自分へ

１　不屈

悔しさを積み重ね

それでいて平気な顔をして

過ごして来た

惨めな自分を

見て見ぬ振りをして

それでも人と比べて

生きて来た

自分が何かも解らずに

しっかりと向き合おうともせずに

空回り、堂々巡りに

苦しんで来た

人に縋（こび）ることなく

孤独をも楽しめる

言葉を受ける度

圧力に屈しない自分を

試されている

そのひとつひとつを

積み重ねて

人は強くなって行く

２　試行

試さない人生

試す人生

どちらを選ぶか自分次第

答がわかっていれば

試す必要などない

半信半疑だから当たりを付けて

試してみる

的中すれば嬉しいし

そうでなくても次の課題に出来る

死んでしまいそうな事を避けつつも

実際に試してみて

痛みも味わう

誰でも試せるのがこの世の中だ

３　表現

心にあって

形にない

その具現化が使命

その表現方法は

無限大

言葉であったり

絵画を通したり

造形にしたり

社会の仕組みを作ったり

生きることって

それ自体がアートだ

４　伸縮

慣れた積もりで気を抜く

ただの繰り返しと思い時を見失う

時計の針の速度は決して一定ではなく

伸びたり縮んだりしてる

自他は常に変化し

その関係も無限大

地形は川の流れを呼び

川の流れが地形を変える

大地は圧力の中で循環し

人はその変動に

暫し目醒める

５　調和

一度は楽しかったことでも

次が同じように楽しいとは限らない

意外な何かが見つかった時

発見する、出会う歓びがある

私の心は喜んで居るか

喜ぶことに向いているか

それぞれがそこに忠実にいるとき

人と比べたり

人を妨げたり

そんなこととは無縁に居られる

悪意でも善意でもない

本当の時運に忠実でいるとき

それを大切にしたい

６　緩和

掴もうとして

想いがあまり

全身に力が入り

事を逸する

欲しいという欲望を

傍観して楽しんでいれば

相手も自分も見失わない

結果を先に決めたがるから

そこに執着が生まれる

どちらでも良いと

力が抜けた時に

望む結果を得ている

７　見えない何か

紙面に向き合い

硯に墨を満たし

筆を取る

文字を選び

描く

石に向かい

下書きをして

刀を取り

石を彫る

パソコンに向かい

白い余白に

文字を入れる

表現の手段は違っても

映し出されるそれぞれは

自分の心の有様

そにこは見えない何かが在る

８　見えないなにか

紙面に向き合い

硯に墨を満たし

筆を取る

文字を選び

描く

石に向かい

下書きをして

刀を取り

石を彫る

パソコンに向かい

白い余白に

文字を入れる

表現の手段は違っても

映し出されるそれぞれは

自分の心の有様

そにこは見えない何かが在る

９　空に響く

遥か彼方から

幾千の山を越え

届く便りは

どの五感に響くのだろう

文字情報

その限られた暗号を紐解き

感情に変換する

ホルモンが分泌され

この世で寄与された

機能が反応する

それらは又

文字情報に変換され

地球を巡る

目覚めた感情は

交信の間に増幅し

最大限の響鳴を

何時か奏でる時を待つ

１０　優しさ

優しさに触れたとき人は

抵抗を止める

優しさに満たされたとき人は

素直になる

優しさを与えるとき人は

歓びを感じる

優しさは慈愛であり

そして知性でもある

何故なら

その労力を何に向けるべきかを

知っているのだから

１１　潜む悪魔

穏やかな日々を過ごしていても

時折顔を出す

物事を壊したくなり

ダメージを与えないと気が済まない

自分の中にいる悪魔

こいつと向き会う

しかも巻き添えを出さないように

そこが肝だ

１２　空気圧

足こぎ車のゴムタイヤ

自然と空気が抜けてゆく

時にはパンクすることも

圧の低いタイヤだと

早く走れない

力が上手く伝わらないと感じたら

まずは空気圧チェック

空気を満たしたら

また滑るように走るから

１３　祝福

墨の香りに包まれて

日々の変化を

鳥達の囀りや

風に感じて

大きな自然に抱かれて

小さな自分を忘れて

大きな自分を思い出す頃

小さな自分達を許せる

夢幻の可能性を与えられ

そこに身を委ねたとき

縛る自分を解放し

生きてきた歓びに

乾杯しよう