セカイノカナタ

書くのは初です。期待はしないでください。

更新はかなり遅くなると思います。

アヤシイスーツケース


弓月北中学校3年の神田幸喜の夏休みの話だ。

僕は小学校ではそこそこ友達がいてそこそこ人気があった。
しかし、部活を1年で辞め、帰宅部の少ない北中では空気扱いになっていた。
また、何事にも平均で、少し秀でていると言えば球技系ではあるのだが、足の遅い俺にとっては体育の授業でもあまり目立つことができずにいた。
したがって、幼馴染と従妹以外では知り合いとは呼べても友達と呼べる人はいなくなった。
別に皆でバラ色の青春ライフ否バラ色と青春はどうも結びつかない、
これはバラと青春を色に例えると僕の中では、赤と青、相容れない存在だからだが、うーん、そう、青空色の青春、あまりうまくないが、
まあ、とにかく、別に皆で青空色の青春を楽しみたいわけではないが、一人はやはり寂しいとも思っている。
そんな話は幼馴染と従妹がいるから寂しくはないという結論が出ていているから考えるにも値しないほどのかんがえなのだが、

話変わり今の状況、
当本人でもわからない状況否、分かりはするのだけれども、
あまりにも突然に、あまりにも非日常的なことであったので、自分の目を疑っていただけなのだが、その状況とは・・・

道のど真ん中に怪しい黒いスーツケースが落ちていた。

場所は僕の通っている学校の帰り道だ、夕方の時間帯は人通りはあまり多くない、ちなみに隣には車道がある。
そんなことはどうでもよいことだ、まったくもって説明するまでもなくどうでもよいことだが、一応言っておく。
そんなことより、いかにも金が入っていそうで、どっかの刑事ドラマに出てくるような黒いスーツケースはそこにあった。
そこに金目のものがあれば誰でもするだろうと思われる行為がある。
それは、言うまでもなく拾うという行為、所謂パクリだ。
だが、流石に黒い怪しげなスーツケースに手を出すものなどいないだろう。、話がうますぎる、こういうことには必ず裏があるものだ。
そんなことは子供でも分かる。いまどき、社会教科書に載ってるほどに常識だ。
いるわけがないそんな飛んで火にいる夏のバカは
と思っていた。だがしかし、そこには何と飛んで火にいる夏のバカがいたようだった。
「なんだろうこのスーツケースは、爆弾でもか入っているのかな?入っていたら僕が解除しなければ大変なことになるな♪」
なんと、それは僕だった。
白々しい、「うへへへへ、金だ~大金だ~!!!!!」と正直に言えばいいものを、
しかももし爆弾が入っていても解除の仕方なんて全く分からないにもかかわらず、まったくもってバカな僕だった。
人の目が気にならないかと言ったら否であるが僕は七つの大罪をすべてコンプしている僕にとってはそんなことは些細なことである。
だが、落とした人は相当困った状態になるのではないのか、こんなものを拾ったら謎の組織に追われることになるかもしれない
そんなの事を考えながらもスーツケースを開けようとする僕の手は止まらなかった。だが、
「あ、開かない!?」
何ということだ。こんなものがあっても開かなければ意味がない。
開かないスーツケースなんて、最後までたまった期限切れのポイントカードと等しい。
だがしかし、こんなことで諦める様な僕ではない!!!!!
開かないと分かってはいるが、自宅のカギ、自転車の鍵、部屋の鍵などを試してみた。
「やっぱり無理か…。」
周りを見て誰もいないことを確認して僕は走って自宅に持って帰った。
まさか、そのスーツケースの中身が後々僕の平凡でつまらない人生を非凡で退屈のしない人生にしてくれるとはこの時の僕には知る由もなかった。

セカイノカナタ

セカイノカナタ

神田幸喜の異世界での物語

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-14

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work