赤吹雪~伊吹山編 3章~

赤吹雪~伊吹山編 3章~

皆さん「このコピペ野郎!!!!」

YURiE「してないって!」

2月15日(火)午後5時10分

僕達は店長からカギを貰うため、談話室で店長の帰りを待った。

「店長遅いね~なにやってんだろ?」
鮮花がそんなことを言い出した。

「確か5時くらいとは言ってたけど…
でもホラ、雪が激しくなってきたし、遅れてるだけかもよ?」

彩が珍しく他人に口を開いた。いつもは黙って外を眺めるだけなのに、
……何かあったのかな?

「確かに雪が激しくなってきてるね。
明日はふかふかの雪でスキーが出来るんじゃない?」

「あっ、そうか。ポジティブに考えばいいね!やったー!」

…鮮花ってこんなテンション高いの?
外に出たらテンションが180゚変わりそうだ。

「それにしても暇だね。テレビでも点けようよ。莉奈、リモコン貸して。」

桐野がそれっぽいリモコンを鮮花に渡す。

「ありがと。では早速、ポチっとな。」

久々にポチっとななんて聞いた。やっぱり今日の鮮花はテンションが高いみたいだ。よっぽどスキーが面白かったのだろうか。

「……あれ?テレビが点かない…。」

「画面にアナログって出てるぞ。」
桐野が指を指したところを見ると、確かにアナログと表示されていた。

「鮮花、リモコンくれ。」
鮮花はしぶしぶ渡したように見えた。
おそらく自分の力で設定したかったのだろう。

桐野が見事な手際で受信番組の設定を終えると、無事にテレビが見れるようになった。しかし、少しだけ画面がかすれているような…?

見る番組は「半沢 にゃおき」
最近話題の連続ドラマだ。

皆がテレビに見入っている中で、彩だけが外を見ていた

「気だるそうだね。彩。」

「…12時くらいに分からなかったやつ、分かったの?」

シカトかよ

「いや、さっぱりだ。一体何がおかしいのか全然わからん。」

あの後少し考えたが、全く検討もつかない。

彩は少し息を吸った。
「手袋は、普通片方だけ落とすもの。
スキーのストックも、リフトからだったら普通は片方しか落とさない。でも、両方とも落ちてて、重なるように落ちてたんでしょ?リフトから落ちたのなら、普通はバラバラの位置に落ちる。つまり、落とし主は故意に落としたんじゃないかってこと。
まぁ、店長も同じことを考えてるかは分からないけど。」

………………ほほう。
「……何のために?」

「そんなこと知るわけないじゃん。
頭がおかしいのか、暑くなって脱いで、そのまま置きっぱなしに…いや、これはないか。あんなに坂のある所を滑り降りる頃には誰もが手が冷える。そしたら普通は次にリフトに乗った時に、落とした所のコースを選ぶ。」

改めてコイツの洞察力を思い知る。

「ああ、それと、それの落とし主はもうこの宿の中にはいない。」

「それは何で?」

「…さっき要君が手袋を持ってきた時、手袋から水が滴り落ちてた。
それが今日のではないって断言出来るのは、今日は氷が溶けてかつ、手袋に染みるわけががないから。
…確か昨日の昼はかなり暖かかったよね?
雪が溶けて、その手袋に染みたんじゃないかな?
つまり、それを落としたのは昨日以前。しかも故意に落としたのなら、もうこの宿にはいない。」

コイツは本当に洞察力がバカみたいに
高い。

彩からこの話を聞き終わった頃、店長がようやく帰って来た。

赤吹雪~伊吹山編 3章~

なんやかんやで4話。

手袋は確かにおかしいですよね~。
なぜ、あそこに手袋があったのか。
なぜ、故意にあそこに置いたのか。

この二つを説明すれば、
あなたはこの物語の迎える惨劇を
回避することが出来ます。

では、5話でまた会いましょう。

Thank you for reading!

赤吹雪~伊吹山編 3章~

狂ってるやつは、 自分が狂ってるって気がつかないんだよ。 僕は狂ってるって言った人は、狂ってないよ。 狂ってるって知ってるじゃない。

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-08

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