自由

みや

自由

自由という名の不自由ー

「今日からお前は自由の身だ」
王様は鳥に言いました。

憧れていた、いつも小さな窓から見る事しか出来なかったあの大空に飛び立つ事が出来るー
カゴの中の鳥はいつも大空に憧れていました。いつかあの大空を自由に飛びたい、そう願っていました。その願いが今、叶おうとしている。

けれど、鳥は考えました。大空に飛び立つのはいいけれど、食べ物はどうすればいいのだろうか?水は?敵に襲われたらどうすればいい?雨が降ってきたら何処で雨宿りすればいいのだろうか?

憧れていた事が現実味をおびると、途端に鳥は不安に苛まれ始めました。
今の場所は狭いけれど、何の心配も無く生きていける。安心して生きていく事が出来るー

王様が鍵を開けても鳥は出て行こうとしませんでした。
「ん?お前はここが好きなのか?」
王様は満足気に鳥を撫でて、鍵をガチャリともう一度閉めました。


その女はそこで目が覚めた。
薄暗い四角の狭い部屋の中で。
まだ眠い目を擦りながら、小さな窓から差し込む微かな光を見つめていると、
「起床の時間だ!」
男の大声が聞こえた。
早くしないと、また教祖様に叱られる…そう思いながら女は急いで布団をたたみ始めた。

自由

不自由という名の自由ー

自由

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-17

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