あまのじゃくの恋

私はあまのじゃく、

小さい頃から他の人とは違う考え方をしてるとは思ってたけど

高校生になって、
さらに実感した

私はあまのじゃく

そんな私の自由できまぐれで複雑な恋愛観。


小学校の頃は
意外にもTHE女子だった、

ピンクのランドセル

スカート

二つむすび

掃除しない男子に怒り

バレンタインには好きな人にチョコをわたし

家では料理も


でもね。
中学に入ってから

なんか

小学校の頃の私みたいにTHE女子ってゆーのが
ウザくて

いちいちいろんな事に熱くなったり
すんのがうぜぇーな、って

中2病ってやつだよね

でもさ、私の場合それが他の人より強かったんだ

そう。
だからよく冷めてるねー
毒舌だねー

って言われた

そっか

これが冷めてるんだ

毒舌なんだ

自分はそうは思わなかった


だって本当の事を言ってるだけじゃんって思ってた

そんな私の恋愛観



_中1、秋

私は隣のクラスの陸上部の男の子を好きになった
集会ん時とか
ずっと探して見つけては満足し、
ドキドキというよりは憧れだった

__中2、春
その陸上部の子と同じクラスになる
すごく嬉しくて舞い上がったの覚えてる

でも
同じクラスになってすぐ、その子への気持ちは消えた

この頃、成績不振だったので私が嫌がってた塾に無理矢理入らされてた頃でもあった

その塾で
一目惚れした

違う中学の子に。

実は陸上部の子も一目惚れ、

このあたりから
私は惚れやすいのかもしれないと感じていた

違う中学に通う彼

最初は名前すら知らなかった

授業の始めに先生が点呼をとるけど
あまり聞き取れず

でも、「……原くん」

名字に"原"がつくことはわかった

その子が気になってるということを友達にバレたくなくて
なかなか名前を知ることができなかった

そんなある日

「これ、配っといてくれない?」
国語の先生に言われたこの一言

そんな面倒でもなかったので快く配り始めた

……あれ

この人誰

たった一枚だけ顔と名前が一致しないプリント

でも一瞬でその人が、誰か予測できた

篠原亮

それが彼の名前だったことをその時知った

浮かれた
名前を知っただけで

浮かれた。舞い上がった

小学校の時や
陸上部の子とは違う、

この
相手のことをもっと知りたい
という感覚

私は彼に
篠原亮に完全に恋をした


__中2、夏
夏休み。
1つ上の先輩最後の総体

結果は一回戦負けだったけど先輩と最後まで一緒にプレーできたことが嬉しかった

そんな帰り道

そろそろ家だと思ったその時

彼が。
篠原君が。前から歩いてきてそのまますれ違った

相手もこいつ見たことあるなって
言う顔で見てきた

それだけで嬉しかった

それだけで胸が高鳴った


夏休み終盤。

塾の帰り。
友達と別れた後の事だった

暗闇のなか自転車に乗っていると
前方で赤い物がチカチカと光る

前に自転車がいることがわかった

そして大きな信号に差し掛かったとき

暗闇が一気に解け
前方の自転車の正体があらわれた

それは
紛れもなく

篠原君


確かに総体のとき
この辺ですれ違った

家が近いとまで予想できなかった

まさか
こんな
徒歩5分で行けてしまうような距離にいつも彼がいたなんて

そっか
徒歩5分しか離れてないとはいえ
ここは違う中学の学区。

こんなに近いのに
違う中学

そこが悲しかった

同じ中学だったら
もっと篠原君のことを知れたのにね

篠原君と同じ中学の友達に聞いたら
塾と学校じゃ全然違うって

私が知ってる篠原君
いつも一人ででも皆から嫌われてるわけじゃなくて

話しかけられたらいつも笑顔で
爽やかなかんじ

学校では冗談半分に問題児と笑われるほどやんちゃ
らしい

そっか

そういうとこも見たかった

好きだから

中2から中3にあがる時
篠原君は
塾を
やめました


それからというもの

最後の自分たちの総体
受験など
が重なって

恋なんかしてる暇もありませんでした

あまのじゃくの恋

あまのじゃくの恋

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-08-08

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