうしたら警察は、君を捕まえるようなことは、しないよじゃあその子を早速殺しに行ってきます。」
もう一人の自分は、また外に行ってしまった。
あわてて中学時代の親友の家に行った。そしたらちょうど中学時代の親友は、いた。
「よかった。今すぐここから逃げよう。君は、命を狙われている。」
私は、息があがっていたが一息で言った。
「なにを言ってるんだ。頭がくるっちまったのかよ。あんなひどいメールをしてさ。」
不機嫌そうに言う。
「でもいいさ。お前のことずっと嫌いだったしあんなメールされても別になんとも思わないね。覚えているか?中学時代のいじめ事件あれさお前が三人に命令してやらせたことになってただろ。あれを証言したの俺なんだよ。」
殺してやりたいと思った。
「本当に三人に命令させていじめをさせてたのは、この私なんだよ。ばれないように罪をきせたのさ。」
「私が学校に行かなくなった時声をかけてくれたのも嘘だっていうのか。」
「そうさそうすれば君に疑われなくてすむからね。」
私は、手をおもいっきり握った。怒りを静めるために。
「フフフ。ねえねえそいつくずでしょ殺しちゃいなよ。」
もう一人の自分がやってきてそう言ってきた。
「何言ってるんだもう一人の自分、もうすでに殺してしまったよ。」
私は、自分を客観視できる。
それが唯一の長所とでも言っていい。
事件現場には、2つの死体がおいてあった。
もう一度言う。
私は、自分を客観視できる。
それが唯一の長所とでも言っていい
影
不思議な点やふにおちない点は、読者さん自身想像していただきたい。あなただけのフィナーレを迎えてほしい。