威風

威風...

校舎内の窓越しに太陽の日差しが照りつける...「宝田,どこへ行く?」と日本史教師が言うと,空かさず「トイレ..」と無愛想な宝田が言った.. トイレを出ると,そのまま宝田は,ダブダブのズボンを引きずりながら,なにも考えずに校舎を出ていった...国道脇の細い路地を無愛想のまま歩いていく..横には河川が流れてる..宝田は歩道橋下の河川敷で腰を下ろし一服した..「フゥ....」宝田が天に向かって煙草をふかした後,起き上がると,制服を着た人相の悪い三人組が宝田を睨みつける...「おい,お前,今,俺にガンを飛ばしただろ?...」「だとしたらどうなんだ?」と冷静な趣で,宝田が言い返す....「ヤロー」と言いながら,そのうちの体がでかい男が,パンチを振り上げてきた...だが,そのパンチを咄嗟のスエーで軽く避ける...「それがパンチか?」と軽く言う...「この野郎...」とでかい声を放ちながら三人が一斉に殴り掛ってきた...だが,それでも,宝田は,全てのパンチを「スエー」で軽く避ける...しばらくして相手が全員,疲れ果ててきたところで..「こっちから反撃してもいいか?」と自信満々の口調で宝田が言う....そこで三人組が尻込みして「ちきしょう..」と捨て台詞を吐きながら逃げていった...黒三人組の姿が見えなくなると振り向き様に杖をついた老人と肩がぶつかった..「爺さん,悪いね..大丈夫か?..あ~~爺さん,俺は爺さんなんかには手は出さない主義なんだ.安心してくれ」と宝田が軽く言うと「今の見てたよ..」と腰が曲がった白髪の老人が返した..「そうか..見てたのか?」「猫パンチをな..」「なに?」「猫パンチと手打ちだな,それじゃ..」「ほう..爺さん,若い時に,ボクシング習ってたんだな?」「かかってこい!」「なに?」「いいからかかってこい」「ハハハ..爺さん,やめとけよ,いくら爺さんが昔,強かったとしても,爺さん,腰,曲がってるじゃないかよ..」丁度,その時,運わるく黒い制服を着た柄の悪い連中が10人前後で道を塞ぐかのように歩いていた..「爺さん..そこに座ってろ..巻き添えくうぞ..」「お前はそこで見ていろ..」「ハハハ..分かった分かった..面白い爺さんだな..」(爺さん殺されるな..(苦笑)...)老人がその柄(ガラ)の悪い連中を避けない為,その中の一人と真正面に立った..「爺さん.何してる?殺されたいのか?邪魔だ..」その隣にいた男が

威風

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-09

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