星の下、路の上

 書くべきことがない。
空っぽである。

 疲れた身体に鞭打ち、家路を急ぐ。

 この暑さのせいか、とにかく空っぽである。

潔いほどの空っぽさだ。


 なんにも考えられない。

 ヌルめのシャワーを浴び、缶ビールのプルトップを引く。

ただそれだけが今の僕に必要なことだ。

 iphoneはさきほどからユーミンの「ひこうき雲」をリピートしつづける。

 公開初日から何度も足を運ぼうと思ったジブリの「風立ちぬ」

いまだに行けてない。
 映画を見ようという気力が萎えている。

 いやいや、そもそも映画を映画館で見ようという気さえ萎えている。

 そんな自分が腹立たしい。

 街灯の灯かりにふと立ち止まる。

 「こんな人生で良かったのかよ・・・」などと思ってしまう自分に更に腹が立つ。

 空を見上げる。微かな星空。

 そういえば火星旅行の乗組員を募集していたな、片道切符の・・・

 帰る当てのない旅路・・・行きに十ヶ月かかるそうだけれど、火星に無事に降り立ったとしても水も食料も???だらけ・・・。

 そういう旅路にはどんな覚悟がいるのか、

 星の下、路の上・・・帰ったらとにかくビールを開けよう・・・。



 

星の下、路の上

星の下、路の上

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-14

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