じもふ! No,1

夏休みっていいね!早く書くことができました!
と言っても果たしてどれだけの人が楽しみにしてるんだか…
まぁとりあえず、書くだけ書きます!

左腕

4月25日水曜日部活動の時間。
大介は帰りのST(帰りのクラスでの時間。主に朝に伝えてないことや新しい連絡などを担任が伝えている。朝にも同じことをする。)が終わると3階の教室を後にして、1階にある部室という名のほぼ放置だったらしい教室へ向かう。
どうやらこの学校はもともと1学年10クラスあったようだが、今は4クラスになっている。そのため、余った教室は改装したり自習室に使ったりしているのだが、それでも、資金などの問題で放置に近い処置をとるところもあった。なので、僕らより前の先輩方が部室として使おうとしたそうな。ちなみに元3年6組の教室だ。
大介が1階につくと、
「こんにちは。早いのね。」
部長の小木雫だ。大介は2番手のようだ。小木は3年生で現生徒会長。メガネがよく似合い笑うと可愛らしく、またよく働き、学校が始まって数週間で学校の先生方にまで支持されている学校の時の人だ。ちなみに裏ではファンクラブができているらしい。と言うのもクラスの熱烈な支持者である細野からの情報だ。あの癖のないセミロングがたまらないとのこと。
「部長、こんにちは。えーと…」
大介は中学校の時に女子の友達がいなかったために正直自分の歳に近い年代の女子には免疫がない。一回り上の世代になるとお客として接するのでそつなくこなすのだが…
やばい何を話せばー!?
パニックになっているのを知ってか、小木は大介ににっこりと微笑むと、
「今鍵開けるね。もし私がきてなかったら、職員室に鍵を取りに行ってくれると嬉しいな。みんなして鍵取りに行ってくれないんだもん。」
小木が鍵で開けると、部室のスライドドアを開ける。
「さぁ入った入った。」
大介は小木に促されるがままに部室に入り、教室と全く同じ配列の席に適当に座らせられる。
「えーと…他の人って遅いんですね。」
辛うじて出た言葉に内心ホッとさせながら大介は小木に尋ねると小木は前面黒板の前にある先生達が使う教卓からこちらをみる。距離としては3mほど。
「そうなのよ。どうしてかしら?何か知らない?」
大きな瞳が少し離れた位置にいる大介を捉える。
「えっと…わからないですね…ハハッ…」
あーまずい。普段こんな声で笑わないのに妙に高い声が…美人部長とのまさに対話。免疫がない大介にはとにかく誰かくることを祈るしかなかった。
「新入部員。名前は?」
「野木原大介です。」
「野木原君ね…お姉さんは薫さん?」
「…えぇ、そうですけど大学2年生になって…え?」
いきなり他人の家族情報が…この人はエスパーか!?
「気になる?」
「そりゃ…ね。」
「どうしようかな〜」
ここでなぜ上目遣いでこちらを見てニヤつくのだろうか…美人はどんな顔でも絵になるが…
「当ててみて。」
「エスパー。」
即答だった。我ながら凄いぜ。今までこんなに早く解答が言えたことがない。まるで1+1を出されるくらいの早さだ。
大介は勝ち誇るようにして小木をみると、小木はにっこり笑いながら自分のバックから出したであろう小さい何かを…投げた。
「いてぃ!」
それは見事に大介の額に当たり、大介の膝の上に落ちる。大介はそれを手に取ると、
「折り紙の手裏剣?」
そう。それは大介が小学生の頃に折り紙の上手な同級生がよく作っていた手裏剣。折り方は知らないが、2つの紙を組み合わせてできるもので、4つの刃を見事に表現した折り紙の作品である。大介はそれをもらうと「忍者だ!」と喜んでいたのを思い出す。
大介は不思議そうに小木をみる。
「なぜ今これを?」
「暇な時によく折るんだ。それっ。」
また1つ投げられる。今度は大介の座っている席の机の上だ。何というコントロール。
「これは薫先輩から教えてもらったんだ。暇な時に折るとリラックスできるからって。」
先輩。高校から平野部に出て行った薫をそう呼ぶということは中学の後輩ということ。つまり大介の中1の時に3年生として小木がいたということだ。確かに薫が後輩を家に連れてくることは多々あった。
「姉さんの後輩ですか。」
「そうそう。それでさ〜」
小木は教卓から身を乗り出して最高の笑顔で、
「薫先輩が好きに使ってって言うからさ、好きに使わせてもらうね?話によると力もあって頭もいいらしいじゃない。薫先輩が雫の左腕にはなると思うって言ってたから。」
薫は人間として玉に瑕とでもいうのだろうか。何せいろんなことができるのだが、率直な物言いでたまに相手を不快にさせてしまう。そこで大介がお目付役でよくフォローをしたのだ。もともとお店にくるお客とよくおしゃべりしていたため、失礼なく話すことができたので、薫の失言をオブラートに包む作業をよく行ったのだが…いったい何を小木に言ったのかは分からない。ただ言えることは、
「絶対無理です!」
確かに薫の腕にはなった(?)かもしれないが、才色兼備の生徒会長様の左腕には到底なれるはずがない。
大介は目にも力を込め必死に訴える。すると小木は一枚のレポート用紙をバックから出すと、
「野木原大介、15歳。身長は170cmで、体重は62kg。筋肉に定評があり、50m走7秒台や握力58kgなど様々な記録は常に学年でも上位。また、勉学も定期テストなどでは100人中最低25位と申し分なし。中学校では2年生の時に生徒会執行委員として生徒会の掲げる公約の達成に助力し、公約を守り切った。これほどの人材が何をいうのか?」
運動神経は否定しないが、定期テストは常にガリ勉。生徒会もなんとなく立候補したものの執行委員枠は候補者が定員内におさまって争うことがなかったため、そのまま当選。当時の生徒会長が腕の良い方で、その方の指示をただ行っただけである。…言うのも恥ずかしくて言えない。それに、
「…分かりました。頑張って見ます。」
美人部長が最高の笑顔で言ってくれたのに断れるわけがないじゃないか。でも、家に帰ったら薫に電話で文句を山ほど言ってやろうと心に決めたのだった。

じもふ! No,1

2人目の重要人物だったり、物語を展開していく上での不可欠な人物の登場。それは…まぁ察してくださいな。
超ライブ派(無計画で頭の中だけでその時思った文章を書く人)の碓氷は、野木原君と相談した結果(モデルでも知人でもありません。ただの作者の妄想です)どことなく少しできる男子としての高校生活が決まりました。いやー彼だいぶ謙虚な部分がありまして(妄想です)説得するのに苦労しました。
これからも登場人物達と会話しながら(妄想を膨らませながら)書いて行こうと思います。

じもふ! No,1

山に囲まれた街。この地の若者たちは都会に憧れ街を離れていき、進んでいる。ただ進んでいるだけで深刻化はしていない。 街の北東部に位置する唯一の高等学校《中央高校》。全校生徒約360人ほどの普通科の学校だ。山々に囲まれているため地方からやってくる生徒はほとんどいなかった。しかし元々この高校は、30年前は全校生徒約1200人いた。地方からもたくさんの生徒がきていた。これはこの街がどれだけ栄えていたかは安易に想像できるだろう。そしてどれだけ落ちぶれたかも。いや、落ちぶれたというよりかは平野部が栄えていったのが原因かもしれない。 そんな高校にある時、この街を愛する者達がつくった部活がある。その名も《地元復興部》と言い、この街を盛り上げようとする部活である。 街の人々はその部を期待と親しみを込めて《じもふ》と呼んだ。 何も知らない少年は前を向き、思いを寄せる少女はその背中を追いかける…

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-08-17

Public Domain
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