Neo Border [Version2.0] ■017■

Neo Border [Version2.0] ■017■

           Foresight

  近未来、
     現実国家では正すことのできない不合理さが
                ネット上に仮想国家を生み出した。

通りは朝市が開かれていて人であふれかえっていた。
「ま、とにかくおなかがすいたな」
ひとごみに入り温かいフードをゲット。ほどほどに観光客もいて、心惹かれるアイテムが並ぶ露店に今の自分を忘れてしまいそうになったとき
振り向いた瞬間、筋肉質で浅黒い強面の男が立っていた。
Markはびっくりしてひっくり返りそうになったが、
よく見るとちりちりの頭に三角の耳らしきものが二つのっている。
足の間からお尻から垂れているであろう紐が垂れ下がっていた。

「まさかとは思うけど、ねずみさんでしょうか?」
恐々独り言のように小さくたずねた。

「は?誰がねずみだ!黒いねずみだろうが!」

「あ、すいません。そうです」

「ここは旧インターネットの領域だ。適当な所で物を洗って来い」
そう言うと人ごみの中に、黒いおおきなねずみは消えていった。

街で洗濯、漂白。William、Johnの安否確認と情報交換を済ませ、朝居た場所でふらふらしていると、
三角の耳をつけたあの黒いおおきなねずみが乗った車が止まった。

「ばかやろう!ふらふらするな!」

「は、すいません」
なんとも理不尽な話だが・・・

1時間ぐらいは走ったろうか、朝居た小さな街より少し大きな、そして懐かしい街の繁華街でおろされた。
車からはみ出そうな黒いねずみさんの、傾いた重そうな車が走り去った時、
反対方向から
突然銃声らしき音が聞こえた。
しかし驚きはしない。
そう、
そうだ、去年と同じ。

ワインフェスティバルの始まりである。

Mark、は通りのカフェに座り、パレードを見ながら1年前のワイン娘との出会いを思い出していた

Neo Border [Version2.0] ■017■

この小説は将来映画製作用の原作のため、
時間経過と共にバージョンが変化していきます。

前”1.0”バージョンは書きながらアップしていたため、
ストーリー”010”で時代に追いつかれそうになり停止しましたが、
今回は最後まで書き上げてバージョンアップすることにしましたので、
とりあえず完結しています。

最後までついてきていただければ幸いです。

Neo Border [Version2.0] ■017■

<あらすじ> 近未来、旅行好きの大学生が小さなSNSを作った。 個人個人のツールに合わせたビジュアル表現と操作性、テーマなどが人気を呼び 瞬く間に世界中に広まったが、 突然、インターネット上に人工知能型ウイルスが出現し、 世界中のクラウド、ネットワークが壊滅状態になった。 しかしその後人類は英知を結集しウイルスを壊滅させ、 その後新しいセキュリティネットワークが生まれる。 ネットなくして語れない現代社会にとってこの新しいネットワークは次なる未来への希望となる、 はずであった。

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-08-07

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND