赤吹雪 ~伊吹山編 序章~

赤吹雪 ~伊吹山編 序章~

僕は、彩とスキーをして、楽しみたかった。

いつも君は笑顔を見せてくれなかった。

そんな君が誘ってくれたこのスキー旅行。

なんで君が誘ってくれたのかは分からないけど、

僕は、それで満足だった。

そう。

彼女が笑ってくれるだけで良かったのに…

気づけば、そこには彩が泣いて眠っていた。

2月15日(火)午前5時30分電車内

自分こと黒崎 要は、いたって普通 の高校生。ちょっと推理が得意な高校生だ。

今日は妹の鮮花と僕の友達が数人
そして僕の彼女の彩と一緒にスキーを楽しみに来た。

そのスキー場はいわゆる穴場と言うか、とてもへんぴな場所にあった。

とんでもないほどの山奥なので、片道だけでもかなりの時間が必要そうだ

鮮花はとても退屈そうにあくびをしている。

彩は…どうやら僕の携帯電話に興味津々のようだ。

鮮花の友達は僕の友達たちとにぎやかにトランプをして遊んでいる。

僕は友達が少ないわけではなく、
単に少し眠たかった。昨日はこの日のために入試の勉強を今日の分までやっておいた。

だから友達には、少し寝て体力の温存をしておくと言っておいた。

とはいえ少し暇になってきてしまい、僕はラジオにイヤホンをつけて最近のニュースでも聞こうかと思った。

※これ以下はラジオの放送。

「今日は朝から夕方にかけて、とても
暖かくなりそうです。ですが、夕方から翌日の朝にかけては、今季最大の寒気が流れ込むため、各地で大雪となりそうです。
特に山間部では、猛吹雪に注意して下さい……」

「次のニュースです。今日未明、愛知県蒲郡市で起こったバラバラ殺人事件ですが、犯人の5人の中の一人、
「氷柱 」被告が未だ逃走中とのことです。それに伴い、昨日の午後11時から、検問を各地で行うことが決定しました。
被害者は「伊藤 誠」さん(17才)です。
また、「西園寺 蕾」さんも犯人の一味だと思われますが、氷柱容疑者に
首の頸動脈を切断され、24時間後、
収容先の病院で死亡しました。
これまでに逮捕された容疑者は以下の通りです。
木原 数多
(38)
小出 直木
(24)
前原 雄一
(18)
3人は全員容疑を認めており、最長でも17日までには書類送検される予定です。
被害者である「伊藤 誠」さんの左手部分が未だ発見されておらず、彼の所持物である携帯電話は見つかっておりません…
また、小出 被告人と前原 被告人は地方裁判所に送検される予定です。しかし、小出 被告人の親、小出 ゲンドウ氏
及び 、小出 ユイ氏は依然、行方不明のままです。
小出 一家は旅行に行った後、直木被告意外が帰って来な……………………
……ブツッ……ザーーーーッ」

※以上がラジオからの放送。


「物騒なこともあるもんだな…」
バラバラ事件か…自分に特に関係はないだろうが、恐ろしい。

「おい、何か言ったか?」

「ん?ああごめん、何でもない。」

どうやら自分で気付かずに一人言を言っていたようだ。せっかくのスキー旅行なのだし、今はバラバラ事件のことは言わなくても良いだろう。

「それより、どの駅で降りるんだ?
もう山に入ってるっぽいけど。」

太一にいきなり質問されてびっくりした。駅名は「大垣駅」だった。

「あっ…えーと、「伊吹山登山口」で降りるみたいだな。この駅から3つ目みたいだよ。」

確かにすでに山に入っているせいか、雪がちらついている。あと10分位で到着、といった所だろうか。

今回旅行に来ているのは、鮮花の友達が2人、僕と彩の友達が2人、といった、7人で来ている。

全員スキーは初心者で、板から何までレンタルする事になる。…彩は着物なんだけど、寒くないのか?

なんて下らないことを考えている内に
「伊吹山登山口」に到着した。ここからは約20分ほど歩くことになる。

「わぁ~きれいな雪~!」
「おお!この辺は雪が積もってるみたいだな。じゃあさ、雪合戦でもしながら登らない?」
「賛成~!」

…休ませてって言ったつもりだ。

「けど何か余計な(start!)ことをしながら登るのは(ボゴッ)体に良くないと思うけ(ゴッゴッゴッ)……」

このドSどもめ。

そんなこんなでようやく宿泊施設についた。看板には、
「愛と優しさのホテル くぬぎ屋」
と書かれていた。

………………………愛?

赤吹雪 ~伊吹山編 序章~

読者の皆様、初めまして。YURiEと申します。

今回は初めての投稿ですので、少々誤字などあるかもしれませんが、どうかスルーしてくれると助かります。

さて、今回は序章ですね。

序章は、この物語の中で一二を争うほど、大切な回と言えるでしょう。

この序章を読めば読むほど、後々のストーリー展開は面白くなってきます。

では、また会いましょう。

赤吹雪 ~伊吹山編 序章~

黒崎は、彼女の彩にスキー旅行に誘われる。 スキー旅行は一風平凡に楽しみ、終わるはずだった。 しかし、スキー場は吹雪に襲われてしまう。 そして、彼らを惨劇が襲いかかる………!!!!

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-07

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