赤吹雪~伊吹山編 15章~
要、暴走編。
あなたは、こんなことが現実に起こると思いますか?
あまりにも極端かもしれません。
さかし、貴方にも起こる確率は0とは言い切れないのですよ。
いままでの流れをまとめてみよう。
1 手袋は、小出ゲンドウの物。
2 小出ゲンドウは確かな出来事をもって手袋をあの場所に置いた。あるいは、置かれた。
3 ゲンドウは、小出ユイと共に行動。
小出 直木は帰って来た。
4 メールの内容は、明らかに氷柱が伊藤 誠を殺したこと、そして、蕾という人を殺したことが書かれていた。
5 携帯電話は、伊藤 誠のもの。
しかし、腕が誠の物かは不明。
6 誰かが、電波搭の電波線を切った。
何の目的かは不明。
………ってところだろうか。
あぁ、自分は何をしてるんだろう。
こんなところで、なんで殺人事件に巻き込まれないといけないんだ。
僕はもうイヤだ。
早く帰りたい。
第一、何で彩は僕をこの旅行に誘ったんだ。
だって、こんなにも出来た話があるのか?
電車内で見たニュースがたまたま自分と関係していて、
かつ自分には危険が迫っている。
なぜか。
それは、腕が語っているも同然じゃないか。
もう、僕は日常には戻れない。
でも、僕は何をすれば良いんだろう。
もちろん、氷柱を探しだして抹消するのが一番良いに決まってる。
でも、どうやって判別する?
今のところ一番怪しいのは、
…浅野さんかな。
浅野さんは何かと行動がおかしい。
例えば腕が箱に入っていたと確認したとき、何故か当然と言ったようなかおをしていた。
つまり、あいつは最初から中身が何かを知っていたのか?
…だとすれば、ほとんどのつじつまが合う。
しかし、それだと妹の存在がおかしい。
妹がずっと側にいるのに、電波搭の電波線を切るようなことが出来るのだろうか?
……いや、それなら。
たかだか中学2年生だ。
法に関することをゴチャゴチャと言えば、相手は自分が無知である。
即ち、相手の言っていることを正しいと思い込む。
例えば、東京から連絡が入ったから、少し回線をいじる、とかを言う。
しかも妹だ。そんな姿の兄を見るのは自分としても誇りとなるだろう。
この思い込み習性を利用したとしたら、
まず、妹については問題はない。
………………いや、待てよ?
あいつが氷柱なのか?
いや、メールの文章で言えば、氷柱は女のはず…
いや、それは氷柱が女と思わせるフェイクだ!
とすれば、氷柱は浅野良太!お前だ!
今日中にでも、お前を抹消してやるよ!!!!
あっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!
………今日は夜までは部屋に閉じ籠る。
そして、計画実行は深夜。
彩は鮮花さんとかと一緒に寝るみたいだし、
抜け出すのは簡単だろう。
僕は、それ以降彩に冷たい態度を取るようになった。
そうだ。元はと言えば、
こいつが僕を誘わなければ良かったことなんだ!!!!
その気持ちで、晩御飯も食べなかった。
彩にも心配されたが、もう大丈夫だ。
だって、明日にはもう平穏が戻ってるんだから……。
……………時間だ。
さぁ、氷柱を殺しに行くぞ。
浅野。絶対にお前を抹殺する!!!!
赤吹雪~伊吹山編 15章~
要は、史上最悪の人間です。
要はついに、疑心暗鬼に完全に取りつかれました。
殺人鬼という鬼へと姿を変えました。
鬼には、人の言葉は通じません。
鬼なのですから。
Thank you for reading!