アネモスの花

佐野様への吐しゃ物

ここにいるんだって

大草原の何処かに ひとつ
誰にも見つかることなく 確かに
揺るぎなく強かに 芽生え
あくる日もあくる日も 在り続けた

ただ不思議に思っていたんだ
色も背丈も違う僕ら
日照時間と先天的位置
誰しも思うところはあるはずなんだ

大きく手を振ったんだよ
別に見てくれとは言わないさ
でも視界に入らないなんて嘘だろう
僕はただ手を振っているだけなんだ

もし世界が逆さまになったって
下が地で上は空
気に病むことはないんだって
ほら踏みしめた地と見上げた空
そこにあるだろう

大きく手を振ったんだよ
別に勝手気ままにやってるんだ
今度は音にして叫んでやるよ
「僕はただ手を振っているだけだ」って

大草原の何処かに誰にも見つかることなく 
揺るぎなく強かにあくる日もあくる日も
在り続けた君を僕は忘れない

アネモスの花

ごめんなさい

アネモスの花

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-18

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