星屑のソラ

初小説に少し緊張…。

更新する日数はまちまちなので、先に謝りますごめんなさい。

それでも読んでくださる方は神ですね。


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 ? を多くはじめに書いて後々明かしていく というパターンでいかせてもらいます。

自分でももう ? のところがあるけど、ま、いっか。

こんな適当な感じなんで、のんびりお付き合いくださいね。

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「アイツは化け物だな」

「ほんとほんと!この前だってさ、アイツの見張りやってた奴死んだんだって?

 またあみだくじでそれ決めんだろ?

 俺怖ぇよ」





掃除道具を片手に持った柄の悪そうな男2人の アイツ という人間を主題とする会話。

そのアイツというのはどうやら嫌われ者らしい。





「仕事はすげぇけどその分俺らまで殺られんじゃね?って心配だよなぁ」

「あ、そうだ。

 お前知ってる?

 アイツ殺し損ねた奴がいて、そいつがまたビッグな奴でさぁ、ボスにこっぴどく叱られてたよ。

 そのボスの怒り様がハンパなくてよ、近々アイツ殺されるかもしんねぇんだとさ」

「なら、…もう俺らで殺っちゃう?」





じっとりとした汗が手ににじんだ。

ゾッと鳥肌さえ立つ。

俺を……殺す?

冷たいコンクリートに背中を預ける アイツ と呼ばれる少年。

頭の中は 殺される という文字で埋まっていく。

急に理性を失う少年。

呼吸も荒くなり声がつい洩れそうになる。

でもバレるのはまずい。

必死に震える手で口を押さえてしゃがみ込む。

ここから逃げないと!!

少年はスクッと立ち上がり音を立てずにその場から消え去った。





この建物に何がどこにあって、出入り口と非常階段が何階にあるのかまで把握済み。

逃げさすことなんて容易なこと。

でもここには、大事な人がいる。

だから逃げだそうとはいつも思わなかった。

でも今回は別…。




走って走って、たどり着いた先には暗証番号を入力する装置が設備されている。

そこに急いで 225100789 と入力した。

分厚いコンクリートの壁はうなりを上げて開く。





俺の目に入ってくる明るすぎる月の光。

涼しそうな虫の声。

でも今の俺にそんな声は届かない。

外に出たってまだ安心できない。

奴らは必ず俺を殺しに来る。

見つからないところを見つけないと。

普通の人より走るのは速い方。

全速力で森の中へと姿をくらました。

○●○第1章○●○

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薄暗い空間の中、ただ死臭と血の匂いが俺の顔をしかめさせる。

目の前に何体も無造作に転がる死体。

とくとくと溢れる鮮やかな紅。

俺の手には刀が握られていて…

その刀の刃からはポタポタと、黒い地面に落ちる液体。

とても生きた人間の様には見えない、うつろな目をした俺。

隣には緑色のコートを着てこっちを見る男がいる。

俺はその人に手を伸ばそうとする。

でもその人は俺が近づこうとすればするほどにどんどんと遠くへ行ってしまう。



その時、肌にあたる違和感を感じて意識を戻した。

勢いよく起きるとさっきまで俺の顔にいたのだろう、小鳥が飛び立った。

「夢ー……か」

はぁ、と思いため息をひとつついてズキズキと痛む頭を押さえる。

「そうだ……、俺あの後疲れきってそのまま寝たんだ」

辺りを見回したがそこは緑一色の世界が広がっていた。

どこだここは?

…とにかく、もっと遠くに逃げないと…。

重い腰をゆっくり上げて、俺はひたすら走りだす。



何時間寝たんだ?

 外 には興味がなかったし太陽もどうでもいいと思ってた。

だから今がだいたい何時だ、なんてことは全く分からなかった。

日がどこから上ってどこに落ちるのかさえ分からない。

強い日差しが俺の白い肌をじりじりと焼いていく。

別に好きで白くなったわけじゃない。

気づくともう、こんな色だっただけ。

でも、俺はそんなこと気にもとめたことはない。

だって、すぐに俺の前身は紅く染まるのだから…。

でもそれはもう前のこと。

忘れないと…。

俺は普通の生活を取り戻すんだ。




「街……」

高層ビルが何個も建ち並ぶ街だった。

少し離れた所には住宅街もある。

これから街へ入るのだ。

足を止めて汗が噴き出るのを防いだ。


大通りを歩くと街ゆく人たちに痛い視線を向けられる。

それが嫌で自然に暗い路地の中へ入った。

ずっと暗いところにいたからかここが妙に居心地がよかった。


1人になると、夢に出てきたあの男のことが気になった。

「隼十さん…」

うつろな目で地面を見つめながらそう呟く。

「すいません……」

ぶつぶつと独り言をいう姿は近寄りがたい空気を出していた。

そんな時だった。

耳をふさぎたくなるような叫び声が耳に響いた。



「きゃぁぁぁあああ!!!」

女だった。

おぼつかない足取りだったがその尋常じゃない悲鳴をきいて素早く足を動かした。

スッと目に飛び込んできたのは1人の女を取り囲む数人の男たち。

ナイフを女の横にピッタリをくっつけ、何やら脅しているようだった。

冷たいコンクリートの壁からのぞく俺は、昨日のことが甦る。

まるで、あの俺を殺す話を聞いた時と今の状況が重なって見えたのだ。

男たちは品のかけらもないような低い声で笑い出す。

その汚い手は女の服の中に入っていく。

舌にも穴があいているのだろう、醜い口は女の体を這うようになめている。



「すぐ殺してやるから安心しな、ま、俺らが楽しみ終わってからだけどよ」


そう言ってまたゲラゲラと笑いだす男。

なんて最低な人間なんだ。

「何が、…すぐに殺してやる、だ」

俺のこぶしはいつの間にか強く握りしめられていた。

星屑のソラ

星屑のソラ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-08-16

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  2. ○●○第1章○●○