一行のカンバセーション
・一行のカンバセーション
雲で寝ないで
仰向に
灰色のボンネットには上手く写らない
向きや不向きや
遠いこと
ここに来ること
決めていないこと、
好きなお菓子の一つも変わっていなければ
またいいなって、思うこと
綴れば、
まだ続くこと。
多分、
三週間前に見つかった
絵本になら
気の利いたお話、
思い出に残る挿絵と一緒で
描かれていたって
曖昧な記憶の
ただ交わした中の
短いカーブを抜けてばかりで
覚えてる、
近い仕草と
耳朶、
横に向いて
前向いた
行き先。
懐かしいの
すぐ先、
行きつ戻りつした会話
先に進むのはもう決めている
(制限速度と親密さ)
無関係な欠伸、もしくはくしゃみ
「そういえばさ、」。
そろそろ
標識は左に曲がらなければ、いけない。
未舗装の道
「ただね、」。
調整した後のスピード
「そうでもないよ。だって、」。
問題は無かったかのように曲がれた
「そう理解、した。」
それで、
「だからね、」
砂利道は本当にジャリっという感触を残したんだ、
歩いている時と変わりなく
(白い線に従って、)
仕切られたアスファルトの一方で
風が強くて
波も大きく
木だってしなって
少し埃も舞って
「何か飛んでる、」、
余所見は出来ない。
「だから、」
と言って聞かせて。
雲で
寝ないで仰向に
灰色の
ボンネットには上手く写らない、
向きや不向きや
遠いこと、
ここに来ること
決めていないこと、
好きなお菓子の一つも変わっていなければ
またいいなって、
思うこと。
綴れば、
まだ続く。
多分、
次も絵本を買うかもしれないから。
気の利いたお話、
挿絵とある
一行のカンバセーション。
一行のカンバセーション