赤吹雪~伊吹山編 9章~
彩は、要に何かを伝えた。
その内容に要は従った結果、
あることに驚いた。
その内容とは……?
2月15日(火)午後9時00分
リビングに戻ると、彩は布団の中で
丸まっていた。着物ではなく、普通のパジャマだった。
「お帰りぃ~。どうだった?」
……なんかフワフワしてるな
「まぁ、大体予想どおりだった。
大垣まで電波は届いてたよ。
これがその写し。
それと、大垣よりも愛知県よりは別の電波があった。
多分、愛知県の電波だと思うよ。」
「おぉ、お疲れ~。
それじゃあ君は風呂にでも入ってきたらどう?私はもう入ったから。
今のうちにこの紙とリストを眺めてるよ。」
あ、そういえば僕はまだ風呂に入ってないんだった。
「それじゃあ、入らせてもらうよ。
お風呂ってどこだった?」
「え~っと、廊下に出たら地図があるから大丈夫だと思うよ。」
「そうなの?ありがと。」
んじゃ、入ってくるとするか。
一日目の感想と、今まであったことを
忘れないためにも。
ここの風呂はとてもキレイで、壁が檜でできていた。木目調の壁に手を擦り付けても、特に何かに引っ掛かることもなく、スベスベだ。
……そういえばみんなにバラバラ殺人のこと言い忘れたな。明日は彩曰く
「スキーは出来ない」らしいから、
皆が集まったら言うか。大石さんに帰れないかもしれないことを話すと、特別に無料で泊めてもらえるらしい。
大石さん…何ていい人なんだろう。
一応鮮花には伝えておくか。明日の朝からパニクるのもなんだし。
僕は鮮花に電話をした。
しかし、その電話は繋がらなかった。
何度も何度も電話をした。
やっぱり繋がらない。
何でか?
タワーの電波線が切られたからだ。
「切った」か、「切れた」のか。
もし「切った」のなら、狙いがある。
犯人は、情報を知られるのを拒んだ?
なんの情報か?
犯人……犯人。
バラバラ殺人の犯人の情報?
つまり、自分の情報を知られるのを
嫌がったのか?
「いや、考えすぎか。」
考えすぎるとキリがない。
それにもうそろそろ風呂を出ないとのぼせてしまいそうだ。
「お風呂出たよ~。」
彩はベッドルームでぐっすりとさっきの姿勢のまま寝ている。
無口な彩も好きだが、この状態の彩もとてつもなく可愛い。
僕も今日はいろいろと疲れた。
とりあえず明日までゆっくりとするとしよう。
何も無かったかのように。
赤吹雪~伊吹山編 9章~
要が壊れ始めました!
ついに、物語は佳境を迎えようとしています。
「ミステリー」「サスペンス」
は大体分かったと思いますが、
よく考えると「ホラー」の要素がないかもしれません。
Thank you for reading!